読切(脚本)
〇渋谷のスクランブル交差点
リセ「あ、いたいた。サオリこっちこっち〜!」
サオリ「はいはい、来ましたよ」
サオリ「あんた「スクランブル交差点で待ち合わせ」って範囲広すぎるでしょ」
リセ「まあまあ、無事会えたんだし!」
サオリ「で、本当にやるの? 都市伝説」
リセ「もちろん! ここまで来てやんないとかあり得ないっしょ!」
〇教室の教壇
リセ「ねえねえ知ってる? 『渋谷都市伝説』」
サオリ「なにそれ?」
リセ「あのね・・・スクランブル交差点に誰もいない時間・・・」
リセ「中央に立ってまじないを唱えると・・・」
サオリ「・・・唱えると?」
リセ「願い事がひとつ叶うの!」
サオリ(アホらしいな・・・)
リセ「あー! 信じてないでしょ!」
サオリ「信じないでしょ普通。 信じていいのは小学生までだよ」
リセ「・・・・・・・・・」
リセ「確かめよう」
サオリ「は」
リセ「やってみればいいんだよ! よし! 今晩! 決定!」
サオリ「は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
〇渋谷のスクランブル交差点
サオリ(私も来ちゃうんだもんなぁ)
サオリ「あんた、こんな夜中に出かけて何も言われないわけ?」
リセ「寝たフリして窓から出てきたもん」
リセ「ベッドの中にぬいぐるみ仕込んで、バッチリ!」
サオリ「ああ、そう・・・」
サオリ「でもリセの家、アパートじゃなかったっけ? 一階じゃないよね?」
リセ「そんなの、ちょちょいのちょいよ!」
サオリ(身体能力の無駄遣いだな・・・)
リセ「そう言うサオリは?」
サオリ「なんとかそれっぽい理由つけてきたよ・・・」
リセ「さすが! 頭の良いサオリ!」
サオリ「こんなことに使いたくないわ・・・」
リセ「あ! 人少なくなってきた!」
サオリ「青信号じゃないとやらないよ私」
リセ「あいかわらず真面目ちゃんだねぇ オッケーオッケー」
「・・・・・・・・・・・・・・・!」
サオリ「今じゃない?」
リセ「よーし! レッツゴー!」
〇SHIBUYA109
リセ「バッチリ!」
サオリ「で! まじないは?」
サオリ「忘れたとか言わないよね?」
リセ「・・・・・・・・・・・・」
リセ「こんなこともあろうかと、ちゃんとメモしてきたのです! 偉すぎる!」
サオリ(暗記してこいよ・・・)
リセ「一緒に言うよ!」
サオリ「オッケー、せーのっ」
「ンチャイジオ、ンチャイジオ 私の願いを叶えてください!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
サオリ「!?」
謎のおじいさん「・・・・・・・・・・・・」
謎のおじいさん「願いを言え──」
リセ「え、誰?」
謎のおじいさん「願いを──」
リセ「何このジジイ・・・」
リセ「どっか行ってくんないかな・・・」
サオリ「ちょっ!」
謎のおじいさん「・・・・・・」
謎のおじいさん「その願い、叶えよう」
「あっ!」
リセ「消えた・・・」
リセ「・・・あれ? 願い事は?」
サオリ「叶えてくれたじゃん・・・」
リセ「え?」
サオリ「『どっか行ってくんないかな』って」
リセ「え!? えぇ!?」
サオリ「良かったね、リセ」
リセ「ちょっ、ちょっと待ってよ〜!!」
〇教室の教壇
リセ「あーん せっかくの願い事が・・・ おじいちゃーーーーーん!!!!」
クラスメイト「なにあれ? どうしたの?」
サオリ「ほっといてあげて」
サオリ「大人の階段をのぼってる最中だから」
サオリ「『人に優しくする』という大人の階段をね」
──ン チャ イ ジ オ
──オ ジ イ チャ ン
それは、おじいさんを呼び出す渋谷の魔法
セリフの掛け合いが絶妙でした。あっ、ボケとツッコミが確立されてる。ラストで放置プレイ、読者にツッコミを入れさせるのかと、初感覚で、おもしろか。
「都市伝説ってどんなのだろう?」と思ったら、
ホラー系ではなくほっこり系でストーリーもとても面白かったです😊🙌
途中のお願いごとのシーンでこちらも「あっ」となりました笑
あっという間にテンポよく読み終えてしまいました!願い事勿体なかったなー。でも純粋で子供のような女子高生と放っておけないお友達の優しさの掛け合いが面白かった!