最終話(第十六話 )「揚花火 瞼伏せ手に いちご飴」(脚本)
〇花火
「金輝海上花火大会」
1949年から続く
歴史ある花火大会
毎年7月第三金曜日
19:30~20:30に行われ
特に花火大会のフィナーレ
「五月雨撃ち」は
夜空を埋め尽くすほど広く
海で打ち上がった
花火の音と共に
いつまでも訪れた
人の心に響き渡る──
ご家族、ご友人をお誘い合わせの上、
ぜひご来場ください
”金輝海上花火大会実行委員会”
〇学生の一人部屋
俺はできる!
俺は止まらない!
俺は、今日──
『告白』する!
古林 一咲(こばやし いっさ)「気合い入れ完了!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「よし!行くぞ!!」
〇白い校舎
〇教室
海野 桃(うみの もも)先生「みんなー、素敵な夏休み過ごしてねー!」
高校生「やったー!さぁー、遊びまくるぞー!」
高校生「帰って浴衣の準備しなきゃ」
海野 桃(うみの もも)先生「一咲君、追試験開始まで少し待っててね」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「良かったねぇ、追試になってぇ」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「本当なら有無を言わさず、 夏休みに補習だもんねぇ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「海野先生と山田先生が 考慮してくれたみたいでさ・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・ありがたいね」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「一咲君、先に行ってまってるよぉ」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・頑張って」
古林 一咲(こばやし いっさ)「オッケー、翔!!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ここは気合い入れないとね!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「夏休みの思い出が、 補習だけにならないためにもな」
与謝野 恋(よさの れん)「マジメに勉強してる一咲なら大丈夫でしょ」
与謝野 恋(よさの れん)「遅すぎたら一咲の奢りで 全員の”いちご飴”買ってもらうからね」
古林 一咲(こばやし いっさ)「な、何ぃ?」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「あはは・・・!わかりやすい様に 制服のままでいるねー」
与謝野 恋(よさの れん)「じゃあ、先行ってるから」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・待ってるよ一咲」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「よっ!相棒!追試頑張れよ!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「じゃあ、終わったら連絡くれな」
古林 一咲(こばやし いっさ)「向かう前に連絡するよ!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「ほな、いくわ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・あ、哲也!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ちょっとまて、話が・・・」
〇学校の廊下
一咲『哲也!』
三鷹 哲也(みたか てつや)「どないしたんや!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「お前に頼みがある!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ヒソヒソ・・・(小声)」
三鷹 哲也(みたか てつや)「な、何ぃ──!?」
三鷹 哲也(みたか てつや)「恋ちゃんと二人きりになる時間が 欲しいだと──!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ば、ばか!!声が大きいよ!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「す、すまん・・・、ということは──」
三鷹 哲也(みたか てつや)「覚悟したんやな一咲」
古林 一咲(こばやし いっさ)「コクリ(頷く)」
三鷹 哲也(みたか てつや)「わかった・・・、翔にも頼んでおく!」
三鷹 哲也(みたか てつや)(しかし一咲から人に頼むなんて)
三鷹 哲也(みたか てつや)(あの日から随分変わったな)
古林 一咲(こばやし いっさ)「ありがとう哲也、 詳しいことはPINEで送るよ」
海野 桃先生『一咲君、
そろそろ教室に戻ってねー』
古林 一咲(こばやし いっさ)「じゃあ頼んだぞ──」
三鷹 哲也(みたか てつや)「え?え?え・・・、嘘やろ・・・!?」
三鷹 哲也(みたか てつや)「一咲の奴──、今『相棒』って・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)(あいつ・・・)
三鷹 哲也(みたか てつや)「ハ、ハハハ・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「アハハハハ────!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「よっしゃー!任せとけよ一咲────!!」
〇教室
古林 一咲(こばやし いっさ)「チラッ・・・!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「桃先生、終わりました!」
海野 桃(うみの もも)先生「うん!全教科お疲れ様でした!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「もう帰っていいんでしょうか?」
海野 桃(うみの もも)先生「うん、大丈夫だよ! 今日は花火大会行くんでしょ?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「はい!三鷹達と一緒に」
海野 桃(うみの もも)先生「屋台も出て楽しいでしょうね!羨ましい!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「桃先生も行けばいいじゃないですか」
海野 桃(うみの もも)先生「えへへ・・・、 先生、満員電車とか苦手でね」
海野 桃(うみの もも)先生「あと方向音痴で迷子になっちゃいそうで」
海野 桃(うみの もも)先生「いつも部屋から見てるんだけなんだ」
海野 桃(うみの もも)先生「この歳では、 誘ってくれる人もいなくて・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そうなんですね・・・」
海野 桃(うみの もも)先生「ごめんごめん! 思わず愚痴っちゃって・・・」
海野 桃(うみの もも)先生「さぁさぁ、 私の事はおいといて早く行かないと」
古林 一咲(こばやし いっさ)(この後、山田先生が 駐車場で待ってる約束)
古林 一咲(こばやし いっさ)(もしかしたら・・・)
古林 一咲(こばやし いっさ)「桃先生!少しだけ待っていてくれませんか?」
海野 桃(うみの もも)先生「は、・・・はい?」
〇備品倉庫
── 花火大会前日 ──
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「!?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「どうした一咲、こんなとこ呼び出して?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生・・・、俺・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「花火大会の日に・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「────スゥ(息を吸う)」
古林 一咲(こばやし いっさ)「恋に告白します!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「な、な、なにぃ──!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「今度の花火大会で 恋に好きだって伝えますんで!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「お、おう・・・、 なんでまた俺に言うんだ・・・?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「理由は二つあります」
古林 一咲(こばやし いっさ)「一つは、その日に追試験があるので 早く終わらせてもらいたいということ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「もう一つは・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生は恋の親代わりだから・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「マジメに報告したかったんです」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「────」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「俺が恋の親代わりってこと 覚えてくれてたんだな・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「あー、そうだな・・・先に伝えとくが」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「こういうのって 付き合う事になって言いに来るんだぞ」
古林 一咲(こばやし いっさ)(ええっ!・・・またやらかした)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「まぁ、そこもお前らしいな」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「結果はどうであれ」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「俺はお前が恋の彼氏になったら 嬉しいなと思ってる」
古林 一咲(こばやし いっさ)「先生・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「もう一つの追試験の件だが」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「これは俺の一存で 早く終わらせることはできない」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そうですよね・・・仕方ない・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「その代わり追試験が終わったら」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「俺が近くまで車で送ってやるから 終わったら駐車場にこい」
古林 一咲(こばやし いっさ)「本当ですか! ありがとうございます!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「では当日お願いします!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「ふぅ・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「若いって・・・、いいな・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(そうか・・・、恋に告白か・・・)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「────」
〇学校の下駄箱
〇体育館の外
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「おう!一咲か!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「んんー、ゴホン! 少し早いけど出発するか?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生・・・、 お願いがあるんですけど・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「俺の他もう一名だけ 同乗者増やしていいですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「え?ああ、まぁかまわないが・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ありがとうございます! 呼んできますね!」
〇高速道路
海野 桃(うみの もも)先生「突然すいません・・・」
海野 桃(うみの もも)先生「花火見たさに山田先生に甘えちゃって」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「い、いえ!全然いいんですよ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「桃先生は 花火大会に近くで見たことないって聞いて」
古林 一咲(こばやし いっさ)「見れるキッカケが出来ればと」
古林 一咲(こばやし いっさ)「強引に山田先生に頼んだら」
古林 一咲(こばやし いっさ)「快くOKを出してもらえたんです!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「良かったですね桃先生!」
海野 桃(うみの もも)先生「うん!一咲君、ありがとうね」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(本当に、ありがとうだぜ一咲・・・)
古林 一咲(こばやし いっさ)「俺は途中から 桃先生と別行動になります」
古林 一咲(こばやし いっさ)「花火大会に女性一人は危ないので」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生・・・、 桃先生を守ってあげて下さい」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「当たり前だ! 命にかけて海野先生を守ってみせる!」
海野 桃(うみの もも)先生「は、はい、お願いしま・・・す・・・」
〇混雑した高速道路
「山田 山東火『ここを降りたら すぐ着くんだが・・・』」
「海野 桃『覚悟してましたが やっぱり混んできましたね』」
「古林 一咲『先生・・・、 料金所でたら俺降りていいですか?』」
「古林 一咲『走って行こうと思うんです』」
「山田 山東火『料金所からでも 走ったら30分はかかるぞ』」
「古林 一咲『かまいません!』」
「山田 山東火『20時には着くから そのまま乗ってたらどうだ?』」
「海野 桃『うんうん、 道も分からないだろうし』」
「古林 一咲『俺、前にも 走ってた事あるんで大丈夫です!』」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「うーん・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(一咲は頑固な程 言うこと聞かないからな・・・)
〇空港の滑走路(飛行機無し)
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生ありがとうございました!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「気をつけていけよ!」
海野 桃(うみの もも)先生「急いでケガしない様にね!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山田先生・・・ 俺、結果はどうであれ頑張るよ」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「俺が背中を押してやる!頑張れよ!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ありがとうございます! 気合い入りました!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「──」
古林 一咲(こばやし いっさ)「先生達も・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「俺と同じように」
古林 一咲(こばやし いっさ)「恋愛、頑張って下さいね!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「では花火打ち上がってるので行きますね!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「な、!!」
海野 桃(うみの もも)先生「え、えっ!!」
「一咲『山田先生──、桃先生──!!』」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「あいつ急に何を・・・!!」
一咲『二人とも──、
お似合いの恋人同士に見えますよ──!!』
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(馬鹿野郎、何もこんな時に・・・)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(いや・・・)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(まさか一咲!? 車乗る前からコレを狙ってたのか?)
海野 桃(うみの もも)先生「もー、大人をからかって・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「────」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(どんな結果になってもか・・・)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生(背中を押したつもりが 逆に一咲に押されてたとはな・・・)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「────」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「──ヨシっ!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「え──、あの──」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「海野先生!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「花火会場に着いたら」
海野 桃(うみの もも)先生「・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「大切なお話があります」
海野 桃(うみの もも)先生「は、はい・・・」
「・・・・・・ ・・・・・・」
〇裏通りの階段
一咲『今から30分で着く予定』
一咲『哲也と翔それぞれに買物を頼む』
一咲『詳しい内容は個別PINEで送る』
〇川沿いの公園
三鷹 哲也(みたか てつや)「おっ!一咲からのPINEがきた!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「ん?なんかお願いが書いてあるな ・・・ふむふむ」
三鷹 哲也(みたか てつや)「翔・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「コクリ(頷く)」
三鷹 哲也(みたか てつや)(始めるか・・・)
三鷹 哲也(みたか てつや)「何ぃ──!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「一咲の奴、もう少し時間がかかるから」
三鷹 哲也(みたか てつや)「コーラレモネード買っておいてだって」
三鷹 哲也(みたか てつや)「お詫びに人数分奢るって言ってる・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「絵美ちゃん悪いけど付き合ってくれる?」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「うん、いいよ!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「じゃあ、例のベンチで集合な!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「みんな、また後でね」
与謝野 恋(よさの れん)「いってらっしゃい!」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「お願いするねー!」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・僕のPINEにも指示が書かれている」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・あれ?」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「どうしたの翔君?」
松尾 翔(まつお しょう )「一咲君からお詫びのメッセージと・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「わたがしを奢るから人数分 買っておいてって・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「僕1人じゃ持てないから・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「時坂さん・・・ 一緒に来てくれないかな・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「うーん、でも恋ちゃんが 1人になっちゃうし・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「大丈夫だよ、ベンチで待ってるから」
松尾 翔(まつお しょう )「ありがとう・・・、すぐ戻るね・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「何かあったら電話してね」
与謝野 恋(よさの れん)「────」
与謝野 恋(よさの れん)(・・・私もお腹空いたし いちご飴でも買いに行こうかな)
〇神社の出店
露店のオヤジ「はい!コーラレモネード6つ! こぼさないようにな!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ありがとう! 今日の屋台の中で一番イケオジだね!」
露店のオヤジ「オホッ!嬉しい事言ってくれるね! 特別にオマケをあげるよ!」
露店のオヤジ「特別キーホルダー1個!限定品だぞ!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「こ、これって・・・!!」
露店のオヤジ「遠慮すんな、 可愛い子には今年から全員あげてんだ」
「露天のオヤジ『ダァー、ハッハハハ──!!』」
三鷹 哲也(みたか てつや)「全員にあげてるだって・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「特別な物では、なくなったんか・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ううん、違うよ哲ちゃん!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「数は多くても 今日コレをもらった記憶は」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「二人だけの特別な記憶になるじゃん」
三鷹 哲也(みたか てつや)「ほんまにそのとおりや・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ねぇ、哲ちゃん知ってる?」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「こ、このキーホルダーってさ ”運命の星”って言う人がいてて」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「持ってると恋人と巡り会うんだって・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「あの・・・私・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「私・・・、 哲ちゃんに伝えたい事があるの・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「おふざけ無しで聞いてくれる?」
三鷹 哲也(みたか てつや)(絵美ちゃんと2人で 買い物に行く指名をしたのは)
三鷹 哲也(みたか てつや)(一咲のやつ、 こうなるのを考えていたんか)
三鷹 哲也(みたか てつや)(”恋のカタチを作る”んや!って 偉そうに言ってだけど)
三鷹 哲也(みたか てつや)(今になってブーメランの様に 返ってくるなんてな)
三鷹 哲也(みたか てつや)(俺も一咲のように マジメに恋心と 向き合わなあかへんかもな)
三鷹 哲也(みたか てつや)「────」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「えーっと、哲ちゃん、 ど、どうかな・・・?」
三鷹 哲也(みたか てつや)(ええ機会や・・・ もう、はぐらかすのはやめよう)
三鷹 哲也(みたか てつや)「わかった・・・、 ちゃんと聞かせてくれる?」
〇お祭り会場
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「うわー、夜の屋台って初めて!」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・ぼくも」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「翔くん、チョコバナナ買って食べよう! 後、ソフトクリームにフランクフルトぉ!」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・う、うん」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「美味しい──!パクパク!」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「うっ!ゴホッ!ゴホッ!」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・大丈夫?ちょっと座って休もう」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「う、うん・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・ゴホッ!」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「ごめんなさい、はしゃぎすぎちゃって」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・僕も初めての事ばかりで」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・テンション上がってる」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「そうなの?じゃあ一緒だねぇ!」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・うん!」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「──」
松尾 翔(まつお しょう )「と、時坂さん・・・、 なんかあった?」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「えっ、えっ!なんで!何で!?」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・いつもと様子が違う」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「翔君は鋭いね・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「あの・・・少し話を・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・聞いてくれる?」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・うん」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「────」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・実はね、 好きだった人に恋人ができそうなの」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「だから、やけ食いしちゃったの」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・振られたの?」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「ううん・・・、私の一方的な片思い」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「だからその人は何も悪くないの・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「なのに一人で 悲劇のヒロインみたいになって・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「ご、ごめんねいきなり変なこと! 忘れちゃってね!アハハ・・・」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・片思いって辛いよね」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・ぐすん」
松尾 翔(まつお しょう )(初めての場所で 大勢の熱気にあたったせいか)
松尾 翔(まつお しょう )(いつもの僕なら本音は言わないのに)
松尾 翔(まつお しょう )(今日は自分を さらけ出そうとしている)
松尾 翔(まつお しょう )(もしかして僕の恋心を 知ってる一咲君は・・・)
松尾 翔(まつお しょう )(それを踏まえて時坂さんとの買い出しを 指名をしたのだろうか・・・?)
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・ぐすん、ぐすん」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・時坂さん」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・ぼ、僕もね」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・気になる人がいるんだ」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「えぇぇ!翔くんに好きな人──!?」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「気になるー?どんな子なの?」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・その人はね、 僕の近くによくいるんだ」
松尾 翔(まつお しょう )「・・・時坂さん、聞いてくれる?」
時坂 めぐみ(ときさか めぐみ)「・・・う、うん」
〇商店街
古林 一咲(こばやし いっさ)「ハァ、ハァ・・・! 人が増えてきたな!」
〇川沿いの公園
古林 一咲(こばやし いっさ)「着いた・・・」
〇公園のベンチ
古林 一咲(こばやし いっさ)「誰も・・・いない・・・」
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後れ馳せながら、完結おめでとうございます!
青春!青春でした~✨✨️✨️
あっちもこっちもウフフな感じで盛りだくさんでしたね☺️
付き合わないのにちゅーするんか!校外学習、ほぼデート!親がわりにご挨拶まで済ませてるし😆「付き合う」との境界線がどうなるのか気になりますね💕逆に意識して固まってたりしてw
ピュアで後味温かなお話、ありがとうございました✨️
完結お疲れ様 & おめでとうございます!
それぞれが追いかける恋が一気に動き出すラスト、全員幸せになってくれ!と願わずにはいられませんでした。個人的には、あまり感情をみせてこなかった翔くんの変化がとても良かったですね。第二部も検討中とのことで、楽しみにしております!
丁寧に作られたスチルはどれも印象深いですが、やはり最後の写真が一番。表紙との対比が何とも感慨深いです…^^
完結お疲れ様でした!
一時はどうなることかと思いましたが、素晴らしい大団円を迎えられてよかったです😊
恋ちゃんのまさかの「一咲とは付き合えない」には驚きましたが、理由がかわいい💕一咲くん、一年間頑張って👍
グループデート的なものが見られる後日談、お待ちしています!