パラダイムシフト

紗卦冬葉(さけとば)

9.Omen/硝煙たなびくミネアポリス②(脚本)

パラダイムシフト

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〇山中の川
  1848年(17年前)
「出ねェ〜〜〜ッ!!」
ソロネ「ねー、おっちゃん達は何してんの?」
デイビッド「『砂金取り』」
デイビッド「ここら一帯から 『金(ゴールド)』が出るって報告があってね」
デイビッド「”掘れ”って言われてんの、『偉い人』から」
ロザリン「”休まず無心で掘れ”、と言ったハズだが?」
デイビッド「サーッ!イエッサーセンッ! (※『すみません』の意)」
ソロネ「⋯なんで『金』が出るって分かるの?」
ロザリン「『専門家の先生』が 『出る』って言ってるんだ」
ソロネ「ここ、昔から僕らの遊び場なんだけど 『金』なんてカケラも見たことも無いよ」
ロザリン「⋯ま、アタシらも『半信半疑』さね」
ロザリン「『上』から”やれ”って言われてるから やってるだけだし?」
ロザリン「大体、『砂金』なんてそんなホイホイ⋯」
「出たぁあああああああん!!!(泣)」
「えぇ⋯?」

〇林道
アザレア「すご〜い! これでアタシらみんな、大金持ちじゃない!?」
ソロネ「そんな『簡単な話』じゃない」
アザレア「どゆこと?」
ソロネ「『金が出る』『大金持ちになれる』」
ソロネ「そんな噂が世に広まったら、 この町に『色んな人』が殺到してくる」
ソロネ「どうなるか分かる?」
アザレア「賑やかで楽しそ〜(小並感)」
ソロネ「悠長でいいね、『大地主の娘さま』は」
デイビッド「まぁ、『楽しい事』は増えるわな」
アザレア「おっちゃん! もう今日は『お仕事』終わり!?」
デイビッド「もちろん!(フケたけど)」
ソロネ「⋯行こうアザレア 『駄目な大人』が伝染る気がする」
デイビッド「ガッハッハ! 良いね〜! 強いねお前たちっ!!」
ソロネ(何で笑ってんだこのおっさんは)
デイビッド「おっちゃん達の『仕事』は あくまで『金探し』なんだけどさ」
デイビッド「『そんなの』より もっと価値のあるモン、見つけちゃったわ」
「?」
デイビッド「『悔いのない人生』歩め」
デイビッド「酸いも甘いも苦汁でも何でも 人生、『糧』にしたモン勝ちなんだわ」
デイビッド「俺達がこの国を絶対守ってやるから、 どんな『困難』来ようが乗り越えろよ!!」
「ガッハッハッ!!」

〇教会の中
ソロネ(あなた達のいない、『この国の未来』)
ソロネ(『占い』を見るまでもなく、 確実に『混沌』へ向かうだろうな)
ソロネ(だが)
(『遺志』は、しっかり継いでいる)
  地上の事は『我々』に任せて、

〇黒
  『天国』から見守っててくれ
  
  『大統領』
ソロネ「──────、」
ソロネ「”神は、『真実』である”」

〇地球
  ”あなた達を
  
  耐える事の出来ない『試練』に
  
  会わせることはなく”
  ”そればかりか
  
  『試練』に耐えられるよう
  
  逃げ道も備えて下さるのである”

〇黒
  ”故に、愛する者たちよ”

〇カラフルな宇宙空間
  ”『偶像崇拝』を避けよ”
  
  
  
  ───コリント人への第1の手紙,10,13-14
『聖女』「ぁあぁあああああ私に『試練』っ♡♡♡ こんなっ♡ こんな『幸せ』がっ♡♡」
『聖女』「───『聖少女』さまっ!! ───ああ、『聖少女』さまぁっ!!」
「”あなたの望んだ世界”っ♡ 近づいてきてますぅう♡」
  AM 11:40
  ヘレナ&ソロネ vs 『聖女』

〇カジノ
ソロネ「何だこの揺れは?!」
  こんなとこで死んでたまるかってのよ!!
ヘレナ「ちくしょうっ!」
ヘレナ「逃げて逃げて!! 死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!」

〇黒
  錬金物質
  『聖心薔薇冠(ロザリオ)』
  
  ×(かける)
  『聖餐(Hématopoïèse)』

〇白

〇カジノ
  スッキリ
『聖女』「⋯ふぅ、 おっきくなりましたね、『聖少女』さま♡」
『聖女』「『私の血』、頭からいっぱい飲んで たくさん『生長』してくださいね、エヘ♡」
  des vies dénuées de sens.
  (意味無き生命たちよ)
『聖女』(『試練を与える』と謳っておきながら 目の前からいなくなるなんて⋯)

〇カラフルな宇宙空間
  もしかして、
  
  『かくれんぼ』が『試練』!?
『聖女』「ンン〜〜〜ッ! 相変わらずの『いけず』っぷりッッ!」
「私からはぜ〜ったいに 逃げられませんよぉ〜〜〜っ♡♡」
  『転生(Manipulation Génétique)』

〇市場
ソロネ「『アレ』は一体なんなんだ? 私は『魔法』でも見ているのか?」
ヘレナ「『異能』って奴よ!」
ヘレナ「私は『少し先の未来見たりイジれたり』! そういう力があるのよ!」
ソロネ(⋯『師匠』の占いも凄まじいが、 それ以上の『奇跡』だなコレはッ)

〇空

〇市場
鳩「ほろっほ〜」
ソロネ「なんだ?! やけにまとわりついてくるな??」

〇市場
ヘレナ「『鳩』!! 『鳩』の中から『茨』が出てくるわ!!」
ヘレナ「アイツ、『動植物』を操作出来るんだわ!!」

〇空
鳩「ほろっほ〜」
  来た来た来た来た!!!
  ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!

〇市場
ヘレナ「当たらねェ〜!!」
ソロネ「もう少し引きつけるんだ」
ソロネ「────『射程範囲』に入れば、」

〇空

〇市場
ソロネ「こうやって堕とせる」
ヘレナ「はぁ??」
「あらあら、 とっても強い牧師さまですね!」
『聖女』「お名前、伺っても?」
ソロネ「『ソロネ』だ」
『聖女』「────私は『聖女』 『結社』という団体に所属しております」
『聖女』「”以後、お見知り置きを、『ソロネ』”」
ソロネ「────『結社』」
ソロネ「なるほど、そういう事か(チラッ)」

〇黒
  『理不尽なオルコットの指名手配』
  コイツらにかかれば
  手際の良さも『合点』がいくな

〇市場
ソロネ「当然、『拒絶』だ」
ソロネ「お前たちに肩入れしても 私に『メリット』なんて無いからな」
『聖女』「⋯私達のように あなたも『異能』を使えるようになるかも」
ソロネ「口を慎め、『魔女』風情が」
『聖女』「『非道いお言葉』、 私、悲しくなってしまいます」
ソロネ「『大統領暗殺』『南北戦争』 『ゴールドラッシュ』『etc』」
ソロネ「存在を隠してても、『痕跡』を繋げれば 必ず『結社』という名前が浮上してくる」
  一体、何が目的で
  
  こんな事をしている?
『聖女』「──────、」

〇赤いバラ
『聖女』「『世界の平和』」
  ────────、

〇市場
ソロネ(表情はブレてない、『心からの本音』)
ソロネ「狂ってるな 本物の『魔女』か、貴様は」
『聖女』「『聖女』ですよ」
『聖女』「そう、私は『聖女』」
『聖女』「決して『魔女』なんかでは、ない」
ソロネ「ならば『証明』してみろ」
ソロネ「『魔女払い』に有効なのは、 『十字架』に限った話では無い」
ソロネ「『例え話』さ、聞いたことあるだろう?」

〇血しぶき
  ざぁんねん

〇市場
ソロネ(────ッ、信じられん)
ヘレナ(『茨』で『弾道』逸らしやがったッ)
『聖女』「『聖心薔薇冠(ロザリオ)』の生長速度、 侮らないで欲しいですね⋯」
『聖女』「ダメ押しです」
  『生命礼賛(Division Cellulaire)』
  擬似・錬金生命【騎士】
『聖女』「人間2人分の『重量』と『筋力』に加えて、」
『聖女』「余った『骨』は こねこね捏ねて〜♡ 『鎧』、あしらってみました♡ きゃっ♡」
ソロネ「この女────ッ」
ヘレナ「『命』を簡単に冒涜しやがって────ッ」

〇赤いバラ
ヘレナ「えっ?」
ソロネ「ぐあッ」

〇怪しげな酒場

〇カジノ
「”引きずられて 『茨』のトゲに身を裂かれる”」
『聖女』「まるで『罪人の最期』ですね?」
『聖女』「しかし、これは『審判』ではなく『試練』」
『聖女』「『乗り越えるべくして、乗り越える困難』」
『聖女』「『かみさま』を降ろしてくれて とても感謝してます、が────」
『聖女』「『あなた』には、 もう一つだけ『役割』があるのですよ?」
『聖女』「ねぇ?」
  『忘れ形見』

〇白
???「『異能』のカタチは、『願い』のカタチ」
???「『願い』とは即ち、『未来の可能性』」
  ?
  だ れ?
???「”意味無き生命”の『私達』は」
???「『あなたの選択』を尊重する」
???「けれども、」
???「もう、」
???「既に、」
  『あなたの選択』に頼っていても
  『未来の可能性』を見いだせない
  貴女が『負け』を知る時
  
  その時が真の意味で
  
  人生の『リスタート』となる
???「かつて、あなたが『願ったこと』」
???「『私達』が」
???「叶えてあげる」
  な にを
  
  いっ てるの
???「”未来を先読みして思い通りに選択する”」
???「────それが、あなたの『本質』?」
  違うでしょう?
  ほら、
  自分の『真理』に
  
  『到達』するために
  パラダイムシフト(価値観を変革)する時よ

〇カジノ
「『十字架』と『銀の弾丸』」
???「『怪物』と『魔女』を討つ武器、ね とっても、丁度いい」
???「────あ、」
???「『ヘレナ』、ごめんなさいね」
???「『耐性』はちゃんと機能してるから、」
???「”変化に慣れる” までの辛抱よ?」
『聖女』「『その節』はどうも────、」
『聖女』「『かみさま』を降ろしてくれて とても感謝してます」
『聖女』「こうやって会えたのも、 『星の導き』のお陰でしょうか?」
???「あなたの為じゃないですし、 『私達』を利用しただけでしょう?」
???「『私達』は、『ヘレナ』の為に動いてる」
???「それを履き違えるのは、『万死』に等しいわ」
ヘレナ「───ああ、 そういえばここは『賭場』でしたね?」
  『ギャンブル』をしましょう
  
  『ヘレナ』なら、そうしてる

〇カジノ
???「『666(オーメン)』」
???「冠する意味は『凶兆』」
  『可不可不可思議(Paradigm Shift)』
  【撃ち殺せなかった】
  
  の『逆位置』は────

〇血しぶき
???「【撃ち殺せた】」
???「戴冠している錬金物質、 『聖心薔薇冠(ロザリオ)』」
???「”宿主の血を糧に異常生長する『薔薇』”」
???「『植物』なら当然、『種子』を作れる」
???「『生命を司る異能』との関連を考慮すれば」
???「───あと何回、 『あなた』と『薔薇』を殺せばいいのやら」

〇黒
  また、会いましょう
  
  (クリスチャン・ローゼン・クロイツ)
  『聖女』
  『ヘレナ』の為に
  
  全ての『聖女(あなた)』を
  
  鏖(みなごろし)にしてあげます
  AM11:50
  ●聖女:死亡 ○ヘレナ&ソロネ:重症

〇市場
ジェーン「痛ぅッ!」
ジェーン「大丈夫! 肩、掠めただけッ!!」
オルコット(後方から『狙撃』! ジェーンが反応してなきゃ、殺られてた!!)
オルコット「建物まで引っ張る!ごめん!!」
キッド(悟られる要素や挙動は 確実に消して『陽動』したのに───!)

〇明るいベランダ
ドミニク(完全ノールックで 『オルちゃん』助けちゃうとは───)
ドミニク「『タネ』があるな? 面白いねぇ⋯」

〇荒れた小屋
ジェーン「ヤバいね 次、攻められたら⋯」
オルコット「えぇ、『詰み』ね」
オルコット「ヘレナの『未来視』に頼れる状況なら 打開できるかもだけど⋯ッ」
「お困りですか、お嬢さん(マドモワゼル)?」

〇黒
  実に『切羽詰まった状況』みたいでしたから
  思わず『お声』、かけてしまいました☆
『伯爵』「『ご助力』しましょうか? 少々『見返り』はいただ──────」

〇赤いバラ
「『変態』だァーーーーーーーッ!!!!!」
  !?

次のエピソード:10.Calamity/硝煙たなびくミネアポリス③

コメント

  • 演出もスチルもめっちゃかっこいいし
    牧師ソロネのナイフ使いかっこええ
    ヘレナの中に謎の存在が??
    と思っていたら
    変態だー!!
    聖女をとりあえず倒せたと思ったら突然現れた変態に記憶が飛びました。

  • 最新話まで一気読みさせてもらいました^^ ただ、ミネアポリス編の冒頭、カレーを食べながら読むという失態を…笑
    聖女の能力は、隠者の紫+黄金体験的なモノなのか…底の知れない力で、この先どう立ち向かうのか楽しみです! そして、早撃ち能力同士の戦いも激アツ確定…期待大です。

  • ただひたすら見入ることしかできないゾクゾクするシーン続きで心を鷲掴みにされたところの、ナチュラルに登場する変態伯爵さま✨ しかも、それを見たオル姐たちの第一声が🤣🤣 次回、変態さまから目が離せなくなりそうです😂

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