耽美のアルテ

胡林

第十一話「純愛。だよ」⑦(脚本)

耽美のアルテ

胡林

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〇結婚式場の前
ルック「たった一人の・・・番(ツガイ)」
ルック「それって」

〇黒
  この世でたったひとり
  運命の人

〇結婚式場の前
ルック「シャモジ──」


〇結婚式場の前
ルック「・・・」
ネコニキ「つまりアレか──」
ネコニキ「青くさい言い方をすりゃぁ」
ネコニキ「赤い糸で結ばれた相手ってことだよな?」
ナオトラ「まあ、そういうことじゃの」
ナオトラ「どうじゃ、小娘?」
ナオトラ「そちには難しいかのう?」
三雨 (ササメ)「おい、ガキんちょ!」
三雨 (ササメ)「もうその辺の適当なヤツでいいから──」
三雨 (ササメ)「ソイツを運命の人に決めろ!」
ネコニキ「それじゃ、ダメらしいぞ」
ネコニキ「とはいえ」
ネコニキ「運命の人なんて、そうそう・・・」
ガムテ「シャモジのことではないのか?」
ガムテ「愛しているのだろう?」
ガムテ「彼のことを──」
ルック「えっ!」
ルック「あ・・・」
ルック「えと・・・」
ルック「・・・・・・・・・」
ガムテ「・・・違うのか?」
ルック「・・・わからない」
ルック「余は男だから──」
ルック「男と男が愛し合ってよいものか・・・」
ネコニキ「おいおい、ナニ言ってんだ」
ネコニキ「この世界で、んなこと言ってたら──」
ネコニキ「身がもたねぇぞ?」
三雨 (ササメ)「そーだそーだ」
三雨 (ササメ)「恋の歌で詠まれてんだぜ?」
三雨 (ササメ)「おしべとおしべ」
三雨 (ササメ)「シャンゼリゼ」
三雨 (ササメ)「ってなぁ!」
ガムテ「私は、めしべだが」
ガムテ「めしべが好き」
  『半径500メートル』
ルック「でも・・・余は男だから・・・」
ルック「男・・・だから・・・」
ルック「・・・」
三雨 (ササメ)「・・・」

〇黒
  シャモジがもし
  余の想いを知ったなら──
  受け入れて・・・くれるだろうか?

〇結婚式場の前
ナオトラ「はい、そこまで!」
ナオトラ「では、そろそろ──」
ナオトラ「帰ろっ、ダーリン」
三雨 (ササメ)「ヤダッ!」
ナオトラ「帰ってすぐ──」
ナオトラ「結婚式・・・しよ?」
ネコニキ「絶対ダメッ──!!」
ナオトラ「ガムテさん・・・」
ナオトラ「わっち、あなたのこと・・・」
ガムテ「来ないでッ──!!」

〇結婚式場の前
ナオトラ「あー、メンドウじゃのう」
ナオトラ「・・・」
ナオトラ「うむ」
ナオトラ「うぬら全員まとめて──」
ナオトラ「純愛ワールド」
ナオトラ「キメたるわい」
  まっ────!?
ルック「余もッ!?」
ネコニキ「おいおい、待て待て!」
ネコニキ「せめて・・・一人ずつで」
ネコニキ(その隙に逃げよう)
ナオトラ「ほぉー、趣向を凝らすか?」
ナオトラ「よかろう」
ナオトラ「10秒。待ってやる」
ナオトラ「ヨーイ、ドン。で」
ナオトラ「逃げ切れたら──」
ナオトラ「見逃してやるえ」
ネコニキ「逃げ切るって・・・」
ネコニキ「射程距離500メートルをかッ!?」
ナオトラ「位置についてぇ──」
ルック「受けて立つぞ!」
ルック「かけっこはクラスで10位以内だった!」
  ※ 1クラス 15人学級
三雨 (ササメ)「あ゛ぁ゛ッ!!」
三雨 (ササメ)「俺さんのカラダ、どーすんだよ!?」
三雨 (ササメ)「耽美なフォルムの〜」
三雨 (ササメ)「すももの匂いがするカラダ」
  ※ 抜け殻
「梱包のパワー!」
ガムテ「これで持ち運べる!」
  便利ぃ──!
ナオトラ「ヨォーイ・・・」

〇黒

〇城門の下
  10
ネコニキ「500メートルぅ──!!」
  8
ルック「あ゛ぁ゛ッ──!?」
  ※ 古典的バナナトラップ
三雨 (ササメ)「引っかかってやんの〜」
  6

〇巨大な城門
ネコニキ「猫のカラダなら逃げ切れるぅ──!!」
  5
ガムテ「ちょ、誰か手伝って!」
  4
ルック「そんなモノは捨てよッ!」
三雨 (ササメ)「あ゛ぁ゛ッ──!?」
  3

〇結婚式場の前
ナオトラ「2」
ナオトラ「1」
ナオトラ「時間切れ」

〇ファンタジーの学園
ルック「────!!」

〇ファンタジーの学園
ナオトラ「ふふっ」
ナオトラ「残念でした」
ルック「あぁ・・・」
ネコニキ「ここまでか・・・」
ナオトラ「致死量の──」
ナオトラ「愛をくらえッ!」
ナオトラ「純愛のパっ──」

〇黒

〇ファンタジーの学園
ナオトラ「ッ──!?」
ナオトラ「あッ!」
ナオトラ「・・・」
ナオトラ「来おったか」
ヤタラ「ごきげんよう」
ルック「姉上──!?」
ナオトラ「・・・ヤタラ」
ヤタラ「随分、久しぶりですのに」
ヤタラ「挨拶も無いなんて──」
ヤタラ「ツレないのね。ナオトラ」
ナオトラ「・・・」
ルック「姉上と知り合いなのか?」
三雨 (ササメ)「よっしゃ!」
三雨 (ササメ)「今のうちにトンズラすっぞ!」
ネコニキ「おうよ!」
ナオトラ「あっ!」
ナオトラ「逃げるなっ!」
ヤタラ「わたくしを前にして」
ヤタラ「よそ見ですの?」
ヤタラ「死ぬぞ?」
ナオトラ「ちぃぃ・・・」
ナオトラ「・・・」
ナオトラ「ヤタラ」
ナオトラ「そちに話なぞ、無い!」
ナオトラ「邪魔をするなッ!」
ヤタラ「話・・・?」
ヤタラ「そんなもの」
ヤタラ「わたくしも、ありませんわ」

〇黒

〇ファンタジーの学園
ナオトラ「くッ!」
ナオトラ(重いッ──!?)
ヤタラ「ここは、女の子らしく──」
ヤタラ「おままごと(シバキ合い)」
ヤタラ「しようぜ?」
ナオトラ「・・・」
ナオトラ「是非もないッ──!!」

〇黒

〇洋館のバルコニー
「姉さんッ!」
「無理無理!絶対無理だって──!!」
「おだまり!」

〇貴族の応接間
ミオ「今こそ、オトコになる時!」
タツモト「意味わかんないよ」
タツモト「なんで・・・」
タツモト「僕が女装しなきゃいけないんだッ!」
ミオ「なぜって?」
ミオ「カワイイから」
タツモト「はぁ?」
ミオ「ナオトラを退けるには、戦力が足りないの」
ミオ「耽美な男の娘なら──」
ミオ「魔法が使える」
タツモト「女王さまって」
タツモト「ナオトラより強いんでしょ?」
タツモト「もう、あの人ひとりでよくない?」
ミオ「たしかに」
ミオ「女王様のフィジカルは化け物──」
ミオ「でもパンツ破けるから」
ミオ「そしたら負け。わかるわね?」
タツモト「いやいや」
タツモト「だからって、僕が女装しても──」
ミオ「早く脱ぎなさい!」
タツモト「姉さん!」
ミオ「まずはムダ毛処理から──」
  ※ 肌に優しい4枚刃

〇洋館のバルコニー
「嘘・・・」
「ムダ毛が・・・ないッ!?」
「何よこの肌・・・」
「ゆでたまご──!?」
  逸材じゃん(耽美の)

〇黒

〇結婚式場の廊下
ナオトラ「くぅ・・・」
ヤタラ「ふん」
ヤタラ「あなた本体じゃないのね」
ヤタラ「弱すぎますわ」
ナオトラ「・・・」
ヤタラ「なにか言いたいようね?」
ヤタラ「よろしくてよ?」
ヤタラ「言ってあそばせ?」
ナオトラ「・・・やはり」
ナオトラ「わっちを恨んでおるのだろう?」
ヤタラ「え?」

〇海沿いの街
  カガ王国が
  MATOに攻め落とされた時──

〇城壁
  カマクラ幕府は──
  わっちは・・・!
  馳せ参じなかったッ──!!

〇結婚式場の廊下
ナオトラ「見捨てた・・・!」
ヤタラ「・・・」
ナオトラ「だから!」
ナオトラ「恨んでおるのだろうッ──!!」
ヤタラ「ナオトラ・・・」
ナオトラ「くぅぅぅ──!」

〇黒

〇王宮の広間
ルック「ネコどの!」
ルック「このまま逃げるだけでは──」
ルック「オトコが廃るぞ!」
ネコニキ「確かにな・・・」
ネコニキ「うん」
ネコニキ「ササメよ!」
ネコニキ「方陣展開はできないか!?」
三雨 (ササメ)「ナメんなよ、コラ」
三雨 (ササメ)「キメるぜ?」
三雨 (ササメ)「方陣展開ッ!」
ルック「おおっ!」
ネコニキ「キタキタキタ──!」
  超耽美・バナナミルク
  たっぷり生乳85%(意味深)
三雨 (ササメ)「・・・」
ネコニキ「他の・・・耽美道具は?」
三雨 (ササメ)「これ(ミルク)しか・・・」
三雨 (ササメ)「でないよ?」
ルック「これ、余がもらっていいかな?」
三雨 (ササメ)「いいよ?」
ネコニキ「もうダメだぁ」
ルック「イッキまーす!」
ルック「くぅ──」
ルック「鮮度ッ!」
ルック「ささ、ネコどの──」
ルック「ボナペティート!」
ネコニキ「俺は飲まねぇぞ?」
ネコニキ「なんかヤダ」
ルック「ネコどの、案ずるな」
ネコニキ「え?」
ルック「男の娘なら、いるではないか!」
三雨 (ササメ)「コイツはダメだろ──」
三雨 (ササメ)「耽美業界をナメてやがる」
ルック「お兄様ヒドイ!」
ルック「余だって──」
ルック「毎日、柳腰トレーニングしてます!」
ネコニキ「確かに・・・」
ネコニキ「今はネコの手も借りぇってヤツだ──」
ネコニキ「よし!」
ネコニキ「耽美の使い方を──」
ネコニキ「教えてやるッ!」
ルック「うむ!」

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