パラダイムシフト

紗卦冬葉(さけとば)

8.Ordeal/硝煙たなびくミネアポリス①(脚本)

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〇空
  先住民族、
  『ララ族の村』を出発して数日────
  私は────

〇厩舎
  熟成された『家畜の糞尿臭』を喰らい
  『限界突破寸前』だったッッ
「『廃墟の厩舎』見つけるなんてラッキー! 屋根のある寝床なんて数日ぶりよ〜!」
オルコット「という訳で、キャンプの準備ね!」
  エッ
  
  焼くの?
  
  このドギツい臭いの中?
ジェーン「オォ!? なんだコイツら!?」
  『バイ菌持ってそうなネズミ』だぁ!
ネズミくん「チュウ (『敷地に入ったら真っ先に家主に挨拶』 社会常識だよなァ、お客さん達?)」
ネズミくん「ヂュウ (入場料代わりに、その美味そうな『肉』 オメーラ共々齧らせてもらうゼ?)」
ジェーン「仕方ない、 『樟脳(カンフル)』使っちゃお」
  !?

〇厩舎
  チュウ
  (あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛)
  ヂュウ
  (殺害レベルの激臭じゃねーか!逃げろッ)

〇厩舎
ジェーン「よし(キリッ」
ヘレナ「よくない(よくない)」
オルコット「よくないわよ! 肉に臭い伝染(ウツ)ったんですけど!!」
  『クスノキのチップ』で作った
  『燻製』って事にはならない?
  『鼠避け』で燻した肉、食えるかってのよ!

〇草原の一軒家
オルコット「建物の『鼠避け臭』落ち着くまでは 普段通りのキャンプね」
ヘレナ「『糞尿臭』と『鼠避け臭』のWパンチで ご飯は何も味しなかったわ」
オルコット「アンタ、育ちが良いから逆に色々大変ね」
ジェーン「ふぅ」
オルコット「何してたの?」
ジェーン「『う○ち』とその近辺の『土』採集してたよ」
「ばっちいから捨ててきなッ!!」
ジェーン「えー⋯ 今後、役に立つ事間違いなしなんだけど?」
「いいから捨ててきなッ!!」
ジェーン「わかった、わかったから」
ジェーン「いつもの事だけど、『焚き火の灰』も 後々合成とかで使う予定だから取っておいて」
オルコット「こういう『色んな物体を混ぜ混ぜする人』、 ────なんて言ったかしら?」
ヘレナ「⋯『魔女』じゃなくて?」
オルコット「いや、なんかこう、『職業』みたいな、 上手い表現あったのよね」
「ま、いっか⋯ その内、思い出すわ⋯」

〇草原の一軒家
ジェーン「この前の『戦い』で 初めて『異能使い』を倒した訳だけど」
ジェーン「結局、『疑問点』は増えてくばかり」

〇黒
  第一に、
  撃ち抜いた心臓から聞こえた『異音』
  まるで『石が砕けたような音』だった

〇湖畔
  そして『絶命の瞬間』
  全身が『黒い渦』に溶けていって、
  遺体が全く残らなかった事

〇草原の一軒家
ジェーン「私の『力』で私とヘレナの身体調べたけど、 『石』が体内に入ってる痕跡は、無かった」
ジェーン「『私』と『ヘレナ』は死んでも 『黒い渦』は発生しないのかな?」
ヘレナ「怖いこと言わないでよ⋯」
オルコット「直接確認可能な事でも無いし、 『たられば』の話しても仕方ないわ」
オルコット「『結社』の面子に出会ったら 可能な限り情報を集めなきゃね」
オルコット「目的地の『ミネアポリス』まで あと半日も歩かない距離よ」
オルコット「①『情報屋』から『結社』の動向を探る ②食料と『弾薬』の大量補給」
オルコット「町に着いたら、とにかく『店』を探さなきゃ」
ヘレナ「『探す』って? 居場所、分からないの?」

〇黒
  『情報屋』って性質を持つ以上、
  リスクヘッジ目的で場所を転々としてるの
  ビックリする位『何でも』出来るから、
  何の佇まいしてるのかパッと見分からないわ
  靴屋かもしれないし、肉屋かもしれないし、
  ガンショップかもしれない、って事?
  そういう事ね
  この時期は『ミネアポリス』に滞在してる
  っていう『事前情報』しか分からないの

〇草原の一軒家
ジェーン「『情報収集』なら私に分があるから とにかく手当り次第『リサーチ』かけるね」
オルコット「その辺、期待してるわ ショッピングしながらゆっくり探しましょ」
ヘレナ「私は『酒場』を当たろうと思います!!」
「⋯」
ヘレナ「情報は『酒場』に集まるもの! そして今後の旅の為に『軍資金』は超必要!」
「⋯」
ヘレナ「私にかかれば『軍資金』は『倍』に出来る! 『一石二鳥』よ〜〜ッ!!」
(⋯ギャンブルで ストレス発散しようとしてるわ、絶対)

〇宇宙空間
「あ〜、楽しみだわ『ミネアポリス』!!」
「早く明日にならないかな〜!! シャワー浴びたいわ、本当に〜ッ!!」
「わかった、わかったから、 明日は存分に暴れてきな?」
「⋯そろそろ厩舎に戻る?」

〇黒

〇噴水広場
  AM 11:30
  『ミネアポリス』
ヘレナ「『町』〜〜ッ!! 待ちに待った『町』〜〜〜ッッ!!」
ヘレナ「これで『野宿』とオサラバ出来るっ 嬉゛し゛い゛〜〜っ!」
ヘレナ「じゃあ私は酒場で 『情報収集』してくるわ!!」
オルコット「どんだけ『賭け事』好きなのよ」
ジェーン「『未来』分かった上でやるギャンブル、 そんなに面白いのかしらねぇ?」
ジェーン「彼女、根っこの部分は やっぱり性格悪い人なのかな?」
オルコット「否めないわね」
オルコット「とりあえず、『情報屋』の『ソロネ』 っていう名前に絞って情報集めましょ」

〇西洋の街並み

〇怪しげな酒場
ヘレナ「ごめんあそばせ〜ッッ」
アザレア「何か頼まれますか、お嬢さん?」
ヘレナ「とりあえず『スピリッツ』で」
アザレア「昼間っからキツいのイくね〜! これから『勝負』か何かするの?」
ヘレナ「『賭場』をね、探してるんすよ! 久々に『火』が着いたもんで!」
「『奥の部屋』にプレイルームがある」
ソロネ「来ていたのは確か数名程、 『ルーレット』を楽しんでいるハズだ」
ソロネ「⋯つかぬ事を伺うが」
ソロネ「『陸軍准将の幼妻』が どうしてこんな『辺鄙な場所』に?」
ヘレナ「まぁ、色々あってね⋯」
ソロネ「⋯」

〇幻想
  この女性の
  
  『運命』の様相⋯
  確実に『死神』の道筋を
  
  歩んできていた痕跡を感じるが⋯
  今はその顔色が『変化』している⋯
  
  ⋯『塔』、か?
  『書き換えた』のか?
  
  面白いな?
  だが、
  
  様相が『塔』ならば、
  
  つまりこれから⋯

〇怪しげな酒場
ヘレナ「私の『顔』に何かついてた?」
ソロネ「いいや、問題ない」
ソロネ「テーブルまでエスコートしよう」
ソロネ「私がこの『バー』の支配人 兼、『場回し(ディーラー)』のソロネ」
ソロネ「『自由意志を抱く人々』へ 『手助け』する事が趣味の男さ」
ヘレナ「なんだかよく分からんけど、ありがとう」
ソロネ「──────ああ、そうだ、アザレア」
ソロネ「”来てる”ぞ」
ソロネ「私は『この場』を治める お前は”助けに行ってくれ”」
アザレア「⋯了解」

〇カジノ
「あら」
「あらあらまぁまぁ」
『聖女』「いきなり『本命』に当たるなんて」
『聖女』「『星の導き』は流石ですね」
ソロネ「こいつ、君の知り合いなのか?」
ヘレナ「『最悪』のね」
ヘレナ「私が来る事、 予め知ってたっていうの?」
『聖女』「いえいえ、本当に『偶然』なんですよ〜」
『聖女』「『人の出会い方』なんて、 『星』の数ほどあるのと一緒です」
『聖女』「────ところで、」
『聖女』「あなた達全員、『自分自身の立場』が どんな状況になってるのか知ってますか?」
  『追われる身』ですよ?

〇市場
ジェーン「”騎兵隊所属の軍曹、要人を連れて逃亡中 発見者、情報提供者には報奨金を授与”」
オルコット「懸賞金、『5000ドルゥ』??!?!?! いやいやいや、バカなの!?!?!??!?」
  ※当時の紙幣価値は1ドル=2500円相当
ジェーン「めっっっちゃ褒められてる 『ラクガキ』までついてるけど?」
オルコット「ワケが分からな〜〜〜いッッ!!」

〇市場
市民「5000ドルが町に来ているぞォ!!」
市民「早い者勝ちよ、早い者勝ち!!」

〇荒れた小屋
「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」

〇荒れた小屋
市民「『5000ドル』どこだァ!!!???」

〇黒

〇荒れた小屋
オルコット「『銃弾』は貰ってくわ⋯ ゴメンね⋯」
ジェーン(強い⋯! 『銃の腕前』だけじゃない⋯!)
ジェーン(一体どれだけの『場数』を踏めば、 これだけ強くなれるのかな⋯?)

〇カジノ
『聖女』「──────私は」
『聖女』「あなた達に『試練』を与えにきたのです」
『聖女』「『かみさま』達は死線をくぐり抜けて、 貴女を救うことが出来るのでしょうか?」
ヘレナ「⋯そんなの」
ヘレナ「⋯そんなの、 『未来』を視るまでもないわ!」
ヘレナ「私の仲間は、『絶対に死なない』! 『絶対ここにたどり着ける』!!」
ヘレナ(⋯『試練』?)
ヘレナ「⋯アンタいま、私たちに 『試練を与えにきた』って言ったよね?」
『聖女』「ええ、そうですが」
ヘレナ「⋯」
ヘレナ「つまんない上に、無意味な『試練』よね」
『聖女』「?」
ヘレナ「”神は乗り越えられぬ『試練』は与えない” ────だっけ?聖書の引用?」
ヘレナ「”そんな『試練』” 生ぬるすぎると思わない??」

〇黒

〇カジノ
ヘレナ「神に変わって」
  時間を稼げ
ヘレナ「この私が」
  可能な限り『情報』を引き出せ
「お前に『試練』を与えてやるよ」
  私に出来る
  
  『最大限』を
  
  こいつにぶつけろ
  『仇討ち』
  
  やってやるよ

〇カラフルな宇宙空間
『聖女』「█████【歓喜の雄叫び】█████」
  AM 11:40

〇荒れた小屋
  AM 11:45
「声、聴こえなくなってきたかな?」
「何とかやり過ごせたかしら」
オルコット「多分、『大通り』とか『町の出入口』は 住人達が躍起になって『張ってる』と思う」
ジェーン「私たち、辿り着けるかしら⋯」

〇荒れた小屋
  ソロネという名前の人物は
  
  現在、バーを経営している
  バーはこの建物から
  
  数区画ほど離れた場所にある

〇荒れた小屋
オルコット「向こうと合流して、 『突破方法』模索するしかないわね」
ジェーン「ヘレナ、捕まってなきゃいいけど⋯」
オルコット「『未来』を視るチカラ、 最大限に活かしてて欲しいわね⋯」

〇市場
  もうこうなったら、
  
  ”遭遇(エンカウント)は必要経費”と
  
  割り切るしかないわ
  如何にして
  
  ”スマートに切り抜けるか”
  
  それしか──────

〇黒

〇市場
「いや、マジでキモイ『反射神経』だよね」
キッド「『殺気』、消してたハズだけど なんで気づくの?」
オルコット「キッ⋯」

〇市場
「キッドォオオオオオオオオオ!!!! てめぇええええええええええ!!!!」
「絶対許さねェ!! 『姉さん』を⋯ッッ 『クソバカ野郎』に唆されやがってッッ」
キッド「ははは」
キッド「”やっと、こっちを見てくれたな”、 『兄貴(ブラザー)』」

〇明るいベランダ
  『罪』には『罰』を
ドミニク「『自由意志を抱く人々』は 悉く『人の道理』を踏み外す」
ドミニク「故に、この世を上手く回す為に必要な、 『絶対不滅の摂理』が存在するのよ」
  それが
  
  『審判(Judgment)』
  
  って奴なのさ

〇黒

次のエピソード:9.Omen/硝煙たなびくミネアポリス②

コメント

  • 突然のエンカウント!?
    敵の勢力は変態しかいないような気がしてきたけれど色々ピンチな状況でヘレナとオル姉達がどうなるのか気になる展開!

  • ふぁー!!聖女がまさかのまさかでいて、アドレナリンが出たところで、ヘレナのあの口調に痺れました✨👍

    わー!!次回どんな闘いを見せてくれるのかめっちゃ楽しみです!!✨

    そしてオル姐たちは無事に逃げ切れるのか!?ドキドキです!!✨次回も楽しみにしてます✨☺️

    スチル毎回毎回すごく良いですよね✨かっこいいっ!!ってなりながら読みました✨👍

  • この展開、この空気感、もう脳内物質がドバドバ―ッと溢れかえてしまいます😂
    と同時に、作中キャラたちも興奮著しくて、第2章開幕とは思えぬトップギア感が最高です👍

    ……そんな中で、何故かネズミくんのセリフが心に残り続ける不思議😇

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