第11話 最終章 中編 俳優 藤田賢雄(脚本)
〇黒
ニュースキャスター「速報をお伝えします」
ニュースキャスター「俳優の”藤田賢雄”氏が、複数の女性と関係を持っていたことが明らかになりました」
〇サイバー空間
ネットユーザー1「藤田賢雄オワタ(^o^)」
ネットユーザー2「あぁ・・・・・・やっちゃった」
ネットユーザー3「浮気相手だれなん!?特定はよ」
ネットユーザー4「てかこれ、ドラマどうすんの!?」
ネットユーザー5「ドラマは中止確定。藤田賢雄って、顔はイケメンでも中身は”ブス”だったんだな」
ネットユーザー6「こいつ、もう社会のゴミじゃん生きる価値ない」
ネットユーザー7「藤田くん好きだったのに残念!!(>_<)」
ネットユーザー8「ドラマ楽しみにしてたのになぁ」
ネットユーザー9「藤田賢雄、一生世間に謝りながら生きろ。それが嫌なら死ね」
藤田賢雄の浮気報道によって
ネットは大炎上した。
〇綺麗な会議室
内田監督「君のせいで、全てが水の泡」
藤田賢雄「・・・・・・」
内田監督「君はただ、おとなしくしていてくれればよかったのに・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
内田監督「あのドラマ、僕の人生をかけてたんだよ」
藤田賢雄「・・・・・・」
内田監督「はぁ・・・・・・」
内田監督「君、もう役者やめてくれ」
藤田賢雄「・・・・・・」
内田監督「君を採用したのが間違いだった」
内田監督「心の底から失望した」
藤田賢雄「・・・・・・」
〇大きい病院の廊下
鈴鹿カスミの病室前
藤田賢雄「・・・・・・カスミ」
藤田賢雄「入っても・・・・・・いいか!?」
鈴鹿カスミ「三雲しほと、浮気してたんだね」
藤田賢雄「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・もう二度と」
鈴鹿カスミ「顔を見せないで」
藤田賢雄「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「浮気しないって約束してくれてたのに」
鈴鹿カスミ「破ったんだね・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「信じてたのに・・・・・・」
〇病室
鈴鹿カスミ「信じてたのに!!!!!!!!!!」
〇大きい病院の廊下
藤田賢雄「カスミ、これは・・・・・・」
藤田賢雄「恋病が・・・・・・」
藤田賢雄「本当は、君のために・・・・・・」
藤田賢雄の脳内は記憶に支配される
〇黒
医者「恋(レン)病は、恋愛感情から生じる」
医者「恋愛感情には、本人が自覚すれば、より強まるという性質がある」
医者「そのため、恋(レン)病も、恋愛感情と同じように」
医者「”患者本人が自覚すれば悪化する”」
医者「場合によっては、命に関わるものにもなる」
医者「くれぐれも、気をつけてくれ」
〇大きい病院の廊下
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄(ちくしょー・・・・・・)
藤田賢雄(本当のこと、言えないじゃないか)
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「!?」
連絡の主は、神崎太希。
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「また、来るよ。カスミ・・・・・・」
扉の向こうから、返事はなかった。
〇公園のベンチ
神崎太希「よぉ、けんゆー」
神崎太希「調子はどうだ!?」
藤田賢雄「太希・・・・・・」
神崎太希「けんゆーの浮気は」
神崎太希「俺がバラした」
神崎太希「俺が犯人だよ」
藤田賢雄「恋病の件、知ってたんだろ」
神崎太希「あぁ、あのジジイに聞いたよ」
神崎太希「恋病なんて、馬鹿げた病気だよな」
神崎太希「カスミちゃんもかわいそうに」
神崎太希「あぁ、でもさぁ、恋病の件は言ってないぜ」
神崎太希「”まだ”な・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「知ってたんなら・・・・・・なんで」
藤田賢雄「なんで俺の邪魔をするんだよ!!」
神崎太希「そりゃ、こっちのセリフだ」
神崎太希「しほに手を出したのがおまえの敗因だぜ」
神崎太希「なんで、俺のオンナに手ぇ出した!?」
神崎太希「他の奴で良かっただろ!?」
神崎太希「マッチングアプリでも使って」
神崎太希「てきとうなオンナをオトしておけば」
神崎太希「それで良かった」
神崎太希「それぐらい、イケメン俳優のけんゆーなら朝飯前だっただろ!?」
神崎太希「なのになんで、しほに手を出した!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「太希が許せなかったから」
神崎太希「!?」
藤田賢雄「浮気して、彼女をもてあそぶお前が」
藤田賢雄「許せなかったからだ」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「はぁ!?」
神崎太希「おまえ、ホントは、しほで遊びたかったんじゃないのか!?」
神崎太希「女優と付き合って、優越感を手に入れようとしたんじゃないのか!?」
藤田賢雄「違う」
神崎太希「はぁ・・・・・・」
神崎太希「俺はさぁ、けんゆー」
神崎太希「おまえとは違うセカイで生きてると思ってたんだよ。でもさぁ」
神崎太希「おまえも俺と同じだった。うれしかったよ」
神崎太希「俺たちは、同じ穴の狢だ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「なら、なんでこんなことを・・・・・・」
神崎太希「俺は、しほを取り戻したかった」
神崎太希「それに、おまえに復讐したかった」
神崎太希「それだけじゃねぇ」
神崎太希「おまえ風に言うと・・・・・・」
神崎太希「”浮気が許せなかった”」
藤田賢雄「・・・・・・」
それはかつて
賢雄が太希に発した言葉だった。
神崎太希「フフフフフ」
神崎太希「アハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!」
神崎太希「せいぜい、クズ男として生きていくんだな」
神崎太希「けんゆー」
神崎太希「おまえの居場所は、もうこの世のどこにも存在しない」
神崎太希「全世界がおまえの敵だ」
神崎太希「フフフ」
神崎太希「楽しく暮らせよ」
藤田賢雄「・・・・・・」
〇通学路
記者1「藤田賢雄さんですか!?」
記者1「少し、お話聞かせてもらえますか!?」
記者1「ご自身の浮気について、お話を!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者1「あぁ、ちょっと!!」
〇総合病院
藤田賢雄(家は、記者が張っている)
藤田賢雄(今すぐには帰れない)
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
ふと、記憶が蘇る
〇総合病院
藤田賢雄(道は決まった)
藤田賢雄(俺は、君との約束を守りたい)
藤田賢雄(俺は、君に約束を守ってもらいたい)
藤田賢雄(だから)
藤田賢雄(恋が君を殺そうとするなら、俺が救う)
藤田賢雄「たとえ、俺の人生をBETしたとしても!!」
〇総合病院
藤田賢雄(カスミの恋病が発覚したあの日)
藤田賢雄(俺はこの場所で、人生を賭けた博打に出た)
藤田賢雄(でも、その賭けに負けた)
藤田賢雄(俺は、賭けに負けたんだ)
〇病院の診察室
医者「本当に、すまない」
医者「私のミスだ」
藤田賢雄「気にしないでください」
藤田賢雄「俺が、全部悪いんです」
医者「・・・・・・」
医者「君に、これを渡しておこう」
藤田賢雄「これは!?」
医者「カスミくんから受け取った物だ」
医者「中身は見ていない」
藤田賢雄「・・・・・・」
医者「自分に何かあったら、君に渡してほしいということらしい」
医者「彼女の容態に変化があったわけではない」
医者「だが、今渡すべきだと思ったのだ」
藤田賢雄「・・・・・・」
〇男の子の一人部屋
藤田賢雄「はぁ・・・・・・」
藤田賢雄「なんとか、記者の目を逃れて帰ってこれた」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「カスミ・・・・・・」
〇病室
鈴鹿カスミ「ちゃんと映ってるかな?」
鈴鹿カスミ「よし!!」
鈴鹿カスミ「賢雄にお話があります!!」
鈴鹿カスミ「もしかしたら、賢雄がこれをみてるとき」
鈴鹿カスミ「私はこの世にいないかもしれません」
鈴鹿カスミ「まぁ、その・・・・・・」
鈴鹿カスミ「遺言みたいな感じです」
鈴鹿カスミ「話したいこと、ここでいっぱい話します」
鈴鹿カスミ「う~ん」
鈴鹿カスミ「まずは、謝罪から入ろうかな」
鈴鹿カスミ「賢雄が病気になったら、私が治すっていう 約束」
鈴鹿カスミ「守れなくてごめんね・・・・・・」
鈴鹿カスミ「遊園地に行く約束」
鈴鹿カスミ「守れなくてごめんね・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「いやぁ、医者志望の不養生だね!!」
鈴鹿カスミ「困っちゃうよね・・・・・・ホントに」
鈴鹿カスミ「えへへ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「あとはねぇ、賢雄が出てるドラマ」
鈴鹿カスミ「途中でやめちゃってごめんね」
鈴鹿カスミ「実は、見るのがしんどくなっちゃってさぁ」
鈴鹿カスミ「その・・・・・・三雲しほと」
鈴鹿カスミ「役だったとしても」
鈴鹿カスミ「イチャイチャしてるの・・・・・・」
鈴鹿カスミ「いやだったなぁ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「なんつってね!!」
鈴鹿カスミ「えへへ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「あ、あとねぇ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「新しい彼女見つけて・・・・・・ほしいな」
鈴鹿カスミ「どーせ、賢雄のことだから」
鈴鹿カスミ「私が死んじゃったらショックで立ち直れないかもねぇ」
鈴鹿カスミ「えへへ」
鈴鹿カスミ「でも、それじゃダメ!!」
鈴鹿カスミ「新しい彼女と幸せになりなさい!!」
鈴鹿カスミ「わかった!?」
鈴鹿カスミ「でも、三雲しほは、絶対ダメだよ!!」
鈴鹿カスミ「あれは性格悪いからね!!」
鈴鹿カスミ「気を付けなさい!!」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「最後に・・・・・・」
鈴鹿カスミ「もう一つだけ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
藤田賢雄「カスミ、入るぞ」
鈴鹿カスミ「あぁ、ちょっとまって!?」
〇男の子の一人部屋
藤田賢雄「・・・・・・スン」
藤田賢雄「謝ってばっかりじゃねーかよ・・・・・・」
藤田賢雄「グスン」
藤田賢雄「ホント、カスミはバカだなぁ・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・そうだな」
藤田賢雄「俺はまだ、負けちゃいなかったみたいだ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「カスミはまだ生きてる」
藤田賢雄「だから、諦めるわけにはいかない」
藤田賢雄「たとえ、世界を敵に回しても」
藤田賢雄「俺はもう一度、君のために戦うよ」
藤田賢雄「俺はもう一度、君のために演じるよ」
〇男の子の一人部屋
次の日
藤田賢雄「しほ、話がある」
藤田賢雄「今日、病院に来てほしい」
〇通学路
藤田賢雄は歩む
記者1「なぜ、浮気をされたのでしょうか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者2「ドラマへの影響は、考えなかったのでしょうか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者1「世間への謝罪はありますか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者2「今後の活動はどうなるのでしょうか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者1「恋人への謝罪の気持ちはありますか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者2「今回の件、後悔はしていますか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者1「ファンの皆さんに一言お願いします」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者2「浮気相手のどこに惹かれたのでしょうか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
記者1「恋人に何か、伝えたいことはありますか!?」
藤田賢雄は
歩みを止めた
藤田賢雄「そうですね・・・・・・」
藤田賢雄「心の底から、”好き”だと伝えたいです」
藤田賢雄「愛していると伝えたいです」
藤田賢雄「失礼します」
藤田賢雄は、再び歩み始める
俳優として
最後の舞台に上がるために
〇総合病院
藤田賢雄「俺はやっぱり」
藤田賢雄「君との約束を守りたい」
藤田賢雄「君に約束を守ってもらいたい」
藤田賢雄「だから」
藤田賢雄「俺はもう一度BETする」
藤田賢雄「君を救ってみせる」
藤田賢雄「たとえ」
藤田賢雄「君の嫌いな人間に成り下がろうとも!!!!」
浮気報道のコメント、リアルですねー。
あんな感じでネットに溢れてますよね。
以前アイドルが薬物で逮捕されたときに、「好きだったのに残念」て同じこと書き込みました😇
次回が全く予想できない…
どうやって解決するんでしょうか。
最終回近くて終わっちゃうのが残念ですが、次も楽しみにしてます😋