『突然訪れるシリーズ』同い年も訪れる

八野なな

久々に訪れた(脚本)

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八野なな

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〇開けた交差点
れん「お~い!」
先輩「んっ? おぉ! これは俺と同い年の親戚、れんじゃないか!」
れん「何?その説明みたいな言葉は?」
先輩「まぁ、気にしないで! もっと言うと、これまでのシリーズから同級生なのに俺は『先輩』表記にしてもらうけど」
れん「? 先輩?」
先輩「気にしないで!! しかし、こんな所で偶然だな!」
れん「そうだね。 家少し離れてるし、普段なかなか会わないよね」
先輩「今日はこっちで用でもあったのか?」
れん「そう! 君の家に用事」
先輩「えっ?俺ん家?」
れん「うん! この前家族で旅行してさ、そのお土産持って来た」
先輩「おぉ! ありがとう!」

〇おしゃれなリビングダイニング
れん「何かごめんね。 お土産渡したら帰ろうと思ってたんだけど・・・・・・」
先輩「いいって! というか、せっかく来てくれたんだし、お茶ぐらい飲んでいけって!」
れん「うん、ありがとう」
先輩「・・・・・・ うーん、普通の会話だねぇ」
れん「? どういう意味?」
先輩「あぁ、いや、別に変な意味は無くてさ。 何か・・・・・・シュールなボケを言ってきたりしないんだなーって・・・・・・」
れん「え? シュール?ボケ? えっ?何??」
先輩「いや、例えばお土産渡す時・・・・・・」
なほ「はい!お土産です! 手数料込みで1万円になります」
先輩「みたいな・・・・・・」
れん「え? 私そんな事言わないよ!」
先輩「そう、そう! だよねー! 普通言わないよねー」
れん「え、何? どうしたの?」
先輩「あー、いや、別に何もないよ」
れん「そう? ならいいけど・・・・・・」
先輩「何か、れんと話してると落ち着くなって思ってさ」
れん「えっ!? そ、そうなの?」
先輩「うん。 こうやって話す事が出来るって貴重だよ」
れん「いや、そんな大袈裟だよ!」
先輩「大袈裟じゃないよ! こんな自然に話せるのはれんだけだよ!」
れん「ん~~~」
先輩「あぁ! ごめん! 変な事言っちゃったな」
れん「・・・・・・ううん。 私の事、そんな風に思ってたんだね・・・・・・」
先輩「・・・・・・うん。 迷惑だったらごめんな」
れん「・・・・・・全然迷惑じゃないよ」
先輩「そっか。 それなら嬉しいよ」
れん「えっと・・・・・・普段友達とどんな話してるの?」
先輩「え? いや、普通の会話だけど」
れん「さっきの感じだと普通とは思えないんだけど・・・・・・」
れん「まぁ、良いか! あ、いれてくれた紅茶いただくね!」
先輩「どうぞ、どうぞ」
れん「うん。美味しい」
先輩「・・・・・・」
れん「どうしたの?」
先輩「あ、いや・・・・・・」
なほ「美味しいオレンジジュースですねー」
先輩「とか言わないんだなーって」
れん「オレンジジュース?」
先輩「はっ! ごめん。ただの独り言」
れん「・・・・・・やっぱり、何か変だよ?」
先輩「えー、そうかな? 気のせいだよ!」
れん「・・・・・・」
先輩「・・・・・・ど、どうしたの?」
れん「ねぇ・・・・・・。 私には正直に話して・・・・・・ 何かやっちゃダメな『お薬』してる?」
先輩「ぶふっ!! な、何言ってるの! そんな訳ないでしょ!!」
れん「だって、さっきから変な事言ってるよ! お土産にお金取るとか、紅茶飲んでオレンジジュースとか・・・・・・ やってるよね?」
先輩「違う、違うし! 本当に違うんだ!! これは後輩の影響で!!!」
れん「後輩? ・・・・・・女の子?」
先輩「そう。 ちょっと変わった後輩がいてね! れんは住んでる所離れてるから会った事無いと思うけど、幼馴染みでね・・・・・・」
れん「へー。 じゃあ、その後輩ちゃんと仲が良いんだね?」
先輩「仲が良いというか、小さい頃からの付き合いだからねぇ」
れん「その子が君に変な影響を及ぼしてるんだね・・・・・・」
先輩「えっ? いや、変なというか・・・・・・」
れん「何? 変なというか、何?」
先輩「何でもないです」
れん「そっか・・・・・・ 君の近くにそんな変な子が・・・・・・」
先輩「れん??」
れん「もっと頻繁に会いに行くべきだったか・・・・・・」
先輩「お~い」
れん「結構距離感が近そうだな、後輩。 チッ、油断した」
先輩「れん??れん??」
れん「えっ? あぁごめん、ひとり言!!」
先輩「そ、そう」
れん「その後輩ちゃんとはよく話すの?」
先輩「まぁ、そうだね。 頻繁に連絡したりとかはしないけど、会えば話すし一緒に帰ったり・・・・・・ 買い物行ったりもしたかな」
れん「買い物だと!?」
先輩「えっ??」
れん「いや!! 何でもないよ!! そっかー。 私も君とどこか遊びに行きたいなぁ」
先輩「え? 良いよ、どこか行こうよ! もう全然一緒に遊んでないしな!」
れん「言ったな!? 良いって言ったな!!」
先輩「い、言ったよ・・・・・・」
れん「よし! じゃあ、今度本当に一緒にお出かけしよう!」
先輩「お、おう・・・・・・」
れん「後輩とは買い物か・・・・・・ じゃあ、思い切ってお泊まり旅行にするか・・・・・・」
先輩「れ、れん? どうしたの?」
れん「いや、何でもないよ! あ、ごめん。私そろそろ帰るね!」
先輩「えっ、そう。 もっとゆっくりしていけば良いのに」
れん「ちょっと旅行のプランを考えたくて・・・・・・」
先輩「えっ、旅行?」
れん「気にしないで!!」
先輩「でも・・・・・・」
れん「き・に・し・な・い・で!!」
先輩「はい」
「じゃあ、また連絡するね!」
先輩「お、おう。 お土産、ありがとうな」
先輩「・・・・・・何か寒気がするな」

コメント

  • 主人公が……普通の会話ができないカラダになってしまっている……😭
    れんちゃん、シリーズ初の普通のイイコだと思っていたら、やはり強烈な内面をお持ちのようで🤣 他の子との直接対決も楽しみになりますね✨

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