地下世界で新たな自分を見つけたい

相園菜乃花

地下世界へ(脚本)

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相園菜乃花

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〇車内
菜々緒「よし、発車するよ」
  後部座席にて──
野々花「どうして乗り込んだの?貴方、部外者よね」
心愛「えっと・・・その・・・私この世界に未練がなくて」
野々花「それで」
心愛「えっと、ついていけば地下に行けるのかなって思ったの・・・やっぱり無理よね・・・・・・降りますから」
野々花「降りなくていいわ、私たちも地下に行くの」
心愛「ほんとですか!?」
野々花「ええ、もちろん」
野々花「この世界に居られなくなった人間だけが入れる場所よ」
心愛「もしかして野々花さんも?」
野々花「いいえ。野々花はね、菜々緒のことが大好きだから、結婚したの。それで実質地下へ住むようになったってわけ」
野々花「でもたまにしか地上に出られないのよね。家にずっと居たら菜々緒がプレゼント持ってきて帰ってくるの。すごく嬉しい!」
心愛「プレゼント?」
野々花「うん、この前ね。四つの目玉で作られたブレスレットもらったわ」
  右裾をめくると、色とりどりの目玉が四つついているブレスレットが顔を出した
心愛(うえ・・・・・・気持ち悪い。発想が人間じゃない・・・)
心愛(殺される・・・)
菜々緒「おい、なんでその女がいる?追い出せよ、役立たずが」
野々花「あら、ごめんなさい。彼女この世界に居た時の知り合いなの」
野々花「許してちょーだい」
菜々緒「なんだ、早く言えよ。よし出発するぞ」

〇車内
心愛「あの・・・」
野々花「どうしたの?」
心愛「怖くないんですか、そんな気持ちの悪いものをもらって」
野々花「気持ち悪いですって!これは菜々緒からもらった宝物よ!汚さないで!」
心愛「ご、ごめんなさい・・・」
心愛「あの、地下ってどんな感じですか?やっぱり古びていますし、日の光もないですよね」
野々花「いえいえ、太陽はあるし月もあるよ。地上とほとんど同じ周期だけど、法律がないの」
心愛「法律がない・・・・・・それって違法なんじゃ」
野々花「法律がないのは、あっちの世界では当たり前。だから自分の快楽に従ってやりたい放題」
野々花「盗んだり他の人のものを売買したり、人間を売っても違反にならないのよ。あと危険物も出回ってるから、薬売りには気をつけてね」
心愛(うっ・・・ガチでやばいところだ。でもこのまま戻れば両親に殴られて、罵られる・・・もう行きたい場所もない)
野々花「今ならここから出られるわよ、傘持ってるでしょ」
心愛「私ここから出ません!地下へ行きます!」
野々花「地下へ行ったら地上に出られなくなるわ、それでも行くの?」
心愛「はい!」
野々花「意気込みがすごいわね。ちなみに一年間仕事をしないと、ゴミ処理場に運ばれて燃やされるから気をつけてね」
心愛「はい!」
菜々緒「女の子二人の会話は面白いな」
七海「そうかな?俺は退屈・・・・・・」
菜々緒「はぁ・・・お前は女心がわからないみたいだな、嫌われるぞ」
七海「別に嫌われてもいいよ、兄さんがいれば俺頑張れるから」
菜々緒「そうか、ありがとう」
菜々緒「お前はどんな女が好みなんだ?」
七海「俺は兄さんみたいなかっこいい人と結婚したいな」
菜々緒「よせよ、恥ずかしいだろ。あと運転してるやつに話しかけるなよ」
七海「兄さんが話しかけてきたんでしょ」
菜々緒「それもそうだな」
野々花「ああ・・・この二人、尊い」
心愛「ええ・・・・・・」

〇停車した車内
  数時間後──
菜々緒「こっから先は森の道だ、シートベルトをしっかりしろよ」

〇車内
心愛「キャー!」
野々花「うるさい声出さないでよ」
心愛「ごめんなさい、こういうの初めてで」
野々花「まあ、いいわ。慣れたらそんなに苦じゃないよ」

〇洞窟の入口
菜々緒「ここが入り口だ」
野々花「旦那様」
菜々緒「おい、近づくなよ。服が濡れるだろ」
野々花「それでも関係ないわ、二人でいられるから」
菜々緒「愛してるよ、野々花」
七海「チッ、二人でいちゃつきやがって!」
菜々緒「じゃあ僕たちは先に行ってるね」
心愛「えっとその・・・」
七海「何?」

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