episode1(脚本)
〇学校の廊下
あ〜学校だりー
それなー
早く昼になんねーかな
昼で思い出したけど
昨日のネクラジ聞いた?
ネクラジ?
なんだっけそれ
音鞍高ラジオで略してネクラジだって
昼の時いっつも流れてんじゃん
ああそれな
パーソナリティ交代してから聞いてねえわ
聞いてみろって。変わってるから
変わってるって、何が?
パーソナリティの女
〇放送室
本番5秒前
4、3、2、1
あきなし「ごきげんよう パーソナリティの春夏冬よ」
あきなし「ネクラジ、7回目の放送をはじめるわね」
ラジオにはもう慣れた?
あきなし「そうね。少なくとも挨拶はスムーズにできるようになってきたわ」
あきなし「放送部に入部した時は自分の運命と 我が校の偉い人、上から5人くらいを呪ったものだけど」
音鞍高は特別な理由がない限り、部活動に入ることを強制している
結構呪ったね。学年主任ぐらいまでは既に呪われているわけだ
あきなし「今は・・・」
今は?
あきなし「上から2人ね」
教頭は助からなかったかー・・・
まあ確かに部活強制は今どきじゃないかもね
春夏冬さん以外にも批判的な人はいそうだね
あきなし「でしょう? 生徒の自主性だなんだと言っておきながら、やってることが矛盾しているのよ」
でもその方針のおかげでいいこともあるよね
あきなし「例えば?」
例えば、私服登校とか。
あれ導入したの校長らしいよ
あきなし「ぐっ・・・」
いっつも着物だしねぇ。
体育の後、遅れてくるの黙認されてるし
あきなし「あれは着付けに時間がかかるからで」
普通の高校ならアウトだからね
あきなし「そこを突かれると立つ瀬がないわ」
・・・・・・
謝っとく?
あきなし「・・・うん」
あきなし「ごめんなさい。呪うのは上から2番目だけにします」
教頭はやっぱり助からなかったかー・・・