上司さんと部下ちゃん(屍鬼もいます)

内田 今日―

エピソード18 年末の医療チームは大忙しのようです(脚本)

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〇病院の診察室
医師「たまには有給でも使って ゆっくりしたいものだねえ」
医師「毎年同じこといっているよ ま、無理やりにでも取らないと 「有給」って取れないからね」
医師「おいおい ノックぐらいしなよ!」
守信寺さん「お願いします 急患です!」
医師「誰が急患か もう分かったけどね」
医師「どうぞ」
上司さん「うぐぐぐ」
部下ちゃん「あうあう」
  予想通りのお二方でした
医師「もしもーし 会話はできますか?」
部下ちゃん「あばばばば」
上司さん「ぎぎぎぎ」
医師「だめだこりゃ 守信寺さん 説明して」
守信寺さん「今日の昼休み 近くのバーベキュー場を借りて みんなで食事をしていました」
医師「ふむ」

〇森の中
上司さん「まずはテーブルを」
守信寺さん「お肉です」

〇病院の診察室
医師「分かった部下ちゃんが 毒キノコ投入 だろ?」
守信寺さん「それが違うんです!」
医師「は?」

〇森の中
部下ちゃん「ほーい キノコだよーーつ!」
上司さん「却下! ベニテングダケ 有毒です」
部下ちゃん「えーー せっかく探したのにぃー」
守信寺さん「上司さん 炭に火が回りました」
上司さん「了解です」
部下ちゃん「行者ニンニクでーす!」
上司さん「却下! スズラン 有毒です」
部下ちゃん「えーー せっかく取ってきたのにぃー」
守信寺さん「お昼ですので ウーロン茶と 炭酸水で行きます」
上司さん「それが良いでしょう」
部下ちゃん「セリを摘んできましたー!」
上司さん「却下! 毒セリ 有毒です」
上司さん「以下 部下ちゃんは 下ごしらえだけしてください」
部下ちゃん「はーい(泣)」
  何と上司さんが
  部下ちゃんの大ボケを
  完封したのです

〇病院の診察室
守信寺さん「後は具材を焼いて 食べただけです」
医師「待った! まわりのお客に食中毒は 出なかったのかい?」
医師「そもそも守信寺さんは 何で平気だったの?」
守信寺さん「周りのお客さんに異常は 有りませんでした」
守信寺さん「私は最後に食べる予定の バゲットを切り分けていて 助かったんです」
医師「ということは お肉に問題が有ったわけでは無いのか (守信寺が犯人ということも 可能性は低いね)」
医師「完全に原因不明じゃないか うーむ」
医師「良し、原因不明のため治療不可能 もう諦めよう ご愁傷様です!」
守信寺さん「簡単にあきらめないでください!」
医師「んなこと言ってもねえ 原因不明で食中毒の治療はできない 違うかい?」
守信寺さん「えっと これを持ち帰ってきたのですけど」
  守信寺さんは食べかけの
  串付きフランクフルトを
  出したのです
医師「・・・・・・ あ、これは?」
守信寺さん「何か分かりましたか?」
医師「分かったよ食中毒の原因」
医師「串だよ」
守信寺さん「串が?」
医師「良く見ると串は 青い枝なのが分かる」
医師「これは夾竹桃さ 街路樹なんかで良く見るねえ」
医師「まあ猛毒で 中毒死の例も多い」
守信寺さん「そんな事って・・・」
医師「多分、部下ちゃんが下ごしらえ中に 串が足りなくなって」
医師「適当にそこら辺の木の枝を 使ったと」
守信寺さん「まさか」
医師「それにしても 具材、具材、具材と そっちに気を引いて置いて」
医師「本命は串 部下ちゃんやるじゃないか 見直したよ」
守信寺さん「そこは 褒めるところじゃないと 思います」
医師「ま、原因は分かった 後はなんとかするよ」
守信寺さん「よろしくお願いいたします」
  こうして
  上司さんと部下ちゃんは
  なんとか一命をとりとめたのです
  ・・・そして数日後・・・

〇大ホールの廊下
部下ちゃん「さあ! みんなお待ちかね クリスマスだよーっと!」
守信寺さん「部下ちゃん はしゃぎすぎ」
部下ちゃん「守信寺さんも スマイルで ビラ配りしてねー!」
守信寺さん「よ、よろしくお願いいたします」
部下ちゃん「よろしくしくねー💗」

〇病院の診察室
医師「騒々しいね いったい何事?」
  --- 告 ---
  
  恒例:Ⅹマス鍋パーティー実施
  「お鍋を食べて!
  ゲームで盛り上がろう!」
  
  鍋奉行+幹事
  部下ちゃん
医師「・・・これは」
  医師らしき人は想像しました

〇病院の診察室
社員「く、苦しい」
社員「痛い! 助けて!」
社員   「腹が千切れそうだ・・・」
  ゾンビ映画のように
  医療チームに押し寄せる
  食中毒の社員たち

〇病院の診察室
医師「あたしは映画の主人公じゃないよ 一人で対処できるわけない」
医師「これで良し」
  医師らしき人は
  年末の「有給」の申請をすませると
  業務にもどるのでした
  
  おしまい

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