ダイオー人

栗スナ

オカルト空耳探偵団(脚本)

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〇電車の中
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あ、治、治」
熊元治(くまもと おさむ)「何だよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「三か月前のあの事件の噂、知ってるか」
熊元治(くまもと おさむ)「あの・・・公園で死体が見つかったあれのことか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そう、それ」
熊元治(くまもと おさむ)「朝っぱらから物騒な話をする奴だな。それがどうしたんだ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「聞いて驚くな。実はな、目撃者がいたって話なんだ」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・ほんと?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ああ、らしい。何でも警察に出るに出られず見たことを話すことに決めたんだそうだ」
熊元治(くまもと おさむ)「じゃ公表かよ・・・どこでしたんだ?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ネットだよ、そこで匿名で動画上げて話してるんだ」
熊元治(くまもと おさむ)「へえ・・・何で警察に言わないの?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「よくぞ聞いてくれた」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「警察にはスパイがいるかもしれないって言うんだよ、だからだ!そいつに聞かれるとやばいらしい」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「その話が警察から政府に伝われば・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どこかへ連れて行かれちまうんだ。政府はしゃべられると困るからな!?」
熊元治(くまもと おさむ)「スパイって・・・何で。ただのケンカか何かで起きた事件じゃないってことか?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「その通り。その投稿者によるとさ、事件当時あの公園で奇妙な緑の人影を目撃したらしいんだ!」
熊元治(くまもと おさむ)「え。まじ・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「つまり犯人は宇宙人じゃないかな!」
熊元治(くまもと おさむ)「お前の話はいつもそんなのばかりだな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「何言うんだよ、信じねーのかお前」
熊元治(くまもと おさむ)「だって匿名で出して・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「いやいや、逆よ。信憑性があるからネットなんだろ?そんな話しても警察は信じないよ君」
熊元治(くまもと おさむ)「・・・やれやれ」
  オレの名前は熊元治。高校2年生だ。
  
  そしてこいつの名は空耳。オレのクラスメイトである。
  空自は大のオカルト好きだ。
熊元治(くまもと おさむ)「何で宇宙人が殺す必要があるんだよ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「さあな、そこまではわからん」
熊元治(くまもと おさむ)「そうか・・・」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだ!」

〇教室の教壇
福鳥ゆな(ふくとり)「あ、熊元おはよー」
熊元治(くまもと おさむ)「おはよう福鳥」
福鳥ゆな(ふくとり)「どうしたの、そんな顔して」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「あ、おはよーー福鳥さん」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「ねえねえ、福鳥さんもオカルト空耳(そらみみ)探偵団に入らない?」
福鳥ゆな(ふくとり)「え?何それ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「うん。そうと決まれば話は早い」
熊元治(くまもと おさむ)「何それとだけしか言ってないぞ」
福鳥ゆな(ふくとり)「そうだぞ。熊元の言うとおりだぞ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そっか、ごめんごめん ほら、この前西の町の公園の事件、あれ。宇宙人が関与してるかもしれないって話があるんだ」
福鳥ゆな(ふくとり)「えっ、そうなの」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうなんだよ、だから探偵団を結成して放課後こいつと調査することになってさ」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「どうだろう、福鳥さんも探偵団に入れてやらないこともないよ?」
福鳥ゆな(ふくとり)「そういうこと!私も探偵団入れて」
熊元治(くまもと おさむ)「え。福鳥。お前わりとそういうの好きだよな」
福鳥ゆな(ふくとり)「え・・・そう?別に普通じゃない?」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「そうだよ、それが普通なんだぞ 治。わかっとけ お前は社会の普通を知らん」
熊元治(くまもと おさむ)「お前に言われたくないわ」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「あら、面白そうね」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「高の木さん、聞かれてしまったかー まいったなー」
熊元治(くまもと おさむ)「空耳よ。めちゃめちゃうれしそうだな」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「高の木さんもどう?探偵団に入って行かない?」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「私も行きたーい」
東北空耳(ひがしきた くうじ)「おっけー じゃあ、四人で行こう!」
福鳥ゆな(ふくとり)「おー!」
高の木千穂(たかのぎ ちほ)「いぇーい!」
熊元治(くまもと おさむ)「残念だ」
  こうして俺たちは放課後、三か月前に事件のあった公園に探偵ごっこをしに行くことになったのだった・・・

〇フェンスに囲われた屋上
福鳥ゆな(ふくとり)「生物の授業はやめに終わったな。ラッキー♪」
福鳥ゆな(ふくとり)「ふう・・・やっぱ昼休みはここが一番落ち着くなー」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・ねえ、りゅう。どう思う? 朝の話」
福鳥ゆな(ふくとり)「行ったほうがいいよね」
福鳥ゆな(ふくとり)「ふうん、そう」
福鳥ゆな(ふくとり)「あなたがそう言うなんてめずらしいね」
福鳥ゆな(ふくとり)「・・・」
福鳥ゆな(ふくとり)「ふふ、そう・・・」

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