Ⅱ-06.彼らも異世界へ(脚本)
〇簡素な部屋
~宿屋~
高野 裕翔(ヒロト)「あーー!!!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「なんだ!! この世界は!!!」
高野 蓮(レン)「裕翔兄ちゃん!! さっき買ってきた服に着替えようよ!!!」
高野 杏奈(アンナ)「裕翔兄ちゃん! 蓮兄ちゃん!!」
高野 蓮(レン)「杏奈??」
高野 裕翔(ヒロト)「どうしたんだ?」
高野 杏奈(アンナ)「アンナのこと!! 守ってくれてありがとう!!」
そういうと・・・
アンナは先程街で買った袋を手に端っこで着替え始めた!!
高野 蓮(レン)「アンナ・・・!! どうしてそんな良い子なんだ!!!」
高野 裕翔(ヒロト)「お兄ちゃん!! 絶対にお前のこと守るからな!!!」
高野 杏奈(アンナ)「あっ!!」
高野 杏奈(アンナ)「裕翔お兄ちゃんと、 蓮お兄ちゃんの服!!」
高野 杏奈(アンナ)「凄く浮いてたから!! 着替えたら《アイテムボックス》に封印してね!!」
高野家の癒しの天使・・・杏奈は
時々辛辣である。
〇簡素な部屋
今まで着たことない格好に・・・
蓮のテンションは上がっていた。
裕翔も少し異世界に来たというワクワク感で、期待を胸に含ませています!!
的な顔をしていた。
杏奈の格好は・・・
相変わらず癒し系だった!!!!!!
〇簡素な部屋
高野 裕翔(ヒロト)「さて・・・ 無事、城から出ることは出来たが・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「おそらく表立った動きは無いと思うが・・・ 俺らを取り込むため、裏で暗躍するやつは今後も来ると思う!!」
高野 蓮(レン)「・・・」
高野 杏奈(アンナ)「・・・」
高野 蓮(レン)「・・・暗躍ということは・・・」
高野 蓮(レン)「ハニートラップとかですか?」
高野 杏奈(アンナ)「ハニー? トラップ???」
高野 裕翔(ヒロト)「ちょっ?!?! 蓮????」
高野 裕翔(ヒロト)「なぜその言葉を・・・っ!!!」
高野 蓮(レン)「・・・ 政治上、相手を引き込むためによく使われる手段──」
高野 裕翔(ヒロト)「蓮ー!!! 俺はそんな手には引っかからないから!!!」
高野 蓮(レン)「・・・」
高野 蓮(レン)「もし・・・師匠が・・・ 『私のために騙されて!』 って言ってきたらどうします??」
高野 裕翔(ヒロト)「・・・奏楽ちゃん・・・」
高野 蓮(レン)「・・・」
高野 裕翔(ヒロト)「と、とにかく!! 気を抜けないからな!!!」
この世界の女性は・・・
肉食系・・・
である。
〇闇カジノ
貴族「たのんだぞ!!」
???「うふふふ♪♪」
獣人娘「異世界人は・・・ ケモ耳?? ってやつが好きなんだよ!」
貴族「・・・」
???「依頼引き受けるからさぁ?」
???「・・・ ね? これからどう?」
獣人娘「おじちゃん!! 僕も混ぜて!!」
貴族「お、お前らは本当・・・ 俺のことが好きだなぁ!!!!」
裕翔たちに危機が迫っていた・・・。
〇シックなリビング
田所 衛(マモル)「・・・っ?!?!」
ファイアーマン「フハハハハハ!!!!!!!!!!」
田所 衛(マモル)「お前・・・!!!」
田所 蒼(アオイ)「兄ちゃん!!!」
元魔王「衛さん!!!」
田所 衛(マモル)「ヴっ・・・!!!!!!」
ファイアーマン「俺・・・痛ィ!!!」
ファイアーマン「アイツ!! コロス!!」
田所 蒼(アオイ)「・・・」
田所 蒼(アオイ)「アニ兄貴が近くにいないから!!! 制御出来てないんだ!!!」
元魔王「・・・・・・」
元魔王「蒼!!!」
田所 蒼(アオイ)「マオ?どうした??」
元魔王「・・・ 少し衛さんのこと、注意して見ててくれ!!」
田所 蒼(アオイ)「??? お、おう!!、 わかった!!」
元魔王「・・・」
元魔王(ファイアーマンは、手懐けるのは困難だ・・・)
元魔王(このままだと、また衛さんは飲み込まれ・・・)
元魔王(今回はそれを止められる人はいない・・・)
元魔王(裕翔さんに膨大な魔力を感じた・・・ きっと今、衛さんを助けられる人はこの地球には居ないだろう・・・)
元魔王「だから俺は・・・」
元魔王「・・・くっ!!」
元魔王「で、できた!!」
魔王は、これまで一番の力を注ぎ・・・
時空の穴を開けるように、時空を刺激していた。
エリザベス「バッカチーーーン!!!」
エリザベス「私、もうやめるようにいったよね???」
エリザベス「なんで!!! チクチクチクチク開けようとするの?」
エリザベス「なんなの? 欲求不満なの?」
魔王は、時空の管理者であるエリザベスがなぜここで『欲求不満』という言葉が出てきたのか分からず放心していた・・・
エリザベス「ちょっとーー?!?!」
元魔王「あ・・・すまない!!」
エリザベス「・・・ なによ? 素直じゃない・・・」
素直な魔王をみて、エリザベスの怒りは少し和らいだようだ。
元魔王「実は・・・ この男が・・・ ”地球”には存在しない『ファイアーマン』という種族に体を乗っ取られたんだ!!」
エリザベス「・・・え??」
元魔王「昔、異世界にあった時空の穴から逃げたと言ってたよ!」
エリザベス「む、むかし・・・ むかしかぁ・・・・・・」
元魔王「・・・ 時空の管理者というあなたの管轄で、なおかつこの事態は厳罰物と思うが!!」
元魔王「別ににそれをどうこういうつもりはない!!」
エリザベス「・・・え? いわないの?」
元魔王「衛さんと融合してしまったファイアーマンを制御できるようにするため・・・ 俺たちを異世界に送って欲しいんだ!!」
エリザベス「・・・・・・」
エリザベス「きーみ! 天才! 大好き! 愛してる!!」
元魔王「・・・・・・」
エリザベス「私! 女神の許可もらってくるから!! 3人はじっとしててね!!!!」
元魔王「お、おう!」
エリザベス「じゃーね! 私の未来の旦那様!!!♪♪」
元魔王「・・・未来の旦那様ってなんだ??」
嵐のように捲し立てながら去っていった時空の管理者に・・・
魔王は何も言えず呆然としていた。
田所 蒼(アオイ)「兄ちゃん!!! 意識をしっかり持って!!!────」
田所 衛(マモル)「・・・うっ・・・ だめだ! 意識を持っていかれ・・・る・・・」
ファイアーマン「アキラメロ! アキラメロ!!!」
田所 蒼(アオイ)「兄ちゃん!!」
元魔王「・・・」
そろそろヤバいんじゃないのか?
そう気持ちが焦っていたとき・・・
『君たち3人に異世界行ってもらいま~す』!!!』
田所 衛(マモル)「・・・え?」
『衛様を乗っ取ったファイアーマンを私の近くには連れてきたくないので、ここでの会話とします!』
ファイアーマン「・・・あぁ??」
『私、ファイアーマンのことは怖いので!!蒼様と、元魔王様に女神の加護を付与します!』
ファイアーマン「怖ィ・・・ダト??」
『めちゃくちゃ怖いよ!むしろ、人に怖がられない要素どこにあるの?』
ファイアーマン「・・・」
『ファイアーマンは元々この”地球”に存在してはいけない種族です!!』
『そのため!衛様と、その事を知っている蒼様と元魔王様には、異世界のある人物の所へ転送します!』
『衛様!!必ずファイアーマンを掌握し・・・。この”地球”へ戻ってきてください!』
田所 衛(マモル)「お、おう!!!」
『現在!!裕翔様!蓮様、杏奈様が異世界に強制召喚され・・・』
『先程、拓磨様と奏楽様を私の手によって異世界へお送りしました!!!』
田所 衛(マモル)「・・・奏楽さん!!! 無事だったのか?」
田所 蒼(アオイ)「姐さん・・・!!」
元魔王「・・・ ”聖女”・・・無事だったのか・・・」
『では!!衛様!蒼様!元魔王様!!ご武運を・・・!!!!!!』
こうして・・・
ファイアーマンの制御のため・・・
衛たちも異世界へと送られることになったのだった!!