ダイオー人

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〇荒廃した国会議事堂
  国会議事堂前
半山大利(はんやま だいり)「やっと国会が終わった さて、地元に帰って羽を伸ばすか」
半山大利(はんやま だいり)「何だ、雨か」

〇高層ビル
半山大利(はんやま だいり)「このへんにタクシーはないのか まったくいらいらする」
辰場(しんば)「おや。先生ではありませんか」
半山大利(はんやま だいり)「し、辰場さん!」
辰場(しんば)「傘もささずどうしたのです」
半山大利(はんやま だいり)「いやー持っていなくてな」
辰場(しんば)「ならば私の車までどうぞ 事務所までお送りします」
半山大利(はんやま だいり)「・・・そうか 頼むよ」
辰場(しんば)「当然です」
半山大利(はんやま だいり)「あなたとは秘書の件以来だな」
辰場(しんば)「そうですね。その件については公言しないようにお願いします」
半山大利(はんやま だいり)「分かっている」

〇車内
半山大利(はんやま だいり)(運転手付きのセダン? 偶然にしちゃずいぶんと用意がいいな・・・)
辰場(しんば)「リュウ。先生の事務所まであとどのくらいだ」
リュウ「あと一時間くらいでしょう」
辰場(しんば)「そうか」
辰場(しんば)「先生。例の法案は反対していただけましたか」
半山大利(はんやま だいり)「ああ、したよ」
辰場(しんば)「そうですか」
半山大利(はんやま だいり)「しかしあの法案の中身は何だね まるで・・・ 日本人どもが我々を追い出したいみたいだったな」
半山大利(はんやま だいり)「危ない危ない」
辰場(しんば)「そうです。危険です この国は変わらないといけませんから先生のお力が必要なのです」
辰場(しんば)「ですから二か月前にお知らせして反対をお願いしました」
半山大利(はんやま だいり)「まあそうだな まだまだ私どもに住みやすい社会とは言えない」
半山大利(はんやま だいり)「あのスパイ防止法というのが成立してしまってはやっかいなことになる」
半山大利(はんやま だいり)「まあだが成立はしない。すでに我々の同胞が政治家の七割をかためた」
半山大利(はんやま だいり)「戦後から優秀な同胞が少しずつ準備をしてきたからな」
半山大利(はんやま だいり)(そうだ・・・ 懐かしい・・・)
半山大利(はんやま だいり)「マスコミ、教育、芸能、ヤクザまで・・・我々の功労があったからここまでこれたのだ」
半山大利(はんやま だいり)「お前わかってるだろうな?昔日本にやられた祖国のことを」
半山大利(はんやま だいり)「これは我々の復讐戦なのだ」
辰場(しんば)「もちろんです。お互い忘れないようにしましょう」
辰場(しんば)「帰化した韓国人がこの国の愚民を治めるのは必然です」
辰場(しんば)「今後も日米合同委員会とともに話し合いを進めていきましょう」
半山大利(はんやま だいり)「ふふふ」
半山大利(はんやま だいり)「この国の連中はまったくバカだからな。たわいもない」
半山大利(はんやま だいり)「占領されたポチだよ」
辰場(しんば)「・・・」
半山大利(はんやま だいり)「他に依頼はあるのか」
辰場(しんば)「ええ。これからいくつか成立を反対してほしいものがあります」
半山大利(はんやま だいり)「また反対はしよう 金は用意してくれているのか?」
辰場(しんば)「・・・ええ、いいでしょう」
辰場(しんば)「将来的に総理への立候補については検討してくれていますか」
半山大利(はんやま だいり)「もちろんだ」
半山大利(はんやま だいり)「すまんねえ」
辰場(しんば)「いえ 我々にとって先生のサポートは当然のことです」
辰場(しんば)「同じ同胞としてこの国をより国際化していきましょう」
半山大利(はんやま だいり)「そうだな!我々がせっかく占領した国を奴らに渡してなるものかってんだ ほんとにあなたは心強い!」
半山大利(はんやま だいり)「これからもよろしくな」
辰場(しんば)「ずっとよろしく」
半山大利(はんやま だいり)(ずっとだと・・・?)
半山大利(はんやま だいり)「ところで・・・」
辰場(しんば)「何でしょう」
半山大利(はんやま だいり)「漢字が苦手なんだが、どうにかならないか 質問文を読むときにあまり難しい字は困る」
辰場(しんば)「分かりました ひらがなをふらせましょう」
半山大利(はんやま だいり)「それでいい」
半山大利(はんやま だいり)「この国は国際化に遅れている。我々が進歩させてやらなくては」
辰場(しんば)「はい。そうです」

〇車内
辰場(しんば)「あの政治家・・・裏切りを考えているな 波動が以前と違った」
リュウ「私もそう思いました」
辰場(しんば)「締め直さなきゃいけない」
辰場(しんば)「そろそろ本部から例の計画を実行するように言われている。あいつではダメだろう 他の者にやらせなくてはいけない」
リュウ「例の人口削減計画ですね。私も本部から聞いています」
辰場(しんば)「そうだ」
リュウ「官僚にやらせるのですか」
辰場(しんば)「甘い それは昔の話だ」
辰場(しんば)「今は政治家の方が強い」
辰場(しんば)「やはりお前には任せられないな」
リュウ「・・・」
リュウ「ところで」
リュウ「私たちの家の近くの公園ですが、以前殺人事件があったそうです」
リュウ「どのような事件か知っていますか」
辰場(しんば)「・・・」
辰場(しんば)「知らない」
リュウ「本部に事件のことは報告したのですか」
辰場(しんば)「した」
リュウ「そうですか・・・」
辰場(しんば)「疑っているのか」
リュウ「あなたのことは信じています」

次のエピソード:復活

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