空耳探偵団、千穂ん家で話し合い(脚本)
〇病室のベッド
辰場とリュウのアジト
リュウ(今は辰場が出かけていていない よし、今のうちに本部と連絡をとってしまおう)
リュウ「ケータイのモードを変更して・・・と」
リュウ(よし)
〇未来の都会
情報統括本部
ダイオー人B(ダプシュラスからだ 何だ)
ダイオー人B(この合言葉を使うのも久しぶりだ)
〇病室のベッド
ダイオー人B「・・・」
リュウ「・・・女王のもとに我らは!」
ダイオー人B「踏み台の安定を築く」
リュウ「お久しぶりです」
ダイオー人B 「元気か。タプシュラス」
リュウ「はい。もちろんです」
リュウ「実は報告しておきたいことが」
〇病室のベッド
リュウ「・・・というわけなのです なぜ接続器が近くの公園に落ちていたのでしょう」
ダイオー人B「おかしいな。辰場め。そんなことを報告していなかったとは・・・」
リュウ「公園では以前事件があったのはご存じですか。人が死んだという・・・あれと何か関係があるのでしょう?」
ダイオー人B「何だ、それは」
リュウ「ほう。聞いておられないのですね」
ダイオー人B「そうだ」
リュウ「・・・」
リュウ「半年ほど前にアジトの近くの公園で殺人事件があったのです」
ダイオー人B「何・・・」
リュウ「殺されたのは人のオス。そして犯人はまだ捕まっていません」
ダイオー人B「・・・なぜそんなことを辰場は報告しなかったのか・・・」
ダイオー人B「リュウ。お前に命じる。その事件を捜査しろ」
リュウ「はい」
「だが辰場には見つかるな」
リュウ「はい」
ダイオー人B「奴が失脚するようなことがあれば、次はお前が奴のポジションにつくことになる」
リュウ「それは光栄です」
〇女性の部屋
数日後・・・
千穂の部屋
熊元治(くまもと おさむ)「へえ。ずいぶんときれいな部屋だな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあね。えへへ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そんなことないって。もう!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ん?」
熊元治(くまもと おさむ)「いや、お前が言うことか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ははは」
岩手ひかり「さすが高の木先輩。部屋も整頓されてて優等生って感じですよぉ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そう?ありがとう」
宮城まつき「きれいだけど いまいち華がないって感じ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あのね・・・ちょっとぉ?」
宮城まつき「い、いえ。でもそこがよくって~ 上品なお部屋ですね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「でしょう?」
宮城まつき「け、けどそれはともかく・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ん?何よ」
宮城まつき「何で先輩の・・・その」
宮城まつき「お父さんがいるんですか」
良和「どうも。千穂の父の良和です 君たちが探偵団か 千穂から話は聞いているよ」
良和「まあ今日はゆっくりしていきなさい!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あー パパから話しておきたいことがあるからね」
宮城まつき「そうなんだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「で、どうなの? あの公園で拾ったレンズの解析結果は」
良和「それがな、公園で拾ったパーツを付けてからなんだが・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん。何かあったのね」
良和「何もない」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ないのか・・・」
良和「うん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・パパ何でここにいるの?ねえ」
良和「え・・・」
良和「い、いや。話を聞いて何かわかるかもしれないなって思って・・・ ははは」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ふうん」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃあ、さっそく話し合いを始めるか」
宮城まつき「そうね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まずは・・・この前の和尚さんから聞いた話だけど」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「龍が私たちに聞かせたかったみたいね」
熊元治(くまもと おさむ)「ああ 俺としては龍が現れるところや大横人の正体が蛇だってことが気になるが・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね。あたしも 大横人って何かしらね 大きい横って 漢字を書くらしいけど」
宮城まつき「その話あたしもひかりから聞いた! とても横柄な人ってこと?!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ん」
熊元治(くまもと おさむ)「うーん・・・なのかな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うーん・・・そこはあまり気にしなくていいんじゃないか ただの当て字かもしれんし」
熊元治(くまもと おさむ)「だとしたら「だいおう」って何だろうな」
宮城まつき「大王様?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「んー 何だろう」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「まあそこはいいんじゃないかな」
熊元治(くまもと おさむ)「そうか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「考えてもわからんしな」
宮城まつき「そうだねー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あなた、空自の言うことなら何でも同意ね」
宮城まつき「・・・そんなことないもん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「否定したことある?」
宮城まつき「団長が「喫茶店に行こう」って言ったときに あたしは「カラオケ行こう」って否定したことがありますね」
熊元治(くまもと おさむ)「そういうのかよ・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「んー。それ意見じゃなくない?」
宮城まつき「意見ですよ!どっちに行くかは意見でしょ!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあ・・・」
岩手ひかり「あの!・・・ あたしは大横長者が下界から来たってのが気になるんですけど」
熊元治(くまもと おさむ)「そうだよな。下界って何だよ 下の世界・・・?ないだろ」
岩手ひかり「アリみたいに地下にいるとか?」
熊元治(くまもと おさむ)「いやー ないない。宇宙人が来るとかならまだしも」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そう? でもさ、地下ってシャンバラの伝説があったよね」
良和「そうだね。どこかの地下にあると言われている・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「え。そんな話あるんですか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうそう、ありますよね あと昔リチャードバードって軍人が地下に行って巨人やマンモスを見たって話もあるし」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「治にそういう話をしてもすぐ忘れるんだからな」
熊元治(くまもと おさむ)「え ああ、すまん・・・」
良和「ほう 空自君はよく知ってるね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ええ。そりゃもうこういうの好きですから」
良和「おお、そうかね!」
良和「しかし今回は宇宙人の可能性はないのかな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうですね 最初はそう思いましたけど・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「でも今のみんなの話を聞いて考えを変えました 龍は俺達にヒントを教えるためにあの話を和尚さんにさせたんですよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「だから 宇宙ではなく地下が関係してるんじゃないでしょうか」
良和「なるほどね~」
良和「最近は・・・地球が平らとかドーム型って話があるそうだね」
熊元治(くまもと おさむ)(マジ?)
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ありますね!地球の空にはバリアがあって本当の宇宙は見えないとか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「宇宙って漢字は 上にウ冠の覆(おお)いがついてるじゃないですか どうしてこの漢字なのかっていう話があって」
良和「おお。そうか。なるほど。それは昔の人のメッセージかもしれんな」
熊元治(くまもと おさむ)「漢字から考えてもわからないんじゃなかったのか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「だからほんとに覆(おお)いはあるのかもしれないですよ」
良和「そうだね。NASAの発表も嘘が多いから私はあまり信じてないよ」
熊元治(くまもと おさむ)(何か気があってるな・・・)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ところでさ 龍はこの世界ではないところに 福鳥さんが連れて行かれたかもしれないって言ってたよね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「それが地下世界ってこと?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうそう」
岩手ひかり「地下に人が・・・?」
良和「そうですよ 町や村をつくっているという話がありますよ」
岩手ひかり「えー!」
岩手ひかり「でもそれって悪い人たちなんですか?」
良和「うーん・・・そうだね」
良和「深さごとに住んでいる種族が違うって話があるんだ だから穏やかなのもいるし、荒々しいのもいるんじゃないかな」
宮城まつき「まじ・・・たくさんいるんですか?」
良和「そういう話を聞くね」
岩手ひかり「じゃあ、それがほんとだとしてどうやってそこに行けばいいの?」
良和「うーん」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うーん」
宮城まつき「うーん」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いや、なぜ宮城団員が悩む?」
宮城まつき「はい。団長と私は一心同体だからです」
宮城まつき「ですから気持ちを察知してしまい・・・」
良和「察知・・・」
良和「そう言えば龍の姿を察知したとき、どんな状況だったんだい?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「俺は・・・たしか・・・東京の喫茶店で・・・・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うっ! いたときです」
良和「その「うっ!」とは何だね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いや。あの・・・」
宮城まつき「団長はあたしと腕と腕組んでラブラブしてたんだよね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだっけ・・・覚えてないなー」
良和「なるほど」
熊元治(くまもと おさむ)「俺は部屋で音楽を聴いてましたね」
良和「へえ」
岩手ひかり「あたしは公園で猫からパーツをもらって、ほっとしてたときです」
良和「ほう」
良和「これは・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「そう言えば 龍は俺に「九三六で」と言って消えてしまったんです」
良和「九三六?」
熊元治(くまもと おさむ)「はい。いまだに何のことかわからなくて・・・」
良和「・・・」
良和「待てよ・・・これは・・・」
岩手ひかり「あれ。いなくなっちゃった」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ん。何か思い出したんでしょ」
良和「あった、あった」
熊元治(くまもと おさむ)「何がです?」
良和「これさ 昔研究室で私が開発してね 売りに出そうと思っていた試作品さ」
熊元治(くまもと おさむ)「ストップウォッチみたい」
良和「形はね これは波動測定器なんだ」
岩手ひかり「波動測定・・・?何ですかそれ」
良和「簡単に言うとボタンを押すことで、5メートル以内の周波数を測ることができるんだ」
岩手ひかり「へえ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「すげー 小型のかー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「千穂のお父さんいろいろとマジリスペクトだわー」
良和「幽霊が来たら感知するおもちゃが昔売られているのを知っているかね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「知ってます 幽霊探知機ってやつです。買おうと思ったんだけど高くて」
良和「さすが話が早い。あれをもっとよくしたようなものだと思ってくれ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ほー!」
岩手ひかり「ほへー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そんなの作ってたんだ けどそれが今の話と関係があるの?」
良和「うん」
良和「今の龍が現れたときの状況をよく考えてごらん」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え・・・喫茶店と音楽と・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「公園?」
良和「うん。みんな共通点があるよね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「んー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・」
宮城まつき「夕方・・・?」
良和「それじゃないな」
熊元治(くまもと おさむ)「あ、そうか」
熊元治(くまもと おさむ)「気分がよくなっている?」
熊元治(くまもと おさむ)「俺は部屋で音楽を聴いてリラックスしていたし 岩手は公園の猫からパーツを取って一安心してた」
熊元治(くまもと おさむ)「空耳は宮城とくっついて色ボケ状態だった」
宮城まつき「あー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何かむかつくわ・・・」
良和「せいかーい」
良和「・・・かはわからないんだけど、そうかもしれないと私も思ってね」
熊元治(くまもと おさむ)「あ、そうなんだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「なるほど だから測定器を使って試そうと・・・」
良和「そうだ この部屋の波動が高くなれば・・・」
良和「つまり、我々の波動を高くすれば龍が視えるのではないだろうか そのためには気分が一定数リラックスしなければならない」
熊元治(くまもと おさむ)「そっか!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ふーん じゃ、どうする?音楽でもかける?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「さすがお父さん じゃ、楽しい雑談でもするか?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あ、はしゃぐような話はだめだよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え。そうなのか」
良和「うん。気分が安定してる平和な状態が一番いいんだ 少しぼうっとしたようなね」
宮城まつき「何だ簡単じゃない! またここで喫茶店の時の再現をすれば!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ぶっ殺そうかしら」
良和「この波動測定器で部屋の波動を計測しようと思う」
岩手ひかり「先輩の言っていた九三六ってのは・・・」
良和「そう、もしかしたら・・・周波数がその数字ということじゃないかな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なるほど。~ヘルツってやつか。あり得ますね」
熊元治(くまもと おさむ)「そっか・・・そういうことか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なんかワクワクしてきたな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「リラックスね」
「あたし、お菓子の用意する!」
岩手ひかり「まったり大会ね」