四段目 13(脚本)
〇魔法陣のある研究室
指揮官「これ以上の失態は許しません」
指揮官「貴方達 C245やC244のように なりたくないでしょう」
「ひっ 引き続き C245が逃げた経路を追跡します」
指揮官「彼(イチ)は 我々を裏切り ターゲット(キミエ)を庇った」
指揮官「次元の間に追放されても尚 彼女を探すでしょう」
指揮官「二人が接触する前に C245(イチ)を始末しなさい」
「はい 直ちに」
指揮官「ターゲットのデータをこちらへ」
ショウチシマシタ
指揮官「やはり」
指揮官「岡崎キミエは 人を殺す筈だった」
〇街中の階段
キミエ(すっぴん)「しっかりしろ」
キミエ(すっぴん)「こいつを任せてもいいか」
キミエ(すっぴん)「そっか 後で やり過ぎたよゴメンって伝えておいて」
キミエ(すっぴん)「さて おかしな事が 沢山起きている」
キミエ(すっぴん)「いっ君に会えたのに 私がすっぴんだったからか 逃げられた」
キミエ(すっぴん)「というか 何だか雰囲気が別人で」
キミエ(すっぴん)「まるで 本人じゃないみたいだった」
キミエ(すっぴん)「そして あの霊 去年からいっ君に纏わりついていた奴だ」
キミエ(すっぴん)「そもそもあの霊は いつから いっ君をストーカーしてたっけ」
キミエ(すっぴん)「思い出せない」
キミエ(すっぴん)「いっ君が霊に追われるようになった日に 戻れたらなあ」
〇日本家屋の階段
これはまだ俺が
一人でトイレに行くのが怖かった頃
当時一緒に住んでた婆ちゃんが
こんな話をした
イチの婆ちゃん「イチ 早う二階の寝床に行き」
イチ(幼少)「まだ眠くないよーだ」
イチの婆ちゃん「ええんか 早うせんと」
イチの婆ちゃん「階段地獄に繋がるで」
イチ(幼少)「何それ」
イチの婆ちゃん「この階段12段あるやろ」
イチの婆ちゃん「12時を過ぎると 13段目が現れて」
イチの婆ちゃん「階段地獄へ閉じ込められるんよ」
イチ(幼少)「そんなの作り話しだろ」
イチの婆ちゃん「作り話なもんかい ほおら もう直12時だぞ」
イチ(幼少)「うっ うっ 嘘だ〜」
だから俺は 12時を過ぎると
段数を 無意識に数えてしまうのだ
そして やはり 当然12段までしかなくて
毎回 ホッと胸を撫で下ろすのだ
〇おしゃれなリビングダイニング
イチの母「キミエちゃん 折角遊びに来てくれたのに 留守にしてごめんね」
キミエ「すみません 雨宿りついでに 晩御飯 ご馳走になっちゃって」
イチ「仕事なんだろ 早く行けよ」
イチの母「良いじゃん ちょっとくらい喋らせてよ」
イチの母「ほら イチの小さい時の写真」
キミエ「わ〜可愛い」
イチの母「この子ったら 小さい時怖がりでね」
イチの母「婆ちゃんに脅されて 階段をいっつも数えてたのよ」
イチ「余計なこと言うなよ」
キミエ「階段を数えてた」
イチ「12時になると12段の階段が13段になって お前を階段地獄に引きずり込むって」
キミエ(怖がらせ過ぎだろ)
イチの母「あらやだ もうこんな時間」
イチの母「じゃあね 食器は適当に置いておいて」
イチ「やっと行ったよ」
キミエ「優しそうなお母さん」
イチ「いちいち干渉してきて ウザいよ」
「アンタ達ー 二人きりだからって 変なことしちゃだめだからねー」
キミエ「ねえ 私服見せてよ」
イチ「テキトーだよ」
キミエ「カッコいい」
イチ「いや普通だろ」
イチ「キミエだけ制服 なんか悪いな」
キミエ「え じゃあ」
キミエ「貸して いっ君の服」
イチ「わかった」
〇日本家屋の階段
イチ「服は 俺の部屋だよ」
キミエ「お部屋見せて」
イチ「え なんかやだなあ」
(うわ 悪霊)
キミエ(そんなに 力の強い奴じゃない 放っておいてもまだ 大丈夫だな)
イチ「キミエ 二階に早く」
(何故かは分からないが 階段は上れないんだ こいつは)
キミエ(すっぴん)「うわ」
キミエ(すっぴん)「また 飛ばされたぞ 何処だここは」
キミエ(すっぴん)「ああ いっ君の家か」
「きゃっきゃっ」
キミエ(すっぴん)(そうか この悪霊を 最初に見たのはいっ君の家だ)
キミエ(すっぴん)「おい 血だらけサラリーマン」
霊「・・・」
キミエ(すっぴん)「聞こえてないし 触れない 過去の人物には霊でも触れない か」
〇本棚のある部屋
キミエ「めちゃくちゃキレイじゃん」
イチ「何だよ 予想外だった」
キミエ「いや そんな事無いけど 生活感ないなって」
イチ「あはは 酷いな ちゃんと生活してるよ」
キミエ「そうだよね ごめん変な事言って なんか緊張してるみたい私」
イチ「んー な なんで」
キミエ「んー 分かんない」
キミエ「いっ君 チューして」
イチ「うん でもそんな事したら俺」
キミエ「しよ」
イチ「キミエ」
キミエ「あっ」
キミエ「待って」
イチ「ん」
キミエ「コンビニにね」
イチ「んん コン ん」
キミエ「新しいマニキュアが出てね 買ってきてくれない ピンクの」
イチ「え 今 今あ」
キミエ「お願ぁい 買ってきて」
イチ「わ〜 かった です はい」
イチ(アレ持ってないこと バレてたか)
「ちょっと 買ってくるわ」
イチ「あっ 服 そこのタンスの 適当に着てて」
キミエ「は〜い」
キミエ(ちゃんと 買ってこいよ アレ)
キミエ(いっ君に出会えて この街に引っ越して本当に良かった)
〇黒背景
キミエ母「キミエ クラスの子 叩いて怪我させたって」
キミエ(幼少)「私のこと 嘘つきだって レーカンが強いから気持ち悪いって」
キミエ父「だからって叩いたのか」
キミエ(幼少)「だってパパが 信じるのは己の拳のみだって」
「・・・」
キミエ母「一人で苦しかったよね ごめんね 気付いてあげられなくて」
キミエ(幼少)「叩いたのは ごめんなさいって 思ってるよ」
キミエ父「ママ この子は 俺達以上に”引き寄せる”体質だ」
キミエ母「確かにキミエが大きくなるに連れて この街に悪霊が増えてる気がするわ」
キミエ父「そうか」
キミエ父「なあキミエ 叩いた子に謝りに行ったら」
三人でこの街を出よう
〇日本家屋の階段
イチ(まだいるな)
霊「コロス ノロウ」
イチ「恨みたいだけ恨めよ」
イチ「お前 殺したのは 俺なんだからさ」
〇コンビニのレジ
ベテランコンビニ店員(俺はこの道20年のベテラン)
ベテランコンビニ店員(客の振る舞いで そいつがどんな奴が分かるのだ)
ベテランコンビニ店員「しゃ〜ら〜あぁ〜せ〜ええぇ〜い」
ベテランコンビニ店員(夜中に若者が一人 学生か)
イチ(これで 良かったんだ キミエを守れるならこれで)
ベテランコンビニ店員(うお)
ベテランコンビニ店員(こいつ この若さでこれのみを 是程までに堂々と)
イチ「あ」
イチ「すいません これも」
ベテランコンビニ店員(真っ直ぐな眼差し)
ベテランコンビニ店員(間違いねえ 覚悟を決めた漢の顔だ)
ベテランコンビニ店員(頑張れよ 青年)
ベテランコンビニ店員「ありやっとあぁした〜〜〜あぁ〜」
(なんか あの店員 超見てたな 俺のこと)
〇日本家屋の階段
イチ(早く帰ろう キミエが待ってる)
イチ(何着てるんだろう)
イチ「あっ もしかしたら」
〇本棚のある部屋
キミエ「いっ君に ありのままの 私を見て欲しいの」
〇日本家屋の階段
イチ(だったら困るな〜)
イチ(いや 別に良いけどさ)
イチ(もう12時か)
イチ(ん)
イチ「じゅう さん ?」
イチ(数え間違えたか)
〇黒背景
イチ「うわあうわーーー」
イチ「な? ど? え?」
イチ「何で階段こんな長」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
今回も怖くもあり、面白かったです!
家に怪談作るばあちゃん、マジでやばいですねw子供の時に聞いたらトラウマになるww
イチが勇気を出して、せっかくアレを買ったのに、目的を達成できないなんて不便ですね😭
それにしても、スチルの使い方がお上手で感心します!
怖かったです!けど、「アレ」で怖かった気持ちが全部ふっとんでしまうwww😂おもしろかったです!
キミエのお着替え見たかったな~
こえ~~~😂😂😂💦💦
と思ったら悪霊飛び越える丁寧なカットに笑いました😂😂😂
ベテラン店員のシーンも好きです😂
しかも謎だらけで面白い~👏