プロローグ(脚本)
〇海岸の岩場
もし、この世に無限の可能性があるのだとしたら、その始まりは海なのだと誰かが言っていた。
〇海岸の岩場
そして、限界の境地に至るのも海なのだと。
人は世界は海から始まり海で終わる・・・
そう、彼らはきっとそれを言いたかった。
〇大樹の下
海を渡ることが出来るのなら・・・
始まりから終わりまで見届けることができる
そう、それが無限の可能性なのだ。
〇大樹の下
彩也子「ねぇ。貴方この場所どこかお分かりになる?」
〇大樹の下
突然、女性が話し掛けてきた。
僕は驚きを隠すことは出来なかったが彼女は平然と話を続ける。
彩也子「ねぇ、貴方よ貴方。この場所がどこだかお分かりなられるの?」
矢太郎「いや・・・分かんないです。すみません」
なんだろう、この女性・・・
笑顔なところがまた怖い。
彩也子「ここはね、終わりの場所なの。 人が勝手に入っていいとこじゃないわ」
矢太郎「あ・・・そうなんですね。 すみません。知らなかったもので・・・今すぐに出ていきます」
そんなことを言いに来たのか?
ていうか、僕はダメでお姉さんはいいのかよ
彩也子「ふふふ。貴方のその心、映したるは矢の道、弓の道、拐って喰うは、けもの道♪ 帰り道は十分に気をつけて」
なんだその呪文・・・怖っ
呪われそうなんだけど・・・
矢太郎「あ、ありがとうございます。では失礼します」
〇SHIBUYA109
街に戻ってきた。見慣れた街だ。
ここは僕にとって始まりの地、そうすべてはここから始まった。
不思議な女性と最後の呪文のような警告が意味深ですね。一瞬夢を見ていたのかのような不思議な設定に吸い込まれました。続きを期待しています。
見慣れた場所,始まりの場所,終わりの場所等…場所・空間を上手く活用した作品だなと思いました。何度も繰り返し読みたくなります。
女性の存在と立場が気になりますね。彼女は何者なのか。男性はこの女性と、再会しそうな気がしてきました。これからの展開はどうなるのかな。