ダイオー人

栗スナ

霊視(脚本)

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〇畳敷きの大広間
住職「さて、檀家の人たちも帰りましたが・・・」
住職「急にどうして来たのかな? 何か事情でもあるんじゃないですか なあ、ひかり」
岩手ひかり「まあね 実は」
岩手ひかり「あ、先輩方。あたしから話しちゃっていいですか?」
熊元治(くまもと おさむ)「うん。全然いいよ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん。いいよー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いやー! このお菓子うまいっすねー 特にようかんが黒糖でしぶいっ!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「こんなこともあろうかとファミレスでデザート頼まなくてよかったあー」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「・・・」

〇畳敷きの大広間
岩手ひかり「・・・・・・というわけなの」
住職「ふうむ・・・」
住職「なるほどな」
住職「よくわかりました・・・ あなた方がここに来たのも何かの導きかと思っていましたが なるほどそういうことでしたか」
岩手ひかり「ねえ、相互会だよ やばくない?」
住職「そうだな さらわれた可能性大いにあるな」
岩手ひかり「やっぱなー」
岩手ひかり「りゅうとか見ちゃったし・・・ 祓ってもらえない?」
住職「まあ、焦るな」
住職「その前に ちょっと、視てみようか」
岩手ひかり「うん。お願い」
住職「わかった」
住職「ふうむ・・・ ふうむ・・・ ふむ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あら 叔父さんってもしかして霊視できる人?」
岩手ひかり「そうです」
住職「わかったぞ、ひかり」
住職「まず龍はずっと・・・ あなたたちとともにいるようだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あー それあるあるですよ!だからみんなに目撃されるんだー」
岩手ひかり「えー どういうこと?」
住職「安心しなさい 悪いものではない」
住職「あなた方を守ってくれています ここに導いてくれたのもその龍さんのしわざのようだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おーーーー」
岩手ひかり「ふうん」
熊元治(くまもと おさむ)「俺も家で視たことがあります。音楽聞いてたら急に出てきて!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そういえばあたしだけ視えてないんだよな」
住職「・・・ここにいる皆さんは全員霊感がおありのようだ」
住職「あなたもいずれ視えると思いますよ」
熊元治(くまもと おさむ)「福鳥がどうなったか龍に聞いていただけますか」
住職「わかりました・・・」
住職「ふむ ふむ。そうですな」
住職「やはり皆さんの思っている通りさらわれたようです 龍は自分が力不足で申し訳ないと言っています」
住職「警官のような・・・男にやられたと言っています その人物は・・・超能力を使える・・・と 自分たちも戦ったのだが」
住職「力が及ばなかったと言っています」
熊元治(くまもと おさむ)「すげー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「警官! 偽警官のあいつじゃん!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「やっぱそうかー 和尚さん。今福鳥さんはどうなっているのか龍に聞いていただけませんか!」
住職「聞いてみましょう ふむ・・・ うん・・・ そうですか・・・ なるほど・・・」
住職「自分の術の及ばない遠いところに連れていかれたそうです この世界ではないかもしれないそうです」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「この世界ではない?というと・・・どこです?」
住職「それが・・・具体的なことは言えないそうなのです 人間がいずれ自分たちで気づかないといけないことなのだそうです」
住職「うん・・・ はい・・・ うむ・・・ そうですか・・・」
住職「自分から教えると人間社会を操作したことになるから言えないと・・・ 社会に大きな影響を与えることは言えないんだそうです」
住職「ですが、ヒントくらいは教えられると言っています すでに・・・ 教えたと」
住職「この寺に来たのがその証になると言っています・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「この寺・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「さっきの話?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あ・・・ 龍が出てきたよな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「そうね」
住職「ふうむ・・・ 私も何となくあの話をした方がいい気がして話したんですよね・・・」
岩手ひかり「福鳥さんの家族はどうなっちゃったの?」
住職「ふむ・・・ そうです・・・ ふむ・・・ ふむ・・・」
住職「無事だけど著しく健康を害しているそうだよ・・・ かなり脅されたと・・・ 最初は監禁状態だったらしい」
岩手ひかり「うわあ やっべえ」
熊元治(くまもと おさむ)「相互会か・・・ 空自が言う通り、闇のつながりがありそうだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「政治家やヤクザだけではなさそうね」
住職「そうですね あそこは・・・ もっと大きい邪念が渦巻いているところです」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
住職「何度か相互会を抜けたいと言ってきた信者さんを助けたことがありますから」
住職「どうもあの教団の背後にただならぬものを感じるのです」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あ、公園で拾ったものがあるんですけど・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「これってどう思いますか」
住職「・・・ほう 何かこれは・・・ 以前は人が使っていた物ではない気がします」
住職「このエネルギーは・・・とても暗いものですね・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「さっき邪念って言いましたけど、それは人間の念ですか」
住職「それが・・・私にもはっきりとはわからないんですが・・・ どうも違う気がするのです」
住職「この世の物ではないような冷たい異質なエネルギーを感じるのですよ 冷酷な何かです・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
住職「まあ教団の上の方の話ですけどね 一般の信者はいろいろで、よい人もいます」
熊元治(くまもと おさむ)「どうすれば福鳥を助けられますか」
住職「ふむ・・・ ふむ・・・ そうですか・・・ はい・・・」
住職「すぐに助けられず無念だ、と言っています そして、いずれ分かる・・・と言っています しばらく時に身をゆだねよ、と」
熊元治(くまもと おさむ)「いずれ・・・?困ったな・・・ 前は時間がないと言っていたが・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「嫌な予感がする・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「身をゆだねよ・・・」

〇駅前広場
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃ、ここで解散するか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あのレンズ、何か分かったら連絡するね」
熊元治(くまもと おさむ)「龍が言った九三六という番号について和尚さんに聞くの忘れてた・・・」
岩手ひかり「まあ、また今度行きましょうよ」
熊元治(くまもと おさむ)「そうだな・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃあ、みんなありがとうな また」
熊元治(くまもと おさむ)「待てよ。この次はいつ集まるんだ?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「んー そうだな 各々考えをまとめて意見も聞きたいしね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「夏休みが終わるまであと一回は集まりたいところだな・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「じゃあ、この次はみんなであたしの家に来る?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「お、それはいいね」
熊元治(くまもと おさむ)「高の木の家か・・・ 行ったことないから空耳と行くわ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「空耳、頼んだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おう」
岩手ひかり「あたしも行きます!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「はいよー」

次のエピソード:空耳探偵団、千穂ん家で話し合い

コメント

  • 怪談は大変面白かったです‼
    続けて読んでいると、おまけが挟まれてたのが最初は分かりませんでした。分裂は何かな、と考えたらコントなのですね💦
    寺に戻ってからの期待値が上がって楽しみでした😃

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