ようこそ芸術的美容部へ

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

4話(5/5)一人だけを(脚本)

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〇高層ビルの出入口
  卓真くん、卓真くん・・・!!
  卓真くん卓真くん卓真くん卓真くん!!
  君みたいなやつは生徒たちに悪影響だ!!
  見つけたらみっちり説教してやる!!
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(あの会長の性格が説教だけでなおるとは思えない)
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「白杜く〜ん!! 急に走り出────」
大御堂 春羅 ダイミドウ シュンラ「う──ぐえ、ぐええ・・・」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「し、志染先生・・・?」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「大御堂くんの首を取ったのは俺だったね!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ひえ・・・」
  めっちゃ怒ってる!!
芭登 卓真 バトウ タクマ「白杜陽介!! さっきはどうし──」
  志染先生は大御堂先輩にしたように会長にも掴みかかろうとしたけど、避けられて腰を支えられてしまった。
芭登 卓真 バトウ タクマ「し、志染先生? どうしました? 具合でも悪いんですか?」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「・・・・・・き、君は」
芭登 卓真 バトウ タクマ「先生?」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「昔っから変わってないな!! 俺の全力を余裕でかわすな!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「どうしたんです? 昔?」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「あ・・・いや」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「・・・なんでもないんだ」
志染 宇陽 シセン ウヨウ(そうだった、この子たちは・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(先生?)
志染 宇陽 シセン ウヨウ「それより──!!」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「この騒ぎは一体どう言うことなんだい! 生徒会長の君が大御堂くんと同じようなことをするなんて!」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「このことは理事長に報告するよ!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「ま、待ってください志染先生、これは美容部が始まった記念に祝ってるだけでして・・・」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「・・・美容部の?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「そうです。せっかくだから盛大に祝いたくて」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「そっか・・・そうだよね! せっかく美容部が始まったんだから楽しくしたいよね!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(こうやって騙されてきたのか・・・)
芭登 卓真 バトウ タクマ「大御堂のせいで美容部も怖がられていて、このままでは活動に影響が出るので、みんなに楽しんでもらって警戒を解いて欲しいんです」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「そっかぁ」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(それにしてもよくあんなにベラベラと嘘が出るな)
芭登 卓真 バトウ タクマ(かわいい人だな〜・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(志染先生に手を出したら許さない!! て言うかいつまで腰を抱いてる気だ!!)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「会長! 志染先生を離してください!」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「し、白杜くん・・・!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「大丈夫ですよ、先生は俺が守りますから!」
志染 宇陽 シセン ウヨウ「あ、ありがとう。そうだ、月矢のゲームだけは危ないから没収しないと! 芭登くん、白杜くん、大御堂くんのことはよろしくね!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「はい! 任せてください!」

〇黒

〇高層ビルの出入口
芭登 卓真 バトウ タクマ「・・・・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ(そうやってすぐ試すようなことを──)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(ん? 試す?)
芭登 卓真 バトウ タクマ(──ああ、すごくいやだ)
芭登 卓真 バトウ タクマ(こんな気持ちになるくらいなら忘れたままでいたかった・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(何のことだ?)
芭登 卓真 バトウ タクマ(頭が痛い・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(体調が悪いのか?)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「会長、大丈夫ですか?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「大丈夫だが?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「で、でも・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「心配してくれてるのか?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「え・・・そりゃ、体調が悪い人を心配しないなんてことはないですよ」
芭登 卓真 バトウ タクマ「そうか」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「な・・・」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(なんで・・・抱きしめ・・・)
芭登 卓真 バトウ タクマ(──しい・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(何を考えてるんだ・・・? ”しい”って・・・)
芭登 卓真 バトウ タクマ(──れしい)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(”れしい”・・・うれしい?)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ど、どうしていつも抱きしめてくるんですか!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「照れるな照れるな」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「照れてないわ!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ(────な。────だ────だ────だ)
芭登 卓真 バトウ タクマ(────きだ、白杜陽介)
芭登 卓真 バトウ タクマ(俺の白杜陽介・・・)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「あ、あなたのじゃありません!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「なっ──」
芭登 卓真 バトウ タクマ「お前は俺の──!!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「違います!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「・・・・・・」
  少しは素直になれ、否定され続けるのは悲しい
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「だ、だって・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「・・・・・・」
  俺のことを好きだと言え
  俺もお前が────だ!!
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「違う!!」
  だって、だって俺は・・・
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「あなたのことなんて好きじゃありません!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「そうか」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ぁ・・・」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(いつもなら照れるなって言うくせに)
芭登 卓真 バトウ タクマ「そろそろ昼休みも終わる、お祝いもここまでだな」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(アンタは大御堂先輩のことが好きなんだろ)
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「は、はい。俺としてはここまでする必要性を感じませんでしたが・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「奈酉、俺だが──」
  痛い・・・苦しい、いやになる
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ま、待って・・・!!」
芭登 卓真 バトウ タクマ「どうした?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「そ、その、会長・・・本当に大丈夫ですか?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ど、どこも・・・痛くありませんか?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「・・・・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「大丈夫だと言ってるだろう」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「は、はい・・・」
  なんなんだこれ・・・どうすれば
  俺が悪いのか? 好きじゃないなんて言ったから?
  でも本当のことだし・・・
  これ以上勘違いされるのも困るし・・・
  でも、会長とこれっきり、話せなくなるような気がして・・・遠い存在になるような気がして
  なぜかわからないけど、それがすごくいやだ・・・
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「本当に、本当に大丈夫なんですか?」
芭登 卓真 バトウ タクマ「お、おい急に泣き出してどうした? お前の方こそどこか痛いんじゃないか?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「だって・・・」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「会長が・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ「俺?」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「ううう・・・」
芭登 卓真 バトウ タクマ(な、なんでこんなに泣いてるんだ? 俺が泣かせたのか!?)
芭登 卓真 バトウ タクマ「泣くな白杜陽介。泣いてるお前もかわいいが・・・怒っている時や笑っている時と違ってうれしいものではない」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ「なんでうれしくないんですか!」
白杜 陽介 シラト ヨウスケ(さっきまでうれしいって思ってたのに・・・!)

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コメント

  • わーい!✨☺️💓
    口にチューいただきました!!✨🥰
    会長…陽介に一途になれるのか!?疑問に思いつつも、今後どうなっていくか楽しみにしています✨☺️

    先生はなんであんなに怒ったのか気になってて、こうかなぁ?と思うことがありつつも、また続きを楽しみにしてますー✨☺️

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