親切から届いた恋

Kazunari Sakai

親切から届いた恋(脚本)

親切から届いた恋

Kazunari Sakai

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〇中規模マンション
  前川夕子の暮らすマンション

〇おしゃれなキッチン(物無し)
前川夕子「あ―寝坊しちゃった! お母さんゴメン。 今日、朝ごはんいらない」
前川敦子「はぁ? 何で?」
前川夕子「授業前に英語の補習。 遅れると先生に怒られるから 早めに行くわ」

〇市街地の交差点
  いつもより少し早めに
  家を出た夕子
  
  それが恋に落ちる
  きっかけになるとも知らずに

〇空
  メインテーマ
  
  ──親切から届いた恋──

〇広い改札
  東横線・横浜駅

〇駅のホーム
前川夕子(ここから渋谷・・・ この通学時間が 結構長く感じるのよね)
前川夕子(んっ? 外国人? 私に近寄って来てる?)
外人「excuse me (すみません)」
前川夕子(げっ!)
外人「is this train going to Shibuya? (渋谷に行くのはこの電車?)」
前川夕子(わあ── 苦手な英語か──)
外人「Do you speak English? (英語は話せますか?)」
前川夕子「I do not・・・」
前川夕子(そうだ! 翻訳アプリ)
前川夕子(ダメだ 使い方が・・・)
男性「if you take this train, you will go to Shibuya (この電車で渋谷に行くよ)」
外人「Thank you (ありがとう)」
  それが彼との出会い。
  一目惚れの始まり。
  
  ──そしてその日から──

〇中規模マンション

〇おしゃれなキッチン(物無し)
前川夕子「・・・行ってきます」
前川敦子「えっ? 今日も? いつまで補習なの?」
前川夕子「毎日・・・ 毎朝?」
前川敦子「はぁ? そんなに英語の成績が悪いの?」

〇広い改札
  あの日から彼と同じ車両に乗る為、
  通学時間を早めた夕子

〇電車の中
  少し離れた場所から見ているだけ
  
  
  それだけで心がときめく

〇大きな木のある校舎
  前川夕子の高校

〇教室
前川夕子(よし! また新しい英文法覚えたぞ)
木下美紀「夕子、おはよう。 また英語の勉強しているの?」
前川夕子「うん。 卒業までに少しでも英会話をマスター したいから」
木下美紀「愛しの彼に見習って? 彼の影響力って凄いよね」
前川夕子「彼と同じ車両に乗っているだけで、 今まで長く感じた通学時間も 短く感じるのよね」
木下美紀「私も見てみたいな そのナイト様・・・ 英語嫌いの夕子を、ここまで変えてしまうなんて」
前川夕子「それに彼。 とっても優しくて行動力もあるの」
木下美紀「付き合ってもいないのに 何で分かるのよ?」
前川夕子「この前 混んでいる車両に、 多摩川駅から 子供連れの妊婦さんが乗車してきたの」
前川夕子「そうしたら彼。 座っていた女子高生に、 席を譲ってあげて欲しいとお願いしたのよ」
前川夕子「普通出来ないよね。 私、感動したわ」
木下美紀「それは確かに なかなか出来ないね」
前川夕子「だから私も彼を見習って、 これからは思いやりを大切に出来る 女性になるの」
木下美紀「ここまで夕子を変えてしまうのか・・・ でも・・・ そんなに好きなら告白してみればいいのに」
前川夕子「そんな事。 恥ずかしくて言えないわよ。 私はこのままでいいの。 彼を見ているだけで十分幸せですから」

〇渋谷駅前
  渋谷駅
木下美紀「どの時間帯も人が多いね」
前川夕子「んっ? ねぇ美紀。 あのおばあさん何か困ってない?」
前川夕子「おばあさん。 何かお困りですか?」
おばあさん「孫のバイト先に届け物があって 横浜から出てきたけど、 私は背が低いから 人混みの中だと周りが見えなくて」
おばあさん「どっちに行けばいいのか。 バイト先の店名と住所は ここに書いてきたけど」
前川夕子「ここなら私分かりますよ。 一緒に行きましょうか?」
おばあさん「いいのかい? それは助かるわ」
木下美紀「ゴメン夕子。 私、塾の時間が・・・」
前川夕子「いいよ。 私一人で大丈夫だから」

〇渋谷の雑踏
おばあさん「お嬢ちゃん。帰る時間が遅くなるのに 申し訳ないね」
前川夕子「とんでもないです。私も一度行ってみたいお店でしたから、お気になさらないでください」
前川夕子「おばあさんも、帰りは横浜ですよね?」
おばあさん「ああ。孫に届け物渡したら すぐ帰るけど・・・」
前川夕子「それなら私も横浜だから、 一緒に横浜まで帰りましょう」
おばあさん「本当かい? それは助かるわ」

〇SHIBUYA109
前川夕子「おばあさん。 ここですよ」

〇試着室
前川夕子「えっ?」
  その洋服店にいたのは
  彼だった
おばあさん「春樹。 これ頼まれていた物」
高木春樹「おばあちゃん。 ありがとう」
おばあさん「渋谷駅で迷っていたら、 このお嬢ちゃんが 親切にここまで案内してくれて、 本当に助かったわ」
前川夕子「あの・・・ は・・・初めまして」
高木春樹「んっ? 初めまして? 朝、同じ電車だよね?」
前川夕子「えっ! 私の事知っているの?」
高木春樹「うん。 それに以前、 外国人に話しかけられて困っていたでしょ」
前川夕子「覚えていたの? 恥ずかしい」
おばあさん「偶然知り合いだったのかい? 世間は広いようで狭いねぇ」
おばあさん「帰りもお嬢ちゃんが横浜まで一緒に 連れていってくれるのよ」
高木春樹「それは助かるよ。 迷子にならないか心配だったから・・・ そうだ! 連絡先交換しようよ」
前川夕子「はい」

〇電車の中
  帰りの電車。
  おばあさんと会話していろんな事が分かった
  彼はおばあさんとご両親で
  同居している事
  現在大学一年生である事
  現在
  彼女はいない事

〇中規模マンション
  ──そして──

〇おしゃれなキッチン(物無し)
前川夕子「お母さん、行ってきます」
前川敦子「いってらっしゃい」

〇市街地の交差点
  今ではますます通学時間が
  短く感じる

〇広い改札
  その理由・・・
高木春樹「夕子ちゃん。 おはよう」
前川夕子「春樹さん。 おはよう」
高木春樹「行こうか」
前川夕子「うん」
  毎朝、彼と同じ電車で通学。
  彼から英会話を教わっている

〇駅のホーム
  そしてその日。
  夕子にとって忘れられない
  素敵な日となった
高木春樹「じゃあ 僕から英語で話すよ」
前川夕子「うん」
高木春樹「Will you be my girlfriend (僕の彼女になってくれませんか?)」
前川夕子「えっ? それって・・・」
  そのプロポーズで彼との
  付き合いが始まり
  東横線での通学が
  今ではジェット機で通学しているのかと錯覚している

〇プライベートジェットの中
  The end

コメント

  • うふふ、甘いです。偶然とか、運命とか、みんな好き。もう、今日はずっと電車でいいやん。

  • まさに胸キュン🥺✨ちゃんと初めましてじゃないって憶えていてくれたのが嬉しいですね😊それぞれの優しさがこうしてお互いを引き合わせてくれたのでしょう😌

  • 最初から最後までキュンキュンしっぱなしでした♪私も偶然の出会いから好きな人ができて、その人(私の場合は彼が日本語を話さない人だったので)と話したくて、英語の勉強すごくがんばってた時期があって、それを思い出して彼女の気持ちに共感。恋って毎日楽しくなるし、モチベあがるね。
    何度でも読みたいのでお気に入り登録しました。

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