第三話 かいこ(脚本)
〇学校の校舎
〇学園内のベンチ
出臼 マキナ「うおおおおおおんっ!! 無職になっちゃったよおおおおおおんっ!!」
下手 ひだり「だ、大丈夫! 出臼さんは学生の身分です!!」
出臼 マキナ「──ハッ!?」
出臼 マキナ「そうや──ワイはまだ、ピチピチのJKや!!」
出臼 マキナ「これにはご先祖様もニッコリだね!!」
下手 ひだり「草葉の陰で泣いていなければ良いのですが」
出臼 マキナ「た、確かに── 大半の日本人の通過点を誇る子孫なんて!」
下手 ひだり「哀れな素人JKよ──そんな貴様に、先輩が施しをくれてやりましょう」
出臼 マキナ「施し?──アイドルのお仕事くれるの?」
下手 ひだり「すぐそこの自販機の、激安ドリンクを奢ってあげましょう」
出臼 マキナ「げ、激安ドリンク?」
下手 ひだり「おや、当校裏名物、存じ上げないのですね」
出臼 マキナ「それは存じて問題ないモノなのかな?」
ひだり「それはそれは────反応が楽しみですね」
出臼 マキナ「ひ、ひえぇぇ~~っ!?」
〇学園内のベンチ
出臼 マキナ「────」
出臼 マキナ「──アハハ」
出臼 マキナ「気を遣わせちゃったのかな?」
出臼 マキナ「────うん」
出臼 マキナ「落ち込んでばっかりじゃ、いられないよね」
出臼 マキナ「ひだりちゃ──」
出臼 マキナ「えっ──あ」
出臼 マキナ「スミマセン、ともだちと間違えました」
???「────」
???「アナタ、出臼 マキナさん──ですね」
〇黒
〇体育館裏
下手 ひだり「ふむ──」
下手 ひだり「温かい」
???「おや──俺以外にソレを嗜む者が居るとは」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「君、お目が高いね──!」
下手 ひだり「これはこれは──文実の会長様、ご機嫌麗しゅうございます」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「──って、里砂場の後輩ちゃんかよ」
下手 ひだり「茶良尾(さらお)先輩の後輩も兼任しておりますよ」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「マジ?──じゃ先輩風吹かしちゃおっかな」
下手 ひだり「それならば今──」
下手 ひだり「フレッシュホットオレンジ1本で0.1先輩ポイントGETのキャンペーン中ですよ!」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「ポイント低っ!?」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「500円しか無いから先輩ぶるのは止~めた」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「金は俺のフレッシュホットオレンジに──」
下手 ひだり「自販機の下────入っちゃいましたね」
文化祭実行委員会 委員長 茶良尾 末利「俺の全財産~~~~ッッ!!!?」
〇黒
〇学園内のベンチ
出臼 マキナ「あ、あの──おじさん、どなた様ですか?」
出臼 マキナ「先生にも、用務員さんにも、見覚えが無いのですけれど──」
???「ああ──これは失礼しました」
???「ワタクシ、こういう者でして」
出臼 マキナ「外様 正義(とざま まさよし)さん──」
出臼 マキナ「えっと──この、ジャーナリストって?」
外様 正義「ハイ! そうなんです、ワタクシ芸能の取材をしておりましてね」
出臼 マキナ「はぁ──取材────」
出臼 マキナ「うん?」
出臼 マキナ「私に取材っ!!!?」
外様 正義「ええ──是非にと思っております」
出臼 マキナ「ええっ! そんな、急ですよ! 今日は学校だからスッピンなのに!」
外様 正義「恐縮ですが、ご質問よろしいでしょうか?」
出臼 マキナ「ななな、何でしょうか!」
出臼 マキナ「趣味、休日の過ごし方、お風呂で洗う順番 スリーサイズ、好きな男性の仕草──」
出臼 マキナ「何でも答えちゃいますよッッ!!」
外様 正義「それは嬉しいなぁ────それじゃあ」
外様 正義「アナタを解雇した事務所の事 ──どう思っておりますでしょうか?」
出臼 マキナ「────え?」
〇学園内のベンチ
出臼 マキナ「────どう? って?」
外様 正義「不当な解雇だと思いませんか?」
出臼 マキナ「──何が、ですか?」
外様 正義「力ある大人や芸能人、権力者が──」
外様 正義「力無い子供や若者やらを道具の様に使って」
外様 正義「金に成らなきゃ、邪魔になりゃあ──ポイ」
外様 正義「ねえ、出臼さん」
出臼 マキナ「ヒッ──」
外様 正義「もしアナタが解雇を不当だと事務所を訴えるのなら、ワタクシがお力添えしますよ」
出臼 マキナ「い、いえ──」
外様 正義「芸能界の闇を暴──」
「それ以上生徒に接近しないで下さい!!」
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ギフトコメント読みました。ショタ部長と先輩がそういう関係だったなんて。。🫢
ひだりちゃんの正体気になりますね