如月3姉妹の温泉旅館物語

高橋

1話完結(脚本)

如月3姉妹の温泉旅館物語

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〇海辺の街
  とある海辺の街は、旅館が多い街である
  この海辺の街は、温泉が多いため、観光客もよく、訪れる

〇温泉旅館
  海辺の街に、「如月旅館」という旅館がある
  如月旅館は、100年前に建てられ、現在まで、営業が続いている。
  由緒正しい、この海辺の街で、1番有名な老舗温泉旅館だ
  現在は、祖父母と、孫で、営業している
  孫である、3姉妹の両親は、小さい頃に亡くなり、3姉妹は、祖父母に育てられた
  長女の阿優と次女の紗優は、旅館で働いており、
  三女の美優は、まだ高校生ではあるが、土日や祝日には、旅館を手伝っている
  この物語は、3姉妹と、それを取り巻く人々との交流を描いていく話である

〇旅館の和室
  如月3姉妹の長女、阿優は、「如月旅館」の若女将である
如月阿優「A様。本日は、当旅館に、お越しくださりありがとうございます」
お客様A「若女将、自らありがとうございます。 いつ来ても、この旅館から見える景色や、この旅館が忘れられなくてね」
お客様A「こっちに来る時は、この旅館を使うことに、いつもしているんだよ」
  Aさんは、この旅館の常連客であり、何年か前から、この旅館に泊まってくれている
如月阿優「いつも、ありがとうございます。 ゆっくりと、お過ごしください」
  何時間後、阿優は、別のお客様の接客をしていた
如月阿優「B様。本日は、当旅館にお越しくださりありがとうございます」
お客様B「今回、初めて来てみたんだけど、この街は、良い街ですね」
如月阿優「ありがとうございます。 そうなんです。 景色も良いですし、食べ物も美味しいです。 地元の自慢になっちゃうんですけど」
お客様B「あはははは。それは、それは。 この旅館に泊まるのが、更に楽しみになりそうだ」
  Bさんは、今日、初めてこの旅館に泊まるお客様である。
  パソコンを持って、スーツを着ているので、会社員だと阿優は思っている
  長女の阿優が、お客様の接客に当たっている間、次女の紗優も、お客様の接客をしていた
  次女の紗優は、大学生の時に、経営の勉強をしていたため、旅館の帳簿の仕事を担っており、
  長女の阿優よりも、お客様の接客をすることは少ない。
  また、帳簿の仕事だけではなく、この旅館の広報の仕事も担っている
如月紗優「C様。本日は、当旅館に、お越しくださりありがとうございます」
お客様C「ありがとうございます。 この街のホームページを見て、来たくなっちゃったんです」
お客様C「色々見ていたら、この旅館のホームページが、見つかって、この旅館に泊まりたいと思ったんです」
如月紗優「ありがとうございます。 あの、ホームページ。実は、私が作っているんです」
お客様C「お姉さんが!すごいですね」
  Cさんは、この旅館を初めて訪れたお客様だ
  国内旅行が好きで、色々な所に行って、写真を撮って、それをSNSに上げているみたいだ

〇露天風呂
  如月旅館の魅力の一つは、温泉である
お客様A「いつ来ても、この温泉は良いですね」
如月弘和「ありがとうございます。 それは、こだわっているんでね」
如月弘和「この温泉を目当てに、来るお客様も多いですね」
お客様A「私も、この旅館に来る理由の一つが、温泉なんですよね」
如月弘和「ありがとうございます。 ゆっくり、浸かってください」
  別の時間
如月弘和「この温泉は、「源泉」なんです」
お客様B「源泉、なんですね それは、気持ちよさそうですね」
如月弘和「ゆっくり浸かって、疲れをとってくださいね」
  同時刻
如月紗優「C様、こちらが当旅館の温泉です。 「源泉」なんですよ 美肌の効果もある、温泉もありますよ」
お客様C「美肌効果! それは、是非入ってみたいです」
如月紗優「ゆっくり、していってください」

〇路面電車のホーム
  場所が、変わり、路面電車のホーム
  祖母の八重子は、買い物をするために、街に出ている。
  その途中で、親友の「とみ」に会った
とみさん「八重ちゃん、お買い物かい?」
如月八重子「とみちゃん。 そうなんよ。買わなきゃいけんものがあって」
とみさん「そうかい、そうかい」
如月八重子「旅館も、阿優と紗優に、だいぶ任せられるようになったけん」
とみさん「大きくなったもんじゃね。 あんなに、小さかったのに」
如月八重子「そうじゃね。 気づいたら、あっという間に、大きくなっていたねぇ」
とみさん「八重ちゃんも、よう育てはったわ。 大変だったじゃろ」
如月八重子「そうでもないんよ。 とみちゃんも、色々と手伝ってくれてありがとうけんね」
とみさん「いいけん。 わしも、あの子たちのことは、本当の孫のように、思っているけん」

〇路面電車の車内
  「八重子」と「とみさん」が、路面電車に乗っていると、途中の駅で、3女の「美優」が、学校帰りに乗ってくる
とみさん「美優ちゃん、今、帰りかい?」
如月美優「おばあちゃんととみさん! 今日は、短縮授業だったから、この時間なんだよ!」
如月八重子「そうやったね」
如月美優「おばあちゃん、荷物重そうだね。 私が持つよ」
如月八重子「すまんね。 ありがとう」
  とみさんは、このやり取りを微笑ましい顔で見ていた
  この後、終点駅で、とみさんと別れ、帰路に着いた

〇旅館の受付
  同時刻
  祖父の弘和と八百屋を営んでいる「たけさん」が、話をしている
  たけさんは、祖父、弘和の小さい頃からの親友で、とみさんの夫だ
たけさん「弘ちゃん、野菜持ってきたわ。 いつもの所に、運んどいていいかい?」
如月弘和「おう。 いつもの所に、置いといてくれ」
たけさん「了解!」
  たけさんが、野菜を運んでいると長女の阿優に会った
如月阿優「たけさん、いつもありがとう」
たけさん「その声は、阿優ちゃんかい。 いいけん」
如月阿優「たけさんが、作っている野菜、新鮮で瑞々しいから、お客様にも好評なんよ」
たけさん「それは、それは、ありがたいねぇ~」

〇旅館の和室
  夕食の時刻になり、お客様の部屋に夕食を運ぶ
  お客様Aの部屋
  トントンと、ドアを叩いて、声をかける
如月美優「失礼します。 夕食をお持ちいたしました」
お客様A「ありがとう。 入ってください」
如月美優「失礼します。 本日のお品書き、先にお渡しします」
お客様A「おいしそうですね」
如月美優「ありがとうございます。 煮立ってきたら、この料理に、これを入れてください」
お客様A「分かりました。 どうもありがとう」
  お客様Bの部屋
  トントンと、ドアを叩いて、声をかける
如月阿優「失礼します。 B様、夕食をお持ちいたしました」
お客様B「ああ、ありがとう」
如月阿優「本日のお品書きです」
お客様B「どうも、どうも。 聞いたことのない料理名が多いなぁ。 でも、細かいところまで、書いてくれているから、助かるよ」
如月阿優「ありがとうございます。 煮立ってきたら、この料理に、これを入れてください」
お客様B「分かりました」
  お客様Cの部屋
  トントンと、ドアを叩いて、声をかける
如月紗優「C様。 失礼します。夕食をお持ちいたしました」
お客様C「どうぞ~。入ってください」
如月紗優「失礼します。 こちら、本日のお品書きです」
お客様C「うわぁ~。 いっぱいありますね。楽しみです」
如月紗優「ありがとうございます。 煮立ってきたら、この料理に、これを入れてください」
お客様C「了解です」

〇温泉旅館
  如月旅館には、年中お客様が訪れる
  3姉妹は、日々旅館を訪れる人々に、「楽しんでもらいたい」という想いで、真心を込めて仕事をしている
  今日も、海辺の街にある、一つの旅館では、「お客様を楽しませたい」という想いで、3姉妹が働いている

コメント

  • 旅館の家族が仲が良くほのぼのとしてます。温泉も源泉で体に良さそうです。旅館経営も順調です。何もかもが最高です。久々の気持ちのいい物語でした。

  • それぞれがまわりの人を思い合っている人間模様ですね。こんなご時世で久しく旅行や温泉にもでかけていませんが、自分自身が旅行にいっておもてなしをうけているような穏やかな気持ちになりました。

  • 周囲によくできる人って、自然と人が集まるものですよね。
    旅館を続けていく上で再度また来てもらえる、そのために必要な接客って割と難しいと思いますが、なんだか読んでいてこの旅館はあったかさがあるんだろうなぁと感じました!

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