あなたと私の間には奇跡がある(リライト)

本田すみれ

読切(脚本)

あなたと私の間には奇跡がある(リライト)

本田すみれ

今すぐ読む

あなたと私の間には奇跡がある(リライト)
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教室
実果子「キミ、何か落としたね」
  それは私の書き溜めている
  漫画のネームが描かれているノート。
  中身は百合漫画。
  これでもかというくらいキスシーンが・・・
実果子「えっ、絵上手い こんな恋愛してみたかったな」
  私はそんな風に褒められて
  なんか胸が温かくなり
  さらにキュンとした
実果子「実果子も百合小説書いてるけど あまり読まれなくて悩んでるんだ。 創作で閲覧数が伸びないと自分が 否定された気分になる」
すみれ「実果子ちゃんっていうんだ ステキな名前」
実果子「あなたの名前は?」
すみれ「すみれっていいます。 百合漫画描くのが趣味です。 女の子同士でイチャイチャしてるって 尊いなって」
すみれ「小説はいつから書いているんですか?」
実果子「中一くらいから」
すみれ「私なんて漫画描いたの 半年前からですよ」
実果子「アニメが創作の カギになってる」
すみれ「そうなんだ 私の好きな漫画はアニメ化されないからな」
実果子「私も小説を書くきっかけになった 恋愛小説はドラマ化も アニメ化もされないな」
すみれ「推しが声優さんの声で しゃべり出すとしたら 最高だよね」
実果子「うん わかる」
  意気投合した私たちは
  創作論を語り合う仲になった

〇女の子の二人部屋
すみれ「子どもの頃好きだった 漫画家さんが廃業して その人に会いたい夢が潰えた」
すみれ「けれどその人にいつか 対面するために漫画を描いている」
実果子「すみれっていい夢持ってるね」
すみれ「実果子ちゃんは 何で小説を書いているの?」
実果子「書きたいから書く ただそれだけ」
すみれ「1回実果子ちゃんの百合小説を 漫画に描かせてもらいたいんだけど ダメかな?」
実果子「ウソ・・・・・・・・・ いいの?」
すみれ「実果子ちゃんの書く小説って セリフがとても キュンとくるし」
実果子「どの小説気に入ったの?」
すみれ「『エデンで私たちは結ばれる』かな」
実果子「ああ、あれか 閲覧数が3番目に低いから 評価気にしていたけど 褒めてくれたからうれしい」
すみれ「漫画化させてよ」
実果子「いいよ」
  エデンで私たちは結ばれるは
  主人公真風(まかぜ)凪が
  望まぬ見合い結婚を
  されそうになっていた
  彼女は女の子しか愛せない
  性的志向に生まれた
  かつての同級生新田瑠宇(昔交際していた)と
  再会し、
  事情を打ち明けると彼女から
  一緒に逃げよ?と言われる
  そして彼女たちは遠い異国の地まで
  逃避行し、
  南国でココナツジュースを飲み交わす
  しかも、口移しで
  そのシーンで物語は幕を閉じる
実果子「あの、いざ漫画に描いてもらえるとなると 色々手直ししたいかなって」
  そう実果子ちゃんは言ったので
  大人しく待つことにした

〇公園のベンチ
すみれ「せっかく書いてもらった小説を 元にして 漫画描いて出版社送ったのに 落ちちゃった」
実果子「そう落ち込むなよ」
すみれ「でも、でも せっかく2人で一生懸命 やってきたのに!(ここで泣いてます)」
実果子「泣くなよ すみれの泣き顔なんて 見たくないよ」
  そう言って私をハグする
  実果子
実果子「こんな時になんだが・・・ 私はすみれ、キミが好きだ」
すみれ「えっ」
実果子「すみれのことを ずっと大切にしたい」
実果子「愛してる 愛してるんだすみれ 私の気持ち受け取ってくれないか」
すみれ「はい」
  実果子の唇が私の唇に触れて
  とてつもない熱量の魔法を
  起こす
  どうにかなってしまいそうだ
  夜空に恋の星が光っていた

ページTOPへ