魔王様は平和に憧れている

みちみち

エピソード8 約束の場所(脚本)

魔王様は平和に憧れている

みちみち

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〇華やかな裏庭
マーガレット「ふふ」
マーガレット「きれい」
エリート「何をしているんだい」
マーガレット「花を見ていたんです」
エリート「花?」
マーガレット「ええ この街に咲いている花がとっても綺麗で」
マーガレット「花を見ていると ここに暮らしている人々が」
マーガレット「どういう人達かわかる気がして」
エリート「ほぅ?」
マーガレット「街にくるのは初めてだけど」
マーガレット「なんだかホッとしているんです」
エリート「そうか」
エリート「けど君は今人質なのだから」
エリート「もう少し不安そうにしてほしいんだけどね」
マーガレット「不安なんてありません」
マーガレット「覚悟はいつでも出来ていますから」
エリート「・・・」
エリート「じゃあそろそろ行こうか」
マーガレット「はい」

〇荒廃した街
エリート「約束の場所に着いたよ」
エリート「ここは廃墟が並ぶ場所だから 滅多に人は来ない」
エリート「安心だね」
エリート「まだ彼は来てないかな」
マーガレット「・・・」
ケビン「エリート!」
ケビン「音声を持って来たぞ!!」
マーガレット「魔王様!」
マーガレット「ごめんなさい 私のせいで・・・」
ケビン「マーガレットは何も悪くない」
ケビン「今すぐ助けるから大丈夫だ」
エリート「待ちたまえ」
エリート「魔王だけで来るようにと書いたはずだが?」
ボビン「・・・」
ボビン「なはははは」
エリート「彼は?」
ボビン「オレも一応魔王だから問題ないよねー」
エリート「なに?」
ケビン「そのとおりだ」
ケビン「こいつは僕の双子で」
ケビン「僕と同じく魔王だ」
マーガレット「ボビン様・・・!?」
エリート「魔王の子は二人いたのか」
ボビン「そゆこと〜」
エリート「想定外だがまぁいい」
エリート「大人しく音声を渡して貰おう」
ケビン「ああ」
マーガレット「ダメです魔王様!」
マーガレット「音声は渡さないでください!」
  ガシッ
マーガレット「あっ!!」
エリート「大人しくして貰おうか」
ケビン「マーガレット!!」
マーガレット「音声を渡してはダメです!」
ケビン「その子を離せ! マーガレットは人間だ!!」
エリート「人間? それなのに魔族の味方をするのか?」
マーガレット「親に捨てられた私を」
マーガレット「育ててくれたのは先代の魔王様」
マーガレット「他の魔族の人達も」
マーガレット「とても優しくしてくれた」

〇寂れた村
  魔族に生まれても
  ただみんな平和に生きていたいだけ
  先代の魔王様が
  平和に暮らす事の尊さを
マーガレット「みんなに教えてきたから」

〇荒廃した街
マーガレット「貴方にはわからないのでしょうね」
ケビン「父上・・・」
ケビン「僕も父上を」
ケビン「信じようとしなかった」
マーガレット「ケビン様は正義感が強いから」
マーガレット「魔王の血筋である事を 受け入れられなかったのでしょう」
マーガレット「貴方が信じられなかったのは」
マーガレット「貴方自身」
ケビン「!?」
ケビン「そうか」
ケビン「そうだった・・・」
マーガレット「大丈夫」
マーガレット「魔族のみんなは貴方のことを」
マーガレット「信じていますよ」
ケビン「・・・」
エリート「わからないな」
エリート「何故他人を信じられると言うんだ」
エリート「正直に言うと」
エリート「魔族も人間も関係ない」
エリート「私は本当はそんなことはどうでもいいんだ」
マーガレット「?」
エリート「魔族も人間も」
エリート「誰も信用していないんだよ私は」
エリート「信じられるのは自分と金だけ」
マーガレット「・・・悲しい人」
エリート「はははは」
エリート「君もそのうちわかるだろう」
エリート「さぁ、おしゃべりはお終いだ」
エリート「早く音声を渡して貰おう」
ケビン「ああ、わかった」
ケビン「音声は渡す」
ケビン「その前に人質を交代してくれないか?」
ケビン「音声は一旦ボビンに渡し」
ボビン「・・・」
ケビン「僕がそっちへ行って 人質になる」
エリート「ダメだ」
エリート「君がそのまま一人で音声を持ってくるんだ」
エリート「もう一人の魔王にはじっとしていて貰おう」
ケビン「・・・」
ケビン「わかった 今行く」
マーガレット「魔王様・・・ ダメです」
エリート「いい子だ」
ケビン「持って来たぞ」
ケビン「マーガレットを離せ」
エリート「音声が先だ」
ケビン「3秒数えて同時に手を離そう」
エリート「いいだろう」
ケビン「3」
ケビン「2」
ケビン「1!」
エリート「!! なんだ」
ケビン「今だマーガレット!」
マーガレット「!」
  ササッ
グレン「こっちへ!!」
マーガレット「あ、貴方は!?」
エリート「君は グレン!?」
グレン「ぎゃあぁぁ見つかったぁ!?」
エリート「何のつもりだ」
エリート「魔王に手を貸すのか!!」
グレン「ええぇぇぇそ、それはぁ・・・」
エリート「さっきの魔法も君がやったのか?」
グレン「あ、あれはぁ・・・」
ルイス「あの魔法は俺のだ!!」
エリート「君はルイス!? 魔法が使えないんじゃなかったのか」
ルイス「貴様の悪行 全て聞かせて貰ったぞ!!エリート!!」
グレン「い、いや、きみっ!?」
グレン「出てくるなよっ 隠れとけって言われてただろ!?」
ルイス「あ、そうだった・・・」
エリート「どういう事だ これは」
エリート「魔王」
ケビン「どういう事も何もこういう事だ」
ケビン「マーガレットも音声も渡しはしない!!」
エリート「・・・」
エリート「なるほど そういう事か」
エリート「君の意志はよくわかった」
エリート「ならもう回りくどいのは無しにしよう」
エリート「真剣勝負といこうじゃないか」
エリート「かかってきたまえ」
ケビン「!!」
ケビン「なんて魔力だ・・・!?」
ケビン「勇者というのはダテじゃないな・・・」
ケビン「グレン、マーガレットを頼む!」
グレン「!!」
ケビン「ルイスは街の建物を守ってくれ!」
ルイス「わ、わかった」
ケビン「ボビン!」
ケビン「ボビンはいざという時まで手は出すなよ」
ボビン「え〜なんでよ〜」
ケビン「街が吹き飛ぶだろうが・・・」
ケビン「僕が決着を着ける・・・」
エリート「手加減はしないよ」

次のエピソード:エピソード9 決戦

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