健康だったらボーナスアップ!

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健康だったらボーナスアップ!(脚本)

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〇オフィスのフロア
  それは、突然だった──
アキヒロ「なんだろ? 社長から直々に話だなんて・・・」
社長「・・・」
社長「静粛に!」
社長「我が社が創業して20年・・・」
社長「今年の冬のボーナスから、 新たな査定基準を設けることにした」
社長「その名も・・・健康査定!」
アキヒロ「・・・健康査定?」
社長「君たちには、1週間後に全員 人間ドックを受けてもらう」
社長「そして、その結果が・・・」
社長「査定基準として ボーナスの金額へ大幅に反映される!」
アキヒロ「そ、そんな・・・」
社長「我が社は健康食品を取り扱う会社だ」
社長「その社員が不健康でどうする!?」
アキヒロ「極論すぎる・・・」
社長「もちろん、結果がよければよいほど ボーナスを多く支給する」
社長「しかし、結果が悪ければ・・・」
社長「ボーナス大幅減!」
社長「さらには、解雇もありうる!」
アキヒロ「えーーーーーっ!!」

〇ダイニング(食事なし)
アキヒロ「・・・ってなわけでさ、参ったよ」
ヤヨイ「そう・・・」
アキヒロ「若手ならまだしも、 オレみたいな中年メタボ」
アキヒロ「結果が悪いに決まってるじゃないか・・・」
ヤヨイ「あなた・・・」
ヤヨイ「徹底的にやるわよ!」
アキヒロ「・・・え?」
ヤヨイ「要は健康ならいいわけでしょ?」
ヤヨイ「1週間で体質改善! ビシバシいかせてもらいます!」
アキヒロ「えーーーーーっ!!」

〇住宅街の道
  翌朝──
ヤヨイ「あなた、こんな距離で へばってる場合じゃないわよ!」
アキヒロ「そんなこと・・・言われても・・・」
アキヒロ「せめて走るなら着替えさせてよ・・・」
ヤヨイ「あなたには時間がないの!」
ヤヨイ「明日はもっと距離延ばすわよ!」
アキヒロ「うう・・・」

〇ダイニング(食事なし)
アキヒロ「あー、疲れた・・・朝飯だ! 朝飯!」
アキヒロ「これ・・・だけ?」
ヤヨイ「言ったでしょ? 徹底的にやるって・・・」
ヤヨイ「夕飯は冷奴のみよ」
アキヒロ「ああ・・・」

〇明るいリビング
「ハイ、ワンツー! ワンツー!」
ヤヨイ「あなた! もっと足上げて!」
アキヒロ「うう・・・たった一週間で エアロビクスの効果あると思う?」
ヤヨイ「やらないよりはまし!」
ヤヨイ「いいから無心で踊るの! 踊るのよ!」
アキヒロ「おお・・・」
アキヒロ「死ぬ・・・健康のために死ぬ・・・」
  人間ドック前夜──
「ハイ、ワンツー! ワンツー!」
アキヒロ「ワンツー! ワンツー!」
ヤヨイ「だいぶ動きにキレが出てきたじゃない」
アキヒロ「はい! ありがとうございます!」
アキヒロ「踊ります・・・! わたしは踊るしかないですからぁ!」
アキヒロ「・・・手のひらの上で」
アキヒロ「ワンツー・・・ワン、ツ・・・」
アキヒロ「ワン・・・ワ、わあああああっ!!」

〇総合病院
  翌日──
アキヒロ「・・・」
アキヒロ「お、終わっ・・・」
アキヒロ「終わったあああああっ!!」
アキヒロ「あ、ああ、あ・・・」

〇お弁当屋のレジ
店員「いらっしゃいま」
店員「・・・せ」
アキヒロ「な、なんでもいい・・・ なんかのメガ盛り・・・ギガ盛り・・・」
アキヒロ「いや・・・テラ盛りぃ!!」
店員「そ、そんなのないんですけど・・・」
アキヒロ「うう、なんでもいいから 食べものをください・・・」
アキヒロ「踊ります! ここで踊りますからぁ!」
店員「ちょ、ちょっ・・・! 困ります、お客さん!」

〇銀行
アキヒロ「・・・」
アキヒロ「いよいよ今日はボーナスの支給日」
アキヒロ「やることはやった・・・ 精神が壊れる寸前まで・・・」
アキヒロ「でも、所詮は焼け石に水 たいした金額にはならないだろうな」
アキヒロ「さぁ、覚悟を決めて・・・」
アキヒロ「通帳確認・・・!」
アキヒロ「は、はぁっ!?」
アキヒロ「い・・・一千万・・・!?」
アキヒロ「・・・なにがどうなってるんだ?」

〇病院の待合室
社長「すいませんね、奥さん わざわざご足労願いまして・・・」
ヤヨイ「いえ・・・」
ヤヨイ「主人のボーナスのことでなにか?」
社長「・・・ひとまず、行きましょうか」

〇病院の診察室
医師「どうぞ」
社長「失礼します」
医師「・・・単刀直入に申し上げます」
医師「ご主人は・・・ステージ4の肝臓がんです」
ヤヨイ「え」
社長「誠に残念ですが・・・」
社長「弊社の新しい方針に基づき、 ご主人の口座には退職金一千万円を 本日振り込ませていただきました」
ヤヨイ「え」
社長「不健康な社員は・・・ 解雇せざるを得ないのです」
医師「それに、私が言うのもなんですが、 そのほうが結果的によろしいと思います ご主人と奥様にとって・・・」
ヤヨイ「あな・・・た・・・」

〇お弁当屋のレジ
店員「いらっしゃいま」
店員「・・・せ」
アキヒロ「この店で一番高い弁当、テラ盛りで!!」
アキヒロ「え? テラ盛りない? お代はずむから作ってよ!」
アキヒロ「今、金ならたくさんあるからさぁ!」
アキヒロ「・・・死ぬほどね!」

コメント

  • 「健康だったらボーナスアップ!」は、笑いと驚きに溢れたコメディ作品です。主人公のアキヒロが突然、会社のボーナスが健康査定によって決まることを知り、一週間で体質改善に取り組む様子が描かれています。彼の奮闘ぶりには共感を覚えつつ、ヤヨイとのやり取りやエアロビクスのシーンなど、笑いのハイライトも満載です。一方で、作品は予想外の展開もあり、ボーナスの裏に潜むドラマチックな要素も魅力的です。全体を通して、ストーリーのテンポがよく、キャラクターたちの魅力が光る作品でした。心地よい笑いとユーモアに満ちた展開に、思わず引き込まれました!

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