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あとりポロ

エピソード31『タタミ、最後の冒険』(脚本)

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〇立派な洋館
  2034年? 導きの園。『飼葉 タタミ』
  『導きの園』から過去『西暦2000年』へ『真衣』と『なゆた』を送り出したわたしたちは、
  ──『DDD団』というチームを作り上げた。
  
  『化けクリ』の意志を、『先生』の意志を継いだ組織だ。
  中立の地『導きの園』に属して、
  
  わたしたち『DDD団』は世界中の人々を支援し、励まし、物資を送った。
  それは、私が『先生』だったら、
  
  ・・・きっとしていた事だ。『先生』なら喜んで、その片腕でこなしていたと思う。
  そして時間を統括するこの地で、
  
  わたしは知りたくもない事実《みらい》 も知ってしまった。
  2034年、かつての日本で、
  『ブラック・ダド』の子『レッド・ボーイ』に、
  
  わたしと先生の子、『柊なゆた』が殺されると云う。
  わたしたちは『導きの園』の居候だ。
  かつ、わたし『飼葉 タタミ』は、園の創立者『ビンセット・シュガー』の娘でもある。
  私的に時間軸へ干渉することは、
  
  ・・・どうあっても許されないことだった。
  けれど、西暦2034年、
  
  34歳で『柊なゆた』が亡くなることは確定されていた。
楽々「私、私が止めてくるよ『タタミ』!  私が『なゆちゃん』を救ってみせる!」
コージ「僕も行きます! 『タタミさん』と『緋色さん』の子供、どんな事をしたって、僕が殺させません!」
楽々「『タタミ』! 私たち『DDD団』は、 『誰かの為に、どんな事でも!』な組織なんでしょ?」
楽々「なら、自分の娘は救わなきゃ! 助けなきゃ! どんな事をしてでも!」
タタミ「ダメだよ『楽々』。『ルークおじさん』に迷惑をかける」
楽々「『タタミ』!!」
タタミ「けどね、」
タタミ「どうしても、って言うなら、 この、・・・・・・世界を替えなきゃ」
楽々「え?」
タタミ「わたしたちで、 わたしたちが望む未来を、──構築する!」
楽々「タタミぃぃ♪」
  そして、わたしたちは調べた。
  
  『なゆた』の死後『ある人物』が過去への跳躍を求め、それを『導きの園』が拒絶した。
  以後『ホーム・ホルダー』の治世が進んでいる。
  
  分岐点があるとするなら、ココだった。
  ────園の皆に頭を下げた。
  
  地に頭をこすり付け、ありとあらゆる手段を用いて、わたしたちは彼らを懐柔した。
  けれど、
  
  『ルーク・バンデット』
  
  導きの園の主任だけは、その首を縦に振ることをしなかった。
  導きの園の宝、
  
  時間軸の干渉から身を守る輝石『存在の石』も手に入れた。
  あとは記述に書かれた時間、
  
  西暦2034年における、導きの園の時間『20XX年』へ飛び、事を起こすだけ。
  この時の為に地道に生産を続けた、
  
  蟻型巨大ロボット『DONDONアント』も数が揃った。

〇昔ながらの一軒家
  2015年、イバラキ。『飼葉 タタミ』
タタミ「こんにちは、可愛らしいお嬢さん」
柊 真衣「私、『可愛らしい』って歳じゃありませんよ?」
柊 真衣「おかえりなさい、お姉ちゃん♪」
タタミ「ずいぶん大きくなったね『真衣《まい》ちゃん』」
タタミ「お姉ちゃん、初めは何処《どこ》の美人さんか解らなかったよ!」
柊 真衣「お姉ちゃんも元気そうでよかった。 今、お茶を淹れてくるね!」
タタミ「いいところだね、ここ」
柊 真衣「でしょ! どうぞ、粗茶ですが」
タタミ「これ、『ヒユイマギイナ』? こっちでも作ってくれていたの?! わたしの大好物!」
柊 真衣「うん。いつか、 いつかきっと会えると思って、庭で育てていたの」
柊 真衣「だけどお姉ちゃん遅いから、 私、おばあちゃんに成っちゃうかと思ったの」
タタミ「『真衣』ありがと! でね、まずはね、『真衣』にこれを渡しておきたくて」
柊 真衣「キレイな石ね、宝石?」
タタミ「これは、時間の干渉から体を守る石。お守り代わりに持ってて」
タタミ「これから少し騒がしくなると思うけど、許してくれるかな? 『真衣』」
柊 真衣「うん。 それよりあれからの事いっぱい話して! 私、お姉ちゃんのお話聞きたいな♪」
  導きの園で『真衣』と別れてから、
  
  『DDD団』を創りたくさんの人を助けた事、
  『楽々』は相変わらずおバカをやっている事、
  
  『コージ』が親身になって家事を教えてくれる事、
  たくさんたくさん『真衣』に話した。
  
  そして、
  
  お盆に空の『ヒユイマギイナ』を置いて告げた。
  ・・・・・・明日、あの子に会う事を。

〇城の会議室
  決起の日、20XX年のその日へ、
  
  わたしたちは、用意した赤い飛空船で渡った。
  待ち構える『ルークおじさん』の前に、1人の少女が銀色のコイン
  
  『導きの園のパス』を持って駆け込んでくる。
柊 モカ「ボクを、ボクを過去に送ってくだしゃい!」
ルーク・バンデット「・・・いったい、何のマネだい『由香ちゃん』」
ルーク・バンデット「夜半過ぎにまた来なさい。 『家族』を起こさないように、ね」
ルーク・バンデット「・・・『由香ちゃん』 そう簡単に、歴史は変わらないよ」
  事実、
  
  『柊モカ』を過去へ送ることだけでは、歴史は大きく変わらなかった。
  おびただしい数の『ホーム』の無人機が壊れただけ。
  
  ・・・それだけに過ぎなかった。
  確定的に、この歴史を変えるには、
  
  ・・・わたしが『あの子』に会う事、
  
  それが、必要不可欠だった。

〇明るいベランダ
タタミ「なんと話したものか・・・」
「オジョウチャン、ナニカオナヤミデ?」
タタミ「す、 スバリナぁあああああああ!!」
スバリナ「オオキナコエダスト、アノコオキチャウヨ?」
タタミ「あっ、いけないいけない。 『スバリナ』生きてたんだね! どうして此処に? なんで?」
スバリナ「ソ、」
タタミ「そ?」
スバリナ「ソンナノ、カンケーNeーー!!!!」
タタミ「えぇぇぇぇぇ!」
スバリナ「ガンバレ、『タタミ』♪」
  そうだ。
  
  悩みなんて関係ねー!
タタミ「わたしは、 わたしたちはあの大戦を生き残った『化け物』だもの!」
(・・・ぅ、ぁは~~ぃ。どなた様ですかぁ)
タタミ「────先生、どうかわたしにチカラを貸して!」
タタミ「は、はじめまして!」
柊 なゆた「?」
  わたしは『世界を書き替える』ため話しかけた。
  
  黒き仮面をかぶって、道化に成って、
  この子を、
  
  ────『柊なゆた』を救う為に。
  𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮 for reading
  ────第2部へ続く?

次のエピソード:【第2部・犬っ子モカとナユタの日々】エピソード32『出会い』

コメント

  • はたして、なゆたちゃんを救えるのか⁉️(゚A゚;)ドキドキ
    もう第2部が楽しみで仕方ないよー((o(。>ω<。)o))ワクワク

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