六段目 イッ君(脚本)
〇地下に続く階段
ゼロ「これが 今までの経緯だ」
ゼロ「君が次元の間にいるのは事故だろう 可哀想だけど どうしてあげることも」
キミエ(すっぴん)「なあ その装置は何が出来るんだ」
ゼロ「ああ これ?」
ゼロ(僕が見た次元のキミエとは この子は雰囲気が全然違うな)
ゼロ「次元から 次元へ あらゆる空間を移動する時に使うんだ」
「階段から階段を経由して ターゲットを追うんだよ」
ゼロ「移動にはバリアを外さないと いけないから面倒だけどね」
キミエ(すっぴん)(私が いっ君と追いかけっこした時 一瞬婆さんと会話した事があったな)
キミエ(すっぴん)(あれは バリアが外れていたからか! カイダンから出られないのは バリアの影響だったのか)
キミエ(すっぴん)「なあ それ まだ 動くのか」
ゼロ「ああ 動くけど」
キミエ(すっぴん)「よし ゼロ 私を手伝え お前だって一生階段の中なんて嫌だろう」
(待ってて いっ君 必ず迎えにいくから)
〇魔法陣のある研究室
指揮官「C244が仕事を失敗をしました」
指揮官「このままだと同じ過ちが 別の次元で繰り返されてしまいます」
指揮官「彼女を追ってください C245」
イチ(おかざき きみえ)
イチ「・・・」
指揮官「──で」
イチ(可愛い子だなあ〜)
指揮官「──だから」
イチ(こんな子が殺人を)
指揮官「聞いてますか」
イチ「はい」
指揮官「あなたは ターゲットが 殺人を犯す瞬間に彼女を消去して下さい」
イチ「はい」
イチ(未来加害者は この世から消される これはルールだ)
イチ(こんなに可愛いのに 勿体ない)
イチ「では行ってきます」
指揮官「頼みましたよ」
〇雑居ビルの入口
イチ(あの子がターゲット)
キミエ(遅刻だ)
隣人の男(良さそうなのが 隣の部屋に住んでるな)
隣人の男(下手なことをすれば また捕まる)
隣人の男(でも 覗き見だけじゃ この気持ちは抑えられない)
(どうするかな)
イチ(そして今のが 未来被害者 あいつのせいで彼女はこの世から消される)
イチ(助ける方法は)
イチ(いや 何を考えてるんだ 仕事に集中しないと)
〇高い屋上
キミエ(はあ 学校は息が詰まるよ)
キミエ(折角 転校して高校デビューしたのに 誰からも話しかけられない)
キミエ(やっぱり 奇抜だったか)
キミエ(いやいや 大好きな格好できめたんだ! キミエ 自身を持て!)
キミエ「にしても このウィッグちょっと長いな」
〇屋上の入口
イチ(こうしてずっとあとを追ってると ストーカーになった気分だな)
イチ(そろそろあの子が 屋上から出て来る)
キミエ(ウィッグがずれ・・・)
キミエ「うわあ」
イチ(危ない)
イチ「間に合って良かった」
イチ(しまった ついターゲットに 姿を見せてしまった)
キミエ「あ ありがとうございます」
キミエ(この人どっから 出て来たんだ)
イチ(自分の姿を見られると 仕事がやりにくくなるんだけど)
キミエ(外で霊以外に 話しかけられるの 久しぶりだ)
イチ(まあいいか)
キミエ「あの 私 転校生の岡崎キミエです あなたの名前は」
イチ「あっえーーと俺はC24・・・」
イチ「じゃなくてイチっていうんだ」
キミエ「イチ、君・・・ よろしく」
イチ「よ よろしく」
〇街中の階段
キミエ「送ってくれて ありがとう」
キミエ「じゃあ 私 家こっちだから」
イチ「うん」
イチ(このまま 家に帰ったら 彼女は隣の部屋の男に襲われる)
イチ「なあ ここ幽霊階段ていわれてるんだ」
キミエ「何それー」
キミエ(ガセだな 霊が居たらとっくに視えてるっつーの)
イチ「上りと降りで段数が違うんだって」
キミエ「本当に?1.2.3...」
イチ「・・・」
〇安アパートの台所
隣人の男(この部屋のスペアキーを あの子に持たせて誘き寄せる)
隣人の男(この部屋でやっちまおう)
隣人の男「うわあ」
隣人の男「あんたなにもんだ どっから入った」
イチ「悪いな」
イチ「こういう時 一瞬で殺せる 便利な道具があればなって思うよ」
イチ「やっちまった これってペナルティだよな」
イチ(死体は長くは置いておけない 何処かへ隠さないと)
未来被害者ガ 死亡シマシタ
ターゲット ヲ 消去シテクダサイ
イチ(てっきり すぐに次元の間に 送られるかと思っていたが)
イチ(キミエと もう少し一緒にいられる)
〇神社の石段
キミエ「いっ君〜待ってよ〜」
イチ「ははは キミエ足遅いなあ」
イチ(死体を隠すのに 丁度良さそうな神社だ)
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新年おめでとうございます🎍
怪談としても怖いのに、裏に壮大なSF設定があったとはビックリです!!
しかも見事に怪談とSFが融合していて奥深いですね😱
色々と謎の部分がイチの視点から見ると、とても切ない物語に感じました。
これだけ複雑なものが書ける、素晴らしい筆力を感じました!!
今年は読む方にも力を入れようと思います、宜しくお願いします🙇♂️
今回はイッ君視点で物語が展開されており、伏線や話の裏が読めてとても楽しめました!
キミエのために、禁忌までしてしまうイチの言動は凄いですね!
これから話がどのように展開するのか楽しみです!
高校デビューできたのは、恋関係なかった!
もとからこの次元のキミエは他よりつよつよなんですねw いっ君に愛されてますます強くなったのかな。