ダイオー人

栗スナ

遭遇(脚本)

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〇公園の砂場
熊元治(くまもと おさむ)「あーあ・・・まだやってるよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「団員たち、必ず何か手がかりがあるはずだ。ひるまず探してくれ」
福鳥ゆな(ふくとり)「もちろんです!団長」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「リー!!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「力強いなあ!うちの団員は では引き続き捜査を続けてくれたまえ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ん?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おい、治。そこでサボるな! まったく 君もこちらに来て調査に加わりまえ!」
熊元治(くまもと おさむ)「早く帰りてー・・・ここ地元だし、こんなことしてるとこ見られたらやだな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何か言ったか?」
熊元治(くまもと おさむ)「いえ。何も・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「では熊元団員はあの茂みの中を頼む。何か犯人にいたる手がかりがあるかもしれん」
熊元治(くまもと おさむ)「え。あそこ!?よく猫がうんこしてるとこだぞ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「これは調査なんだぞ、わかっているのか 遊びじゃないんだ」
熊元治(くまもと おさむ)「はい」
熊元治(くまもと おさむ)(遊びだっただろ・・・空自の奴、メンバーができて勢いづきやがって)
東北空耳(ひがしきた くうじ)「頼んだぞ。警察が何か見落としているかもしれん」
熊元治(くまもと おさむ)「そんなわけないべ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何か言ったか」
熊元治(くまもと おさむ)「いえ・・・その」
熊元治(くまもと おさむ)「何でもありません」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うん。頼んだぞ」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「こんなとこにあるわけねえだろ・・・クソぐらいだよ」
熊元治(くまもと おさむ)「あーやだ」
熊元治(くまもと おさむ)「さがすふりだけしとくか・・・」
辰場(しんば)「君達」
辰場(しんば)「ここで何をしている?」
熊元治(くまもと おさむ)「え・・・ちょっとさがし物を・・・」
辰場(しんば)「さがし物?ここでか」
熊元治(くまもと おさむ)「はい・・・まあ」
辰場(しんば)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
辰場(しんば)「怪しいな。迷惑だから出ていきなさい」
熊元治(くまもと おさむ)「え。公園ですよ。ここ」
辰場(しんば)「そうか」
辰場(しんば)「では、何をさがしているか教えてくれ」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どうした。治 その人は?」
辰場(しんば)「君も同じ学校か」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「はい。そうですが」
辰場(しんば)「ここで何をしているのかな」
辰場(しんば)「彼は答えられないみたいだが・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「えーと、前にあった殺人事件の調査をしてるんですが。証拠とかないかなと思って」
辰場(しんば)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)(堂々と言ったよ よく言えるな・・・ 恥ずかしー)
辰場(しんば)「君たちはまだ高校生だろう」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうですが」
辰場(しんば)「捜査は警察がやるものだ 怪しい行動はやめてほしい」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「怪しい?かな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あなたはどういった関係で我々探偵団の調査を邪魔するんでしょうか」
辰場(しんば)「私は私服警官だ」
熊元治(くまもと おさむ)「え」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なら警察手帳を見せてください」
熊元治(くまもと おさむ)(空自気ぃつえー・・・)
熊元治(くまもと おさむ)(偽物のわけないべ そんな嘘つかないよ・・・)
辰場(しんば)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)(あれ・・・変だな)
辰場(しんば)「いい加減にしてくれないか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「手帳は?」
熊元治(くまもと おさむ)「そうですよ、あなたが本当に警官なら見せてください」
辰場(しんば)(人間のガキめ)
熊元治(くまもと おさむ)(ん。じっと黙って何してるんだ)
辰場(しんば)「リュウ、聞こえるか 警察官に化けて 至急こっちへ来てくれ」
辰場(しんば)「ふふふ 今仲間が来るからな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「仲間ですか・・・」
辰場(しんば)「そうだ、君たちが何をしているか調べてもらう」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「怪しいですね。あなた警察の人じゃないですね」
辰場(しんば)「・・・私服警官だ。さっき言ったことが聞こえなかったのか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
辰場(しんば)「・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何?どうしたの」
熊元治(くまもと おさむ)「いや、この人がここで探すなって言うんだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何でよ?」
熊元治(くまもと おさむ)「警官だって。だから手帳を見せてもらおうと思ってるんだけど、出さないんだ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「へえ」
福鳥ゆな(ふくとり)「ふうん・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
辰場(しんば)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・あなた、警官じゃないでしょ?」
辰場(しんば)「・・・なぜそう思うんだ」
福鳥ゆな(ふくとり)「おかしいもの。何か全体的に・・・」
辰場(しんば)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「だいたいあなたはこの公園に何をしに来たんですか」
辰場(しんば)「私はこの公園で休もうと思って立ち寄ったんだ」
辰場(しんば)「そうしたら君たちがおかしい行動をとっていた。だから聞いてみた。それだけだ」
熊元治(くまもと おさむ)「そのわりにはずいぶんとからみますね」
リュウ「どうしました」
辰場(しんば)「あ、来たか。この人たちを署に連れて話を聞いてくれ」
リュウ「わかりました。君達、来るんだ」
福鳥ゆな(ふくとり)「強引ですね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ほんとに警官なの?」
辰場(しんば)「・・・」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何か電話もしてないのに、どうしてここに来れたんです?」
リュウ「待ち合わせていたからだよ。さ、来てもらおうか」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「手帳は?」
リュウ(手帳?そんなもの持ってるのか人間の警官は・・・・・・)
リュウ(どんなものかイメージを知らないから携帯型幻影機でもつくれないな・・・)
リュウ(仕方ない。この女の手帳のイメージを透視してポケットの中で創るか)
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「さっきから何をやってるの?急に黙って」
福鳥ゆな(ふくとり)「ポケットから手を出して!」
熊元治(くまもと おさむ)「何かこの人たちおかしいな」
福鳥ゆな(ふくとり)「あなたポケットの中で何してるの?」
熊元治(くまもと おさむ)「え・・・」
リュウ「・・・」
辰場(しんば)「最近の若い者には全く困ったものだ。なあ」
リュウ「そうですね」
辰場(しんば)「仕方ない、ここは退散しよう・・・」
辰場(しんば)「だが、君達。くれぐれも公園で不審なことをしないように。ここでは殺人事件があったんだ」
辰場(しんば)「君たちが遊びで調べたりすると、事件のことを思い出して不安になる人もいるんだ」
辰場(しんば)「周りのことを考えて行動しなさい」
リュウ「・・・」
辰場(しんば)「行こうか」
リュウ「そうですね」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「バレバレだっての」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「何あれ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おかしいよな、言ってることもやってることも」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「宇宙人かな」
熊元治(くまもと おさむ)「そんなわけないだろ!」
熊元治(くまもと おさむ)「いや・・・何かそう言えば変だったな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どこが?」
熊元治(くまもと おさむ)「何となく、肌がざわつく感じがするんだ・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「そうね・・・あたしもそう思ったよ・・・」

〇住宅街の道
辰場(しんば)「リュウ。よくすぐに来てくれた」
リュウ「はい」
辰場(しんば)「だが、今回の出来は良くなかった」
辰場(しんば)「手帳をすぐに出せなかったのは致命的だ」
リュウ「はい」
辰場(しんば)「人間は疑い深い。これからはこういうことがないようにしろ」
リュウ「はい・・・」
辰場(しんば)「今回はお前のせいでうまくいかなかった」
辰場(しんば)「だが本部には黙っておく」
リュウ「はい、ありがとうございます」
辰場(しんば)「では・・・」
辰場(しんば)「あの女を始末して来い」
リュウ「今?」
辰場(しんば)「そうだ」
リュウ「分かりました」
辰場(しんば)「尾行しろ。教えたとおりにやれば成功する」
辰場(しんば)「ここで今まで私が教えた一か月の成果を見せてもらう」
リュウ「はい。では・・・あの者たちを手配します」
辰場(しんば)「うん。そうだ。ちゃんと駒を使え 任せたぞ」
辰場(しんば)「フフフ」

〇通学路
東北空耳(ひがしきた くうじ)「これといって何も見つからなかったな・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「まったく・・・だからやめようと言ったんだよ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあよかったじゃない、楽しかったし!」
熊元治(くまもと おさむ)「楽しかったのは調査を中断した後のかくれんぼだろ 高の木はノリノリだったよな」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「まあねー」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「じゃ、あたしは駅に行くからここでー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そっか・・・じゃあまた明日。今日は捜査に協力してくれてありがとう」
熊元治(くまもと おさむ)「おつかれーらいす!」
福鳥ゆな(ふくとり)「あたしもこのへんで」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あ、福鳥さんも?そっか・・・ 駅前の店で何か食ってから解散しようかと思ってたが」
熊元治(くまもと おさむ)「何かおごってくれるのか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「まさか。割りカンで」
熊元治(くまもと おさむ)「だよな」
福鳥ゆな(ふくとり)「じゃあ空耳団長、熊元 また誘ってね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うん!また頼みます」
熊元治(くまもと おさむ)「また?また? この次があるのか?」
福鳥ゆな(ふくとり)「はい もちろんです」
熊元治(くまもと おさむ)「もちろん?」
福鳥ゆな(ふくとり)「じゃーねー」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃーねー!」
熊元治(くまもと おさむ)「笑顔かよ」
福鳥ゆな(ふくとり)「熊元。じゃーね!」
熊元治(くまもと おさむ)「あ、じゃーね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「じゃ、じゃあ、ふ、二人で な、何か食うか」
熊元治(くまもと おさむ)「そうだな・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どうする? な、何食べたいー⤴?」
熊元治(くまもと おさむ)「気持ち悪い 何不自然に緊張してるんだよ 恋人になる前の男女の会話かよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ははは!」
熊元治(くまもと おさむ)「ところで」
熊元治(くまもと おさむ)「何か高の木、かくれんぼのとき真剣な顔してたな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「え。そうか?真剣に遊んでたんだ」
熊元治(くまもと おさむ)「いや。そうじゃなくて・・・」
熊元治(くまもと おさむ)「何か拾ってたみたいなんだが。手元を見てたからな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なぬ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「まじ?」
熊元治(くまもと おさむ)「うん。まあどうでもいいよな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「よくない!!」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何か重要なものを見つけたのかもしれないじゃないか」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「なぜ団長の俺に言わんのだ!」
熊元治(くまもと おさむ)「ふうん。わからんな どうでもいいだろ で、何食う?牛丼?ラーメン?ハンバーガー?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「お前な うーん・・・ラーメン!」

〇ゆるやかな坂道
福鳥ゆな(ふくとり)「すっかり遅くなっちゃった」
福鳥ゆな(ふくとり)「怒られるかなー・・・」
男「やあ」
男「お嬢さん・・・ちょっと後ろの車まで来てもらおうか」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・嫌と言ったら?」
男「選択肢はないぞ・・・おい!」
男「はい」
男「・・・拒否するなら痛みを伴うことになるだろうね」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・・・・・・・」
男「分かったかね?」
福鳥ゆな(ふくとり)「私を甘く見ない方がいいと思うけど」
男「それは嫌だということか?いいのか」
福鳥ゆな(ふくとり)「痛い目に合うのはそっちの方かも」
男「ははは 威勢のいいお嬢さんだ おい、やれ」
男「めんどくせえな おい、ガキ 抵抗するなよ」
福鳥ゆな(ふくとり)「りゅう!」
男「何だ」
福鳥ゆな(ふくとり)「それ以上近づかないで。大変なことになるから」
男「なめやがって」
福鳥ゆな(ふくとり)「来ないで」
男「うわ!」
男「あいつが吹っ飛んだだと?」
福鳥ゆな(ふくとり)「次はあなたの番ね」
男「く、くそ」
福鳥ゆな(ふくとり)「ありがとう。りゅう」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「まだ誰かいるの?そう」
福鳥ゆな(ふくとり)「誰?そこにいるのはあたしには分かるんだからね!」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
リュウ「また会いました」
福鳥ゆな(ふくとり)「あなた・・・」
リュウ「さすが竜使いだ」
リュウ「ですがここからはそうはいきません」
リュウ「こんな風効かん!!」
福鳥ゆな(ふくとり)「あ・・・」
リュウ「気絶したか・・・」
リュウ「後は車に運んで届ければ任務完了だな・・・」
リュウ「これで本部の覚えもめでたくなるだろう 何しろ竜使いを倒したのだからな」
リュウ「フフフ」

次のエピソード:福鳥、東へ飛ぶ

コメント

  • りゅうとリュウは違うのですね?
    竜使いとして見えないりゅうを使ってる?
    中々奥深い設定で、これから大きなストーリーのうねりがありそうですね!!
    タップノベル盛り上げましょう、私のも覗きに来てください(*゚▽゚)ノ

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