ダイオー人

栗スナ

福鳥、東へ飛ぶ(脚本)

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〇教室の教壇
熊元治(くまもと おさむ)「ふー やっと終わった・・・ 数学の島田は急に指してくるから気が抜けん・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「やっと解放だな」
熊元治(くまもと おさむ)「ああ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ねえ」
熊元治(くまもと おさむ)「ん」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「福鳥さんまだ来ないのね・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「うん、俺もそれ思った。まさかな・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うん。遊び疲れてんのかな 遅くまでオンラインゲームやってたとか」
熊元治(くまもと おさむ)「そんなわけあるか。お前じゃあるまいし」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あたし、さっきケータイに電話してみたんだけど出ないのよ」
熊元治(くまもと おさむ)「まじか・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「それやばくね?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「ダヨネーダヨネー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ははは。オウムかよ」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「連絡ないなら放課後寄ってみるか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うん。お願い あたし、生徒会の仕事が放課後にあるから行けないの」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「オッケー。団長に任せときなさい」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「頼んだよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ん?そういえば」
熊元治(くまもと おさむ)「何だ?弁当でも忘れたか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「高の木さん、何か私に隠してることないかね?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「へ?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「昨日公園で拾ってたよね? あれは何?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あ!見てたの?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「当然だよ! 気づいてはいたが、いずれ何か言ってくると思ってわざと黙っていたんだ 私の目はごまかせないぞ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「さすが団長ー あたしのこと見てくれてたなんて・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うれしさの極みです」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「1人1人に配慮する。これが私の団の方針だからな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「団長・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「高の木さん・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・・・・で、何を拾っていたのかね」
熊元治(くまもと おさむ)(そこで区切るのか・・・)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「うーん・・・隠しとこうと思ったのにな・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「わかった。ブツは明日持ってくる」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「それまでは秘密!それでいい?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おおっ!?そんなに大事なものなのか よくわかった!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあね」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「じゃ、放課後お願いね 今日の授業のプリントも持って行ってよ」
熊元治(くまもと おさむ)「わかった」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「これは捜査の進展に期待できそうだな ふふふ」
熊元治(くまもと おさむ)「まだやる気かよ」

〇一戸建て
  福鳥宅
熊元治(くまもと おさむ)「出ねえな・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「家も明かりがついてないしな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どうするよ」
熊元治(くまもと おさむ)「うーん。とりあえず授業のプリントはポストに入れておくか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだな」
近所のおばさん「あら。どうしたの。この家の人ならもういないけど?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え?ええ?」
熊元治(くまもと おさむ)「あ、こちらの・・・娘さんのプリントを届けに来ました」
近所のおばさん「そう。もう必要ないんじゃないかしらね。 お昼くらいに人が来てて引っ越したからね」
熊元治(くまもと おさむ)「引っ越し!? ほ、ほんとですか?」
近所のおばさん「ええ。急に仕事が決まったとかで」
近所のおばさん「こっちもびっくりだった」
熊元治(くまもと おさむ)「え・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どうなってんのよ これ」
近所のおばさん「あなたたちは何も聞いてないのね?」
熊元治(くまもと おさむ)「ええ。今知ってびっくりです」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どこ行ったか聞いてますか」
近所のおばさん「さあ・・・詳しくは言わなかったから。でも、東京だとは言ってたけど」
近所のおばさん「何か寮みたいな大きなマンションがあってそこに住むみたいなことは言ってたけど。それだけね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「マンション・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃあ、この家は・・・?」
近所のおばさん「福鳥さんの持ち家なんだけどね どうなるのかしら・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「寮に引っ越しか・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ほんとどうなってんだ」
熊元治(くまもと おさむ)「もう戻ってこないんですか」
近所のおばさん「さあ・・・そんなこと一言も言ってなかったよ」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」

〇本棚のある部屋
  熊元治の家
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「福鳥・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「あ~、気になって勉強に手がつかないな」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)(近所の人の話では 引っ越しの手伝いに)
熊元治(くまもと おさむ)(小柄なおじいさんと体の大きい金髪の男がいたって話だけど)
熊元治(くまもと おさむ)(福鳥の家族は何かせかされるようにして家具を運んでいたらしいんだよな)
熊元治(くまもと おさむ)(業者にしてはちょっと変だよな)
熊元治(くまもと おさむ)(近所の人は福鳥自身は見なかったって言ってた・・・どうも腑に落ちない)
熊元治(くまもと おさむ)(だめだ、どうしても福島のことが気になる そうだ、気晴らしに音楽でも聴くかな・・・)
熊元治(くまもと おさむ)「・・・落ち着くな」
熊元治(くまもと おさむ)「ん」
熊元治(くまもと おさむ)「風?」
熊元治(くまもと おさむ)「おかしいな。どこも開いてないのに」
熊元治(くまもと おさむ)「ええ・・・何だこれ!?」
  !!
熊元治(くまもと おさむ)「妖怪?」
熊元治(くまもと おさむ)「や、やば! どうしよう!」
りゅう「案ずるな。人の子よ」
熊元治(くまもと おさむ)「しゃべった?」
りゅう「汝の心に直接話している」
熊元治(くまもと おさむ)「え」
りゅう「私は龍一族の者だ。以前は福鳥ゆなに寄生していた」
熊元治(くまもと おさむ)(福鳥?)
りゅう「さよう。その福鳥だ」
熊元治(くまもと おさむ)(思ったことが通じている!!)
りゅう「時間がない ゆなを救出したいのだ」
りゅう「力を貸してほしいのだ 熊元治」
熊元治(くまもと おさむ)「何だって!?」
りゅう「くう。ここで違う波が入ってしまったか・・・ また会おう、熊元治」
りゅう「九三六に・・・」
  気がつくと、さっきの龍は消えていた。
  俺はしばらく呆然としていたが
  ケータイがずっと鳴り響いている音に我に返り、手に取る
熊元治(くまもと おさむ)「・・・空耳か・・・こんなときほど、こいつを心強く感じたことはない!」
熊元治(くまもと おさむ)「もしもし!おい空耳!」
熊元治(くまもと おさむ)「え・・・明日から福鳥がどこいったか捜査する?」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・そうだな」
熊元治(くまもと おさむ)「ところで空耳!」
熊元治(くまもと おさむ)「今変なもの視ちゃってさ・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「まあオカルトオタクのお前なら信じてくれるはずだ」

次のエピソード:治、頑張って説得

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