畳屋さんは、youtubeの夢を見るか?

にゃむ

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〇農村
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕の名は、矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)18歳のJKだ!・・・」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「友達には”じょう”って呼ばれている」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「人よんで”明日のじょう”とは僕のことだ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕も高校3年生、今人生の大きな選択を迫られている!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕の家系は350年続く畳職人の家系だ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「生まれた時から、血の滲むようなスパルタ教育で、畳の技術を叩き込まれた」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「高校を卒業したら、畳職人決定だ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「しかし、僕には夢があるんだ!」

〇寂れた村

〇城の会議室
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「お父様、大切なお話があります」
矢面英治(やおもてえいじ)「なんだ畳一郎、改まって」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「お父様、僕は畳職人にはなりません」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ユーチューバーになりたいんですぅぅぅ!」
矢面英治(やおもてえいじ)「何お!では戦国時代から続いた、我らが畳店、源商店は誰が継ぐんだ!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「畳は確かに必要です!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「しかし、来る日も来る日も真っ暗な工場で畳を作るなんて!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕には耐えられませええん!!」
矢面英治(やおもてえいじ)「どんなに華々しい仕事でも、」
矢面英治(やおもてえいじ)「成功させるには、人が見てない所で地道な努力が必要なんだ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「地道なだけじゃないです!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕の家はいつまで立っても貧乏です!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ビンボーはもう嫌なんですぅぅぅぅ!!」
矢面英治(やおもてえいじ)「息子よ!!だまって聞いてれば!!かくなる上は!」
矢面英治(やおもてえいじ)「ここになおれ!!」
矢面数子(やおもてかずこ)「お父さん、手を出してはダメよ!!」
矢面数子(やおもてかずこ)「成敗するなら、私を成敗して!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「かずこお姉ちゃん!!」
矢面数子(やおもてかずこ)「だめ!!暴力だけはだめ!!」
矢面数子(やおもてかずこ)「もう、母さんの二の舞はごめんなの!!」
矢面英治(やおもてえいじ)「とにかくユーチューバーなんて許さん!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「お父様のわからず屋!!!!」

〇川沿いの原っぱ
  畳一郎は、いつもくる堤防で、川の流れを見ていた。
矢面数子(やおもてかずこ)「じょうくん、探したよ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「かずこお姉ちゃん・・・」
矢面数子(やおもてかずこ)「帰ってご飯食べよう」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「やだ!帰らない!」
矢面数子(やおもてかずこ)「帰らないって、どうすんのよ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「もうお父様の顔見たくない」
矢面数子(やおもてかずこ)「そんなわがまま言わないで」
矢面数子(やおもてかずこ)「あれが、父さんの愛情ひょうげんなのよ・・」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「あの親父めちゃくちゃだよ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ついていけない!」

〇空
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「姉さんのどうすんのさ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「あんなだめ親父の面倒見て」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「一生畳屋の経理係して暮らすのかい?」
矢面数子(やおもてかずこ)「私のことはいいの。それよりじょうくん、」
矢面数子(やおもてかずこ)「お父さんと仲直りしなさい・・」

〇川沿いの原っぱ
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「けっきょく、かずこ姉さんも、お父様とおんなじだな!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「一生僕を畳やの狭い、作業室に閉じ込めたいだけなんだ!」
矢面数子(やおもてかずこ)「なんてことを・・・・」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「もういい!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕は誰も信用しない!さよならかずこ姉さん!」
矢面数子(やおもてかずこ)「じょうくん!!」

〇開けた交差点
  改造車に乗った二人組が現れた!
虎徹「ひゅう〜お二人さん!別れ話かい?」
アントニオ「姉ちゃん、そんなJKほっといて、俺らと遊ぼうぜ!」
  アントニオは、かずこの腕を掴んで、車に押し込もうとした!
矢面数子(やおもてかずこ)「やめてください!」
アントニオ「アニキ、この女、よう見たらめちゃめちゃべっぴんですぜ!!」
虎徹「本当だ!これは美人だ!」
矢面数子(やおもてかずこ)「いやあ!誰かだ助けて!!」

〇空
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「かずこねえちゃん!!」
アントニオ「よお!JK!ねえちゃん助けたいか?」
アントニオ「だったら力づくで奪い返してみな!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「このやろー!!!!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「やっつけてやるー!!!!!」

〇海岸線の道路

〇空

〇空
  畳一郎を庇って、父の英治が代わりに殴られた!
矢面英治(やおもてえいじ)「すみません・・許してください・・」
矢面英治(やおもてえいじ)「大切な・・娘と息子なんです・・・」

〇海岸線の道路
虎徹「おいコラ、なんだおっさん!!」
虎徹「それが人にものを頼む態度か?」
アントニオ「おっさんその歳で礼儀も知らんのか!」
虎徹「土下座ってのは、地面におでこを擦り付けて謝るんだぜ」
アントニオ「ゴラア!地面におでこつけて謝らんかいっ!!」
アントニオ「アニキ完全に怒ってしもたやんけ!」

〇空
  父、英治は地面に額を擦り付けて、土下座して誤った。
矢面英治(やおもてえいじ)「すいません、」
矢面英治(やおもてえいじ)「この通り、勘弁してください」

〇海岸線の道路
虎徹「おっさん、それでは許してあげらへんなあ」
虎徹「気持ちがこもってへんわ!」
虎徹「おっさん性根叩き直してやるわ!」
  抵抗しない父、英治はボコボコに殴られた!
矢面英治(やおもてえいじ)「頼みます・・娘と息子を許してください・・・」

〇市街地の交差点
虎徹「さあ、お姉ちゃん、今から、わしらと楽しいことしよか!」
アントニオ「ささささ、アニキ車へ・・」
矢面数子(やおもてかずこ)「私は、どうなってもいいから、父と弟を助けてください!」

〇血しぶき
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ゴラア!!こっちが黙ってたら、好き勝手しやがって!」
アントニオ「なんや、兄ちゃん、そしたら、どないするつもりや!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「かずこ姉ちゃんを、離さないと、お前の子分の、両方の鼻の穴に、」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「真っ赤な、ジョナゴールド押し込むぞ!」
アントニオ「アニキ助けて〜!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ほら、右の鼻の穴から」
アントニオ「アニキ苦しい〜」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「姉ちゃんを離せ!」

〇川沿いの道
虎徹「困ったJKやの〜」
矢面数子(やおもてかずこ)「じょうくん、私はいいから危ないことしないで!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「さあ、かずこねえちゃんを離せ!」
虎徹「お前が、子分のアントニオを離したら、離したるわ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「”お前”っていうな!俺は、”お前”って言われるのが世界で一番嫌なんだ!」
虎徹「そんなん知るか!」
アントニオ「アニキ〜助けて〜」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「そんな交換条件あるか!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕が、円周率いいおわる前に、お姉ちゃんはなさんと、」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「子分の左の鼻の穴にもジョナゴールド突っ込むぞ!」
虎徹「円周率って、”3”やろ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「これだから、ゆとり世代は!」
アントニオ「アニキ、円周率は、3.14でっせ〜」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「つべこべいうな!3.1415」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「9265358979323846264・・」
虎徹「うわああ!!苦しい!!やめてくれえええ!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「姉ちゃんを離せ!」
虎徹「話すかい!!こんな別嬪さん!」
虎徹「生まれて初めてこんな美人に出会ったんや!」
虎徹「もう惚れてしもた!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「33832795028841971・・」
虎徹「うわあああ!脳が溶けるううう!」
虎徹「ワシは円の計算でつまづいて、算数嫌いになって、」
虎徹「そのまま学校嫌いになって、悪の道に染まったんや!」
虎徹「だめや〜意識が遠のく〜」

〇市街地の交差点
アントニオ「あかんもうだめ〜」
虎徹「もうしんじゃう〜」

〇渋谷のスクランブル交差点
警察官A「喧嘩の通報があった!」
警察官A「傷害罪で逮捕する!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「誤解です!」
警察官A「みんなそういうんだ!」
警察官A「話は署でゆっくり聞かせてもらおう!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「嫌だあああああああ!」
  じょうは逮捕された!

〇殺風景な部屋
  牢屋に入れられた、畳一郎は、独房に隔離されていた!
  刑務官の、ナオミがやってきた!
ナオミ・キャンベラー「囚人4126出なさい!」
ナオミ・キャンベラー「今日から作業をしてもらいます」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)(はっでな女〜)
ナオミ・キャンベラー「心の声漏れてるから!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ところで僕の囚人なんばー、4126、」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「良い風呂ってなんですか?僕はハトヤですか?」
ナオミ・キャンベラー「4126、良い風呂、気に入りまいたか?」
ナオミ・キャンベラー「癒されましょう」
ナオミ・キャンベラー「それでは作業に向かいます、」
ナオミ・キャンベラー「ついてきて!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)(なんか不安)

〇暗い廊下
吹石徹(ふきいしとおる)「・・・・・・・・」
  畳一郎は、畳をつくっている作業場に連れて行かれた!
  そこには、黙々と畳を作る吹石徹がいた!
  これが、畳一郎と徹の運命の出会いだった!
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「あなたは!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「10000億再生を記録した!伝説のユーチューバー!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「トオルちゃんちゃんねるの、」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「トオルちゃん!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「おいコラ新入り!!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「その名で二度と俺を呼ぶな!!てめえ、ぶっ殺すぞ!」
ナオミ・キャンベラー「その前に、喧嘩をやめないと、」
ナオミ・キャンベラー「独房にぶち込むわよ、トオルちゃん!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「500731」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「500731?なんですか、その数字?」
吹石徹(ふきいしとおる)「バカ!500731で”ごめんなさい”なんだよ!」
吹石徹(ふきいしとおる)「持ってないのかよ!ポケベル!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ポケベル?」
吹石徹(ふきいしとおる)「知らねえの?ポケベル!」
吹石徹(ふきいしとおる)「離れた空間を飛び越えて、」
吹石徹(ふきいしとおる)「瞬時に数字を瞬間移動できる、」
吹石徹(ふきいしとおる)「夢の機械だぜ!」
ナオミ・キャンベラー「トオルちゃんは、最新機械に囲まれすぎて」
ナオミ・キャンベラー「趣味嗜好が過去に戻っているのよ」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「まじか!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「俺の家系は、350年続いたユーチューバーの家系なんだ」
吹石徹(ふきいしとおる)「面白くなければ、3秒で消されるyoutubeの世界は、もう懲り懲りなんだぜ!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「でも、一発当てれば、お大儲けですよ!」
吹石徹(ふきいしとおる)「350年も家業を保たせるには、一発じゃダメなんだ!」
吹石徹(ふきいしとおる)「ヒットを打ち続けなければならない!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「うちの家系は、350年続いた畳職人です!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「親父も、爺さんも、暗い部屋でずっと畳を編んでいました」
吹石徹(ふきいしとおる)「お前んち!畳職人か!?」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕は、畳職人なんて嫌なんです!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「僕はユーチューバーになって、明るい世界に出たいんだ!」
吹石徹(ふきいしとおる)「畳職人!!羨ましい!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「こらからは職人の時代だぞ!」
吹石徹(ふきいしとおる)「師匠!」

〇洋館の玄関ホール
ナオミ・キャンベラー「こら!トオルちゃん!じょうくん!!」
ナオミ・キャンベラー「私語を慎みなさい!!」
ナオミ・キャンベラー「04510!!!!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「ナオミさん、なんて言ってるんですか?」
吹石徹(ふきいしとおる)「04510でお仕事だ!って言ってる」
ナオミ・キャンベラー「家系を継ぐのは宿命よ!!」
ナオミ・キャンベラー「うちの家系は350年前から、刑務官だもの!」
矢面畳一郎(やおもてじょういちろう)「やはり宿命には逆らえないのか!?」
吹石徹(ふきいしとおる)「俺は、宿命に対抗するね!!」
吹石徹(ふきいしとおる)「目指せ、畳職人だぜ!」
  明日の畳(じょう)というお話でした!
  終わり!

コメント

  • 面白かったです!😆
    350年続くYouTuberでお茶吹きました!
    まさにレトロと職人の時代ですね!
    😀😀😀😀楽しかった!ありがとう~☺️

  • 読んでくれたらうれしいです!

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