ダイオー人

栗スナ

空耳か?奴はうつ病(脚本)

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〇大きな木のある校舎
  夏休みが明け、二学期が始まった
  
  そして9月半ばになった
熊元治(くまもと おさむ)「妙だよなー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ほんと」
宮城まつき「こんにちは先輩」
熊元治(くまもと おさむ)「あー 宮城か 元気?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「宮城さん? ふうん」
宮城まつき「元気です 空耳団長は?」
熊元治(くまもと おさむ)「そのことなんだが・・・ あいつまだ学校来ないんだよ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうなのよねー 電話したんだけどね・・・」
宮城まつき「えええええええええーーーー!」
熊元治(くまもと おさむ)「尋常じゃないな」
熊元治(くまもと おさむ)「あいつ何て言ってた? 夏休みボケ?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「それが・・・元気が出ない、行く気がしない。うつかもしれないからしばらく休むって」
熊元治(くまもと おさむ)「あいつが?意味わからん」
宮城まつき「ええええええ」
宮城まつき「何かに呪われたんじゃ・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「ないない」
宮城まつき「周波数攻撃じゃ・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「うーん。まだないだろ」
宮城まつき「ダイオー人にエネルギーを吸われたとか」
熊元治(くまもと おさむ)「どんどん湧き出てくるから大丈夫だ」
宮城まつき「そうですよね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「謎ね」
熊元治(くまもと おさむ)「あいつに借りてた陰謀論の本も返さないと・・・」
宮城まつき「何て本ですか」
熊元治(くまもと おさむ)「天皇すり替え説について書かれた「田布施の寅之祐【たぶせのとらのすけ】」って本だけど」
宮城まつき「あたしが返してきましょうか?」
熊元治(くまもと おさむ)「え。いいのか」
宮城まつき「もちろんです」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたしが返すから」
熊元治(くまもと おさむ)「え」
宮城まつき「え」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたし返す」
熊元治(くまもと おさむ)「そっか」
宮城まつき「え」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃあ高の木に渡しとくわ」
宮城まつき「え」
宮城まつき「え」
宮城まつき「え」
熊元治(くまもと おさむ)「ん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ん」
宮城まつき「あたしは?あたしは?」
熊元治(くまもと おさむ)「え。宮城?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたしが返すんだからあんたは遠慮しなさいよ」
宮城まつき「えええええええええーーーー」
宮城まつき「あたしが先に言ったのにー」
熊元治(くまもと おさむ)「まあそうだよな」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃ、一冊を二人で返したら?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「はあ?」
宮城まつき「ええ?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何で?」
宮城まつき「どうしてなの?」
熊元治(くまもと おさむ)「ダメか・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ダメに決まってるでしょ」
宮城まつき「何でこんなのと!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「こんなの?こんなの?」
宮城まつき「もおー! 年増めー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「おのれガキ―」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」

〇平屋の一戸建て
  そういうわけで三人で行くことになった
宮城まつき「何か先輩の家古風ー うけるー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたしは二度目だから別に何とも思わないわ 二度目だから!」
熊元治(くまもと おさむ)(何で繰り返すんだ)
宮城まつき「二度目?くっそー」
熊元治(くまもと おさむ)(悔しがってるし)
熊元治(くまもと おさむ)「さ、じゃあ呼ぶぞ」
宮城まつき「呼ぶ?ここで叫ぶんですか」
熊元治(くまもと おさむ)「こいつん家呼び鈴ないからな」
宮城まつき「まじっすかー うけるー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ふーん。知らないんだ あたしはとっくに呼び鈴がないこと知ってたわ!」
宮城まつき「くっそー ボロい女めー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「一学年上なだけでボロいですって!」
熊元治(くまもと おさむ)「何かどうでもいいことで張り合ってるし・・・」
宮城まつき「何て叫びます?」
熊元治(くまもと おさむ)「そうだな 「空耳くん!本返しに来たよー」でいいんじゃないか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「「お見舞いに来たよ」は?」
宮城まつき「フレーズが古臭いですね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「別に普通でしょ! じゃ、あんたはどんなのがあるって言うのよ」
宮城まつき「お見舞いに来たなう」
熊元治(くまもと おさむ)「なる。それで現代を表現か・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「「お見舞いに来たよ」でいいよ」
宮城まつき「「お見舞いに来たなう」でしょ!」
熊元治(くまもと おさむ)「どうでもいい・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「空耳ー!! いるかー?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「空耳ー お見舞いに来た」
宮城まつき「なう」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「おーい 空耳ー!」
熊元治(くまもと おさむ)「あれ・・・出ねーなー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あそこ窓開いてない?いるでしょ」
宮城まつき「あたしが来たから照れてるんでしょうか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あんたがいるから嫌がって出てこないんじゃないの?」
宮城まつき「あたしのかわいさをどう隠したらいいのかな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ブルーシートで巻かれて転がっとけ」
熊元治(くまもと おさむ)「おーい 空耳ー いるんだろー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「空耳ー」
宮城まつき「団ちょ~ん あはぁ~ん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何誘惑してるのよ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「空耳ちゃぁ~ん❤ ファイト~」
宮城まつき「応援か!」
宮城まつき「団ちょお~❤ あたしが来たなーう」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あ、た、し あたしよ~ あたしよ~」
熊元治(くまもと おさむ)「何言ってるんだこいつらは・・・」
熊元治(くまもと おさむ)(うーん いないならポストに本入れて帰るか・・・)

〇田舎の一人部屋
東北空耳(ひがしきた くうじ)「はあ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「もう・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何と言うか・・・」
「おーい 空耳ー 部屋いるんだろー」
「空耳ー あたしー あはん♥」
「団長 来て~❤」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「目が覚めたら何か外がうるさいし・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)(今のこんな姿見せられないし・・・ 居留守を貫くしか・・・)
東北空耳(ひがしきた くうじ)(いったいどうしてこんなものができたんだ ただのかぶれか、できものだと思うんだが・・・)
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なんで ひじの一部にこんなものが・・・ 夏服じゃ隠せないし・・・」
「おーい 寝てんのかー」
「だんちょーだんちょー そろそろ ピクニックに行きませんかー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
「空耳〜 気分が悪いならあたしがなぐさめてあげようか この胸で」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「無視無視」
「お前に借りた本、返しに来たんだよー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)(そう言えば貸してたな あの本は返してもらわねば もう絶版になってて手に入らないやつだからな)
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
「熊元が本汚しちゃったんだってー だから謝りたいってー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)(何!?)
東北空耳(ひがしきた くうじ)(治め〜)
「ピクニックー ピクニックー だんちょー カラオケしよー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)(どっちやりたいんだ・・・)
「お前の本ポスト入れとくからー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)(頼む)
「じゃあ入れとくかな」
「あたしが入れるー!だんちょーの本!」
「ちょっと待ちなさい! あたしが入れる!」
「あたしがー あたしがー だんちょーのはあたしが管理するの!」
「あたしが心を込めて堅実にポストに突っ込む!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
「お、おい 引っ張るな!」
「これはあたしがやるのー 任されたんだから!」
「あんたがいつ任されたって言うのよ あたしの任務なんだからね」
「龍のお告げで あたしが本をポストに入れなさいって龍が!」
「あるか そんなもん!」
「ポストはお主に任せたと言ってましたー!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
「あたしは直々に頼まれたの!夢で空耳に! ポストに本を入れていて、とね」
「嘘ー!」
「あんたこそ!」
「おい、やめろって 本がー」
「あー 本が」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あいつら〜」

〇平屋の一戸建て
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あのなー お前ら」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「俺の本を──」
熊元治(くまもと おさむ)「ほら」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あれ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「おびき出し成功〜」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「無事だ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「さっきの音は?」
宮城まつき「あたしが自分のノート破ったの! ごめん団長ー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何だ罠か そうだったのか」
宮城まつき「そーう!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃ、じゃあこれで またね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「はあ? 何かおかしくない?」
宮城まつき「・・・だんちょお~」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あんた何か隠してない?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いや別に別に!」
熊元治(くまもと おさむ)「あやしいな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃあこれで」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あ。そのひじ何? 光ってない?」
宮城まつき「あ、ほんとだー 鱗みたいなのがある」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃあ!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ちょっと待ちなさい」
宮城まつき「待つ!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え、いや。その あー」
熊元治(くまもと おさむ)「お前、そのひじマジどうしたんだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どーもしてないって! ははは」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「どうもじゃないでしょ 何かおかしいよ」
熊元治(くまもと おさむ)「そうだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うう・・・実は・・・」

〇田舎の一人部屋
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・この鱗みたいなできものは」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何か夏休みの終わり辺りに急にできたんだ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どんどん広がっていって・・・今はひじがこんなになってしまって・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あー もうどうしよう 俺学校行けねーよー!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「大丈夫よ きっとどこか治せる場所があると思う そこで治してもらいましょ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どこにあるんだよー こんなの聞いた事ねえよー」
熊元治(くまもと おさむ)「何が原因なんだろうな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「知らねー」
熊元治(くまもと おさむ)「そう言えばダイオー人って爬虫類系なんだよな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うう・・・そうなんだよ もしかして」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何かされたのかな・・・ ダイオー人に」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そんな・・・ だってまだ遭遇してないでしょ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「してるよ 龍が言ってたじゃん あの偽警官達はダイオー人の変装だって」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あの後実は尾行されて、何かされていたのかもしれないとか考えて・・・ もう気が気じゃなくて・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「うーん・・・」
宮城まつき「団長。気をしっかり!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うう・・・」

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