渋谷とは。(脚本)
〇渋谷のスクランブル交差点
渋谷とは。
私はこの問いについて自問自答を重ねた。
〇SHIBUYA109
渋谷とは最先端のファッションに触れ、自分の個性をファッションという方法で表現する場所。
〇ハチ公前
渋谷とは友人や最愛の人と待ち合わせをする場所。
〇渋谷駅前
渋谷とは自分の推しや好きな人のグッズを購入したり、ポスターや展示などを見に行く場所。
〇センター街
渋谷とは放課後に友人と集まって遊んだり飯を食ったりする場所。
〇クラブ
渋谷とは音楽に身を任せながら、夜を共にする人を探す場所。
〇渋谷の雑踏
渋谷とはハロウィンや年越しの際に集まってバカ騒ぎをする場所。
〇渋谷駅前
渋谷とはライブカメラを見ながら人の多さに驚いたり変人を探したりする場所。
〇渋谷のスクランブル交差点
渋谷は皆様ご存知の通り、いつ如何なる時でも人で溢れている。
〇渋谷のスクランブル交差点
しかし渋谷を訪れる人間の目的は共存していない。
〇渋谷のスクランブル交差点
先に挙げたように、渋谷には多種多様な訪れる理由がある。
〇渋谷のスクランブル交差点
それは人に限らず、時間や季節によっても移り変わり、絶え間なく変化し続けている。
〇渋谷のスクランブル交差点
今日においては3次元にとどまらず、インターネットのような電脳世界における渋谷も誕生し、よりカオスな場所になりつつある。
〇渋谷のスクランブル交差点
私自身も、渋谷のライブカメラを見ながら飯を食うこともあれば、買い物に出かけたり、クラブで音楽を楽しみに行くこともある。
〇渋谷のスクランブル交差点
そこで、私は考えた。
〇渋谷のスクランブル交差点
渋谷とは生きた場所である。
〇通学路
私は地方のある場所に住んでいる。
〇田んぼ
歩いて10分もすれば田んぼが広がった広大な大地を望むことが出来る。
〇通学路
しかし、言ってはなんだが私が住んでいる場所は死にかけている。
〇通学路
私が住んでいる場所には血の巡りがないのである。
〇通学路
代り映えがなく、はっきり言ってつまらない場所。
〇通学路
私がこの場所に長く住み続けたせいか、もはやこの場所に私の知らない場所はなく、同時に変化という概念は消失してしまった。
〇通学路
店がつぶれて新しい店ができても「ふ~ん」の一点張り。そして新しい店もこの場所に長居する理由を見出せずすぐ消えていく。
〇通学路
変化を望まない人にとっては暮らしやすい場所かもしれないが、学生の私にとってこの場所は血の巡らない、よどんだ場所だ。
〇渋谷のスクランブル交差点
話を渋谷に戻そう。先ほど私は、渋谷は生きた場所だと定義づけた。
〇渋谷のスクランブル交差点
それは絶え間なく変化をし続け、血の巡りが活発だからである。
〇渋谷の雑踏
一度読むのを中断して、ライブカメラや車窓から渋谷のスクランブル交差点を見てみてほしい。
〇渋谷の雑踏
極端に遅い・早い時間帯でなければ基本的に多くの人間が各々の目的に向かって歩いている。
〇渋谷の雑踏
私には、このスクランブル交差点は渋谷の心臓に見える。
〇渋谷の雑踏
赤信号と青信号の入れ替わりはまさに心臓の収縮運動である。
〇渋谷の雑踏
そして渋谷を訪れる多くの人という名の血が、渋谷を循環し、この場所を作り上げている。
〇渋谷の雑踏
どうか、この循環を止めないでほしい。渋谷を殺さないでほしい。
〇渋谷の雑踏
いかなる理由であっても渋谷を訪れ、血となってこの場所を巡り続けてほしい。
〇渋谷の雑踏
渋谷は日本におけるもっとも元気で力のある場所だと私は考えている。
〇渋谷の雑踏
渋谷の死は日本の死と言っても過言ではないほどにこの場所は力を持っている。
〇渋谷の雑踏
渋谷から世界へ。
この場所は今後も絶え間なく進化し続け、よりカオスで混濁した場所になるだろう。
〇渋谷の雑踏
カオスで、美しく、楽しい場所になるだろう。それを良いことと思うか、悪いことと思うかは人それぞれだが。
〇渋谷の雑踏
2022年2月3日時点では人が集まることは悪とされている。仕方のないことだが、渋谷はその間徐々に弱っている。
〇渋谷の雑踏
ただ、きっと力みなぎる渋谷は帰ってくる。私はその日を楽しみに、死にかけの場所から渋谷にエールを送り続ける。
〇渋谷の雑踏
最後にもう一度。
渋谷とは。という問いに対する私の答えは、「渋谷とは生きた場所」である。
〇渋谷のスクランブル交差点
そして私は皆様に問いたい。
あなたにとって渋谷とは。
僕にとって渋谷とは、目まぐるしく変わる場所ですね
生きている街っていうのは、なんとなくわかります。
循環って人の流れや、流行、色んなものが流れていき交差していくことかな?と思いました。
止まることを知らないところも、そのたとえがぴったりだと思いました。
最後の問いに、このコンテストの真髄のようなものが見えました😌私にとって渋谷とは、キラキラした街です。ハロウィンには賑わいが、夜中にはネオンが。人間らしさのとてもある街というイメージがあります☺️