〇宇宙空間
　　それは部屋の窓から
　　星空を眺めている時に起きた
　　まばゆい光の柱
　　空という暗幕から射すスポットライト
　　その光は初めに僕まで伸びてきて
　　今度は僕を逸れて別のところを射した
　　光から生まれたのはタコだった
　　あんなに青いタコ見たことないけど
　　茹でる前なのかな
　　そんなことを考えていると
タコ「ねえ」
タコ「キミをキャトルミューティレーションしてもイイかな？」
　　キャト・・・？レーション？
　　え・・・なに、それ・・・
　　やたらと長い横文字だった
　　タコ語の言葉だろうか。
　　いや、そうに違いない
　　あんなに長い単語は
　　小学４年生になっても習っていない。
　　だから絶対そうだ
　　ともかく、そのキャト・・・なんとかが
　　イイかどうかを聞いているのだ
　　やってもイイかどうか
　　宇宙人は返事を待っていた
　　表情とかが無いから確信はないけど
　　ともかくタコあし一本動かしていなかった
　　あの・・・
　　待ってるだけなのに
　　やたら圧のあるタコだ
　　・・・ダメです
　　しまった。怒らせたか
　　パパが交渉の基本は断りの姿勢を
　　見せることだってよく言ってるから、
　　つい断ってしまった
　　タコに人のビジネスの基本が
　　通じるかわからないが
タコ「ダメかぁ」
タコ「いつならイイ？」
　　いや、いつとかじゃなくて
タコ「え？ 予定が合わないから断ったんじゃないの？」
　　キャトなんとかは旅行の類なのだろうか？
　　えーと、あの
　　そもそも、キャトなんとかが
　　何か知らないんですけど
タコ「ええ!?そうなの!?」
タコ「地球人相手には 結構昔から頻繁にやってるんだけどなぁ」
タコ「条例ができてからは 数は確かに減ったけど」
タコ「まさか知らないとはねぇ」
　　昔からやってて旅行みたいなことか
　　うーん。わからん
　　て、え？地球人？
タコ「あのね」
タコ「キャトルミューティレーションっていうのは」
タコ「誘拐だよ」