nooM ehT

ピーター

不思議の開幕(脚本)

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語り部「皆さんは幽霊が存在すると思いますか?」
語り部「大半の方は「信じない」と答えるでしょう」
語り部「幽霊の姿を見たり、声を聞いたりしない限り想像が出来ないですからね」
語り部「先程の質問に「信じる」と答えるのなら、何か思い当たる節があるのではないでしょうか」
語り部「一説によると、幽霊は生きていた頃の願いを叶えられたら安心して成仏するそうです」
語り部「しかし、誰かが幽霊を認知しなければ願いを叶えるのは困難を極めます」
語り部「今のも、もしかしたら・・・・・・」

〇動物園の入口
ショウイチ(うっ・・・・・・覚悟はしていたのに、どうして涙が・・・・・・)
ショウイチ(お前とステージに立てない。そう想うと・・・・・・!)
ショウイチ(でも、これは政府が決めた事だからな・・・・・・)
エミ(団長さん・・・・・・)

〇荒廃した国会議事堂の大講堂
  20××年、日本国内のサーカスに規制が設けられる。
  海外では動物をサーカスの見世物にしてはいけない、というルールが早々に決められていた。
  しかし、かつての日本はライオンやトラ、ゾウなどの調教及び特技の披露については規制されていなかった。
  「日本は海外と同じく、法規制をするべきだった」
  そう語るのは、ある事件の被害者である。

〇大きい交差点
  全国のサーカス会場から、動物が脱走し町に放たれるという事件が多発。
  ライオンに襲われ負傷した男性。先程の発言の張本人だ。
  この事態を重く受け止めた日本政府は、各地のサーカスに通達した。
  サーカスで飼っている生物を動物園に寄贈しなければ営業禁止にすると。

〇動物園の入口
  そんな理由で、このシルクハットの男・・・・・・ショウイチは愛していたライオンを動物園に寄贈せざるを得なかったのである。
飼育員「我々が責任を持って預かります」
飼育員「何かありましたら連絡しますので。それでは」
ショウイチ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ「・・・・・・これから俺はどうしたら良いんだ」
エミ「大丈夫です。団長さんに出来る事がまだある筈です」
エミ「私はまだ見習いで、至らぬ点が沢山ありますが・・・・・・」
エミ「それでも、サーカス団に入団して良かったと思うんです」
ショウイチ「本当か?」
エミ「ええ。だから一緒に考えます。今出来る事を」
ショウイチ「ありがとう、エミ・・・・・・」

〇トラックのシート
ラジオ「続いてのニュースです。またもや猫の死体が発見されました」
ラジオ「警察によると、複数の刺し傷が確認されたという事で同一犯による犯行として捜査を進めています」
ラジオ「今年に入って猫の他にも、犬や兎の死体を発見したという通報が相次いでいます」
ショウイチ「また猫殺しの事件か・・・・・・」
エミ「猫の命を奪うなんて、本当に許せませんね」
ショウイチ「一体何が面白いのか、さっぱり分からん」
ショウイチ(と言ってみたけど今の世間から見れば、俺は人を批判して良い立場じゃないんだよな・・・・・・)

〇野営地
ショウイチ(一旦、ベッドの上で横になるか)
ショウイチ(疲れたし・・・・・・)
ショウイチ「エミ、俺は仮眠を取ってくるよ」
エミ「分かりました。他の団員にも伝えますね」
ショウイチ「明日はエミが小学校で手品を披露するんだよな」
エミ「はい! お祖父様から教わったとっておきの手品で、皆を笑顔にしてみせます!」
ショウイチ「それは楽しみだな。期待してるぞ」
エミ「頑張ります!」

〇テントの仮眠エリア
「誰!?」
ショウイチ「ここはサーカス団専用の仮眠エリアだぞ。関係者以外の人間は帰ってくれ!」
ルナ「ひぃっ、ごめんなさい・・・・・・。彷徨っていたら丁度ベッドを見つけて・・・・・・」
ショウイチ「ほらほら、分かったら外に」
ルナ「ま、待って!」
ショウイチ「何だ?」
ルナ「私の姿が・・・・・・見えるの?」
ショウイチ「見えているが?」
ルナ「良かった! 私の姿が分かる人に会えて!」
ショウイチ(意味が分からんぞ。何故俺にそんな質問をしたんだ?)
エミ「・・・・・・団長さん? 仮眠を取っていたのでは?」
ショウイチ「エミ!? 丁度良いところに来てくれた!」
ショウイチ「今、ここに不審者が居るんだ。ほら、ここに」
エミ「え? 私と団長さん以外に誰も居ませんよ」
ショウイチ「ええっ・・・・・・!?」
ショウイチ(エミには見えていない・・・・・・だと?)
ショウイチ(この白い髪の女・・・・・・。もしや彼女は・・・・・・)
ショウイチ(幽霊・・・・・・?)
ショウイチ「あー、すまん。どうやら俺の勘違いみたいだ」
ショウイチ「心配させて悪かった」
エミ「・・・・・・そうですか」
ショウイチ「君は幽霊なのか?」
ルナ「うん」
ショウイチ「何でうさ耳なんか付けてるんだ?」
ルナ「これは付け耳じゃないから」
ショウイチ「は?」
ルナ「私は兎の幽霊だよ」
ショウイチ「兎・・・・・・!?」
ショウイチ(人間の幽霊じゃないだと・・・・・・?)
ショウイチ(ん、待てよ。兎って・・・・・・)

〇トラックのシート
ラジオ「今年に入って猫の他にも、犬や兎の死体を発見したという通報が相次いでいます」

〇テントの仮眠エリア
ショウイチ「・・・・・・もしかして誰かに殺されたのか?」
ルナ「・・・・・・・・・・・・!!」
ルナ「どうして分かったの?」
ショウイチ「ニュースで知ったんだよ。兎や他の動物が殺されているって・・・・・・」
ショウイチ「君もその中の1匹だったんだな」
ルナ「・・・・・・はい」

〇川沿いの原っぱ

〇テントの仮眠エリア
ルナ「あの夜の事を思い出すと、体を刺された時の痛みが・・・・・・」
ルナ「暗くて誰に刺されたのかも分からなくて、怖くて・・・・・・」
ルナ「う、うっ・・・・・・」
ショウイチ(さっき、この子は「彷徨ってる」って言ってたな・・・・・・)
ショウイチ(成仏出来なくて困ってるんだろう)
ショウイチ「なぁ、兎の幽霊」
ルナ「・・・・・・・・・・・・?」
ショウイチ「俺が犯人を突き止めてやろうか?」
ルナ「・・・・・・・・・・・・!」
ショウイチ「俺も動物を扱う人間だからなのか、今回の事件を見過ごす訳にはいかないんだ」
ショウイチ「君も犯人がどうして動物を殺すのか、理由が知りたいだろう?」
ルナ「うん・・・・・・」
ショウイチ「ならば協力する」
ルナ「うん、ありがとう」
ルナ「名前を言うのが遅くなったけど、私の名前はルナ」
ルナ「ルナって名前と誰かに殺された事しか、覚えていないけど・・・・・・」
ルナ「どうか、私を月に。お願い」
ショウイチ「分かったぞルナ。俺の名前はショウイチ。よろしくな」

〇野営地
エミ(・・・・・・団長さん、やっぱり疲れてるのかな?)
エミ(こうなったら明日のイベント、絶対に成功させないと!)

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コメント

  • ひどい…😭💦動物大好きなので許せないです💦団長絶対成仏してくれそうな方で続きも安心して楽しみです🥰✨💕ピーターさんの立ち絵のお二人可愛いです〜!

  • 感想: 「nooM ehT」は舞台が近未来の日本で、サーカスで動物を扱う行為が禁止されたという設定のミステリー作品です。幽霊や事件の謎が絡み合っていて、読み進めるうちにどんどん引き込まれました。主人公のショウイチと幽霊のルナの関係性も興味深く、彼らが事件の真相を解明する姿に感動しました。ストーリーの展開もスリリングで、一気に読み進めてしまいました。ミステリー好きな人にはぜひおすすめしたい作品です。

  • 物語世界の設定が面白く、すぐに心惹かれました✨
    散りばめられた謎や疑問要素が、これからどのように明かされ結びついていくのか楽しみです😊

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