1 滝本家(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
滝本龍二「パパ!ママ!ご飯まだ?」
滝本母「あら龍二!もう少しよ!だから少し待っててね!」
滝本父「龍二、夕飯ができるまでパパと話そうか・・・」
滝本龍二「分かったよパパ!」
滝本誠二「・・・・・・」
俺の名前は滝本誠二。14歳だ。俺の家族は父、母、そして弟の龍二の4人家族で、見ての通りありふれた家族構成だ。
これだけ見れば何の蟠りの無い裕福な家庭に見えるのだが。
滝本母「あなた!龍二!ご飯できたわよ!」
滝本父「おぉ!もう時間か!」
滝本龍二「やった!早く食べたいよ!」
母に呼ばれて家族は皆料理を運び、皆で食事を始めると思うのは普通の考えだろう。だがこの家族は。
滝本母「誠二・・・」
滝本誠二「何?母さん・・・」
滝本母「あなたのはこれよ・・・」
滝本誠二「うん・・・分かった・・・」
滝本母「お湯を入れたらさっさと自分の部屋に戻りなさい・・・私はパパと龍二と一緒に食べてるから・・・」
滝本誠二「・・・何で俺だけ・・・」
そうだ。これが俺の家族だ。俺の親は弟ばかり贔屓して、俺に対してはとことん冷徹だ。俺が何を言っても両親が話を聞いてくれた
試しは無い。
滝本龍二「あ〜!やっぱママのご飯は最高だよ!」
滝本母「そう言ってくれると嬉しいわ!おかわり沢山あるから、どんどん食べてね!」
滝本父「ははは!確り食べるんだぞ!あ、母さん、お酒おかわり・・・」
滝本母「えぇ!良いわよ!」
〇田舎の学校
ある時は、体育祭にて。
滝本龍二「ごめんよ〜ママ・・・後ちょっとで勝てたのに・・・」
滝本母「良いのよ龍二!この失敗を糧にして次頑張れば良いのよ!」
滝本龍二「ママ〜!」
滝本父「誠二!お前はどうしてそんなに鈍臭いんだ!あの場で1位を取れないなんておかしいだろ!!」
滝本誠二「ご、ごめんなさい・・・」
滝本父「徒競走で負けた罰だ!お前の昼食はカップ麺だ、良いな!」
滝本誠二「はい・・・」
滝本誠二「・・・何だよこれ・・・」
〇男の子の一人部屋
またある時は、自宅にて。
滝本龍二「へへ!楽しいなこのゲーム!」
滝本誠二「あれ?何してるんだよ龍二・・・って・・・」
滝本誠二「おい、何勝手に俺のパソコン使ってるんだよ?」
滝本龍二「え?何だ兄ちゃんか・・・パパとママがこのパソコン好きに使って良いって!」
滝本誠二「はぁ?何勝手に決めてるんだよ!?俺の意見は!?」
滝本龍二「知らねぇよ!てか今良い所なんだから邪魔すんなよ!!」
滝本誠二「おい!ふざけるな!これからパソコン使ってやる事あるから返してくれないか!!」
滝本龍二「嫌だよ!!」
滝本父「おい!騒がしいぞ!」
滝本龍二「パパ!ママ!聞いてくれよ!兄ちゃんが俺からパソコン取り上げようとしてるんだ!」
滝本父「何だって!?おい誠二!龍二が使ってるんだから使わせて上げなさい!」
滝本誠二「ま、待ってくれよ!俺これから学校の課題でパソコン使いたいんだし、何よりこれ俺のだろ!?」
滝本母「誠二!あなたお兄ちゃんでしょ!?お兄ちゃんなんだから我慢しなさい!!」
滝本誠二「そ、そんな・・・」
滝本父「龍二!もう大丈夫だ!そのパソコンは好きに使いなさい・・・」
滝本龍二「二人ともありがとう!さぁて、早く続きやろうっと!!」
滝本誠二「・・・おかしいだろ、こんなの・・・」
〇男の子の一人部屋
そして現在。
滝本誠二「あ〜・・・納得行かねぇ・・・」
滝本誠二「そもそも、いつからこの家こんな感じになったんだっけ・・・何だか俺だけが悪い見たいになって・・・」
滝本誠二「幾ら考えても何も分からないな・・・」
滝本誠二「ん?何だ?聞き慣れない音がした様な・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
滝本誠二「父さん達、一体何をしてるんだ?」
家の中で聞き慣れない音が気になってリビングに来た俺だが、あえて中に入らず聞き耳と覗き見をする事に。
滝本誠二「あ、あれは!?」
滝本龍二「すっげぇ〜!パパ!これ一体どうしたの!?」
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