動物の国のお姫様(脚本)
〇海沿いの街
むかしむかし、あるところに、動物だけが暮らす国がありました
いつからでしょう、その国に、とても珍しい、人間の女の子が暮らし始めました
クマの王様も、ネコのお妃様も、女の子をとても大切に育てました
国王さま「『とても愛しい私たちの娘。おまえには、この国のどんな食べ物も与えよう』」
王妃さま「『とても尊い私達の娘。あなたには、この国のどんな飲み物も与えましょう』」
女の子は、お姫様として、とても愛情深く育てられました
〇ヨーロッパの街並み
国のどんなところへ行っても、女の子は動物達の人気者でした。誰もが、女の子に優しく接してくれます
パン屋さん「『お姫様、いい天気だね!焼きたてのドーナツはどうだい?』」
お菓子屋さん「『お姫様!今日も甘いお菓子を食べていって下さいよ』」
女の子は、全ての動物から愛され、また愛していました
大工さん「『よぅお姫様!今日もお美しいね!』」
町の子供「『姫さまだー!今日も遊ぼうよー!』」
動物たちはいつも、女の子に笑顔を向けてくれます。女の子も、動物たちに心からの笑顔で接するのです
〇原っぱ
16歳の誕生日を迎えた日、女の子は動物達とピクニックにやってきました。みんな、より一層の笑顔で女の子を祝福してくれます
国王さま「『愛しい私たちの娘、よくぞ立派に育ってくれた。父は誇りに思う』」
王妃さま「『麗しい私達の娘、あなたと巡り会えた事を母は誇りに思います』」
パン屋さん「『食いしんぼで優しくて』」
お菓子屋さん「『いつも国のみんなを愛してくれて』」
大工さん「『俺たちの言葉は理解できないみたいだし、人間の言葉も覚えなかったが』」
町の子供「『わけわかんなくてもニコニコしてるの、とっても素敵だったよ!』」
国王さま「『美味しいものだけ食べさせて育てた、貴重な人間の肉』」
王妃さま「『絶滅危惧種人間の肉。あなたをお迎えするのは苦労しましたよ』」
ぱしゅ・・・
国王さま「『どんどん逃げなさい、私たちの娘。おまえが恐怖を感じればアドレナリンが出る。肉がとても旨くなる』」
ぱしゅ・・・
王妃さま「『血抜きもかねて、ゆっくり遊びましょうね。それにしても悲鳴のあげ方も知らないのですね、私達の娘』」
町の子供「『大人ばかりずるいよー!僕も姫様で遊びたい!』」
ざくっ・・・
大工さん「『なーに心配するな。内臓から骨まで、ぜんぶ美味しく食べてやるからよ』」
ごしゃ・・・
人間の女の子は、動物達とひとつになりました。人間の肉を食べると若返る、という言い伝えの通り、皆とても元気になりました
〇海沿いの街
しばらくの時が流れました
国王さま「『美しい私たちの娘。お前を迎えるこの日を楽しみにしていた』」
王妃さま「『麗しい私達の娘。今日からここが、あなたの国です』」
国王さま「『とても愛しい私たちの娘。おまえには、この国のどんな食べ物も与えよう』」
王妃さま「『とても尊い私達の娘。あなたには、この国のどんな飲み物も与えましょう』」
国王さま「『おまえは、いつまでも幸せに暮らすんだ』」
王妃さま「『国の民みんなに愛され、その一部となって永遠に』」
〇血しぶき
しあわせに くらしましたとさ
めでたし めでたし
こんなナイスグロ童話を作成できたのも、何故か“そういう描写にぴったりなアイテムやエフェクトが揃っている”tapnovel さんが悪い……ゲフン、おかげですよね(笑)。組み合わせで結構エグい表現いける奇跡😂
ひよこさん……小さいくちばしでナイフ咥えて襲いかかってきてるのかと思うとコワ可愛いですな……🔪🐤
初めまして!
いきなりすごい作品ですね!!
とても驚きました😵
街中で動物が、大工さんやパン屋さんだったり・・・そこからして独特の世界観なのですが😮
その先がもう、逆ジョージ・オーウェルという感じで!!
オリジナリティと作家性を感じます、頑張ってください!!