吸血鬼の正体は!?(脚本)
〇UFOの飛ぶ空
〇実験ルーム
人間に変身した姿「チッ! なんてまずいんだ。久しぶりの仕事に勢いこんで、若い娘の血を吸ってみたらこれだ」
〇血しぶき
〇実験ルーム
人手が足りないというので、昔ながらにやってはみたが血がまずすぎる。なにやら薬品臭い感じで吐き気がしてくる。
老人は本来の姿に戻った
わしは、吸った血を吐き捨て、孫のところにいって、そのことを話すと、
エイリアン2「おじいさん、だから言ったでしょ。今は機器を使って採取した方が楽なんですよ」
孫のやつめが偉そうに言う。最近では最新機器で、人の血液を採取するらしい。
中世の頃までは、わしらは吸血鬼だと恐れられていた。
わしらの口のするどい歯に備えつけている血液採取器で、人の血液をとっていた頃のほうが、なにやら風情があったものだ。
吸ったときに採取器から麻薬に似た薬品が流れ、娘は恍惚とした表情になる。その顔をみるのがわしの楽しみであったのだ。
だいいち、わしらの円盤に人を連れ込み、下品な男たちまでも検査したりするのは、どうにも性にあわない。
だいいち、わしらの世界でブームになっているからといって、着物風の姿も気にくわん
エイリアン1「うっ! なにやら気分が悪くなってきた」
エイリアン3「おじいさま、大丈夫ですか? 最近の人間の体には、さまざまな有害物質が蓄積されているそうですから」
〇ブリーフィングルーム
エイリアン1「それを、それをはやく言え!」
〇研究装置
fin
吸血鬼として牙で血を吸うのを”風情”とするところにクスリときました。斬新な設定と、ちょっぴりのシニカルに楽しませてもらいました。
最初は献血のお話しだと思って読みました。でも、エイリアンが血がマズイと言ったので、最近の人間の食べ物がファーストフードに偏り、薬品臭くなったんだと納得しました。
短い話しの中に起承転結がしっかりとあって楽しい作品でした。現代、便利だからこそ沢山の有害が、、、混じってそう、分かる気がします。