第四話 銃声(脚本)
〇山の中
「2118年」
「えっと」
「異星探査における違憲審議会・・・?」
「2119年」
「スライゲル社解体!」
「2122年」
「あー・・・第7コロニー破綻停電!」
「2127年」
「うっ・・・・・・」
「2・・・127年だ」
「・・・・・・」
「どうだ?」
スズカ「"D工運動"・・・」
フジ「テストでそう書いても減点だ」
フジ「正式名称は?」
スズカ「良いじゃないですか、"D工運動"で! それで通じるんだしさぁ!」
スズカ「薪割りやっているときぐらい 忘れさせてよ、近代史!!」
フジ「手を止めるな」
スズカ「はい!!」
スズカ「212(にいに)は7(なな)歳 "D工運動"!!」
フジ「おい」
スズカ「DNA工学組織化運動だ! オラァッ!」
〇山の中
フジ「今日はこれぐらいで 失礼させていただきます」
モート「・・・スズ、何かあったか?」
スズカ「何にも―」
フジ「薪を運んできてくれ」
スズカ「あい」
フジ「申し訳ない 筆記試験に苦戦していて・・・」
モート「偉いねぇ こんなときまで机に向き合うなんて・・・」
モート「うちのせがれは行方知らずだよ それに比べて・・・」
フジ「・・・・・・」
モート「いつ引き上げられるか 分かったもんじゃないものを 稼ぎ口のアテにしやがって・・・」
モート「コロニーからのライセンスも 持ってねぇらしい奴らから 金貰ったって割に合わねぇよなぁ・・・」
フジ「・・・・・・」
フジ「家から飛び出してそれっきりですか?」
モート「おうよ、ガラの悪い連中に加わって 何処で何してんだか・・・」
モート「"ミリオンリコール"なんてよぉ・・・」
〇荒野
フジ「モートさん 捜索願の提出を渋っている」
スズカ「・・・・・・」
運転するフジの隣から
野原を見回すスズカ
スズカ「リコール班って何処にいるんですかね」
フジ「・・・・・・」
スズカ「手がかり無しですか?」
フジ「ああ」
スズカ「ふーん・・・・・・」
フジ「・・・・・・」
フジ「気になるか?」
スズカ「まあ・・・ 僕らが今こうなっているのは その人たちが原因ですから」
スズカ「モートさんが渋るのだって 息子さんがリコールをアテにしたことを 知られたくないからでしょ」
スズカ「”今”の警察に・・・」
フジ「そうだな」
スズカ「実はダチュラ署長が率いているなんて 噂もありますけど・・・」
フジ「信じているのか?」
スズカ「いいえ! 邪推ですこんなの!」
スズカ「ただ、僕らだけじゃ その、捜査網に限界はあるし・・・」
フジ「・・・フフッ」
スズカ「え?」
フジ「皆がお前ぐらいの歳から そんなに真剣になっていたなら 変わっていたかもしれないな」
スズカ「それじゃ きりないですよ・・・」
スズカ「仮だとしても リーダーを務めている自覚あるんですか?」
スズカ「そんな態度だから カリンさんにも出ていかれたんじゃ──」
フジ「まじめ~」
スズカ「なんですか、それ!!」
スズカ「撫でるな!!」
「──い」
「おーーい!」
フジ「どうした」
一人の若者が
息を整えながら車に駆け寄る。
若者「フジさん、どこ行ってたんですか!? モートさんの所に向かったとは 聞いていたけど──」
フジ「名前を大声で出さないでくれ 何があった」
若者「その、銃声が・・・!」
スズカ「え・・・」
若者「海岸の西側で銃声が確認されたって!」
若者「その、猟銃じゃなくて 警察官の拳銃が・・・!!」
アボカドさんこんばんは〜!
スズカと少年の触れ合いに癒やされました
世界観の作り込みがやはり面白いですね