ロイ(脚本)
〇後宮の回廊
ロイ「っ!」
ロイ「さすがに2対1はきついっすね」
キラ「これで終わりよ」
キラ「シャドウチェイン!!」
ロイ「!!」
ロイ「・・・降参っす」
ロイ「ガーベラ様、ごめんなさい」
ロイ「あなた様のかたきを取ることができませんでした」
キラ「かたき?」
キラ「かたきってどういうこと?」
〇道場
私は妖力を用いて戦う家系に生まれたっす
戦争真っ只中というのもあって
物心ついたときにはもう道場で1日中稽古をしてたっす
あたしは他の子達よりも妖力が少なくて
要領が悪かったから、いつも怒られてばっかだったっす
師範「ロイ!!」
師範「どうしてお前はそんな出来損ないなんだ!!」
師範「お前の兄も姉も弟も妹も親戚の子供たち全員」
師範「この技を1日で習得したぞ!!」
師範「お前はどうだ!!」
師範「この技を練習し始めてどれくらいたつ?」
ロイ「ごめんなさい、ごめんなさい」
師範「謝罪をしろと言っているわけではない!!」
ロイ「痛い!!」
師範「弱音を吐くな!!」
師範「お前の母さんはもっと優秀だったぞ!!」
ロイ「ごめんなさい!ごめんなさい!」
師範「うるさい!耳障りだ!」
体罰なんて日常茶飯事で・・・
いつも他人と比べられて育ったっす
〇古いアパートの一室
もういっそのこと死んでしまおうか
そんなことを考えていたら部屋である本を見つけたっす
それは、ガーベラ様の神話が載った本だったっす
読んだら物凄く感動したっす
こんなお優しい方がこの世に存在したことに
それと同時にシオンを恨んだっす
あんなお優しい方を裏切り
その信者まであんな目に
シオンがこの世にいるなら復讐してやりたい
そう思った瞬間、目の前にガーベラ様が現れたんす
ロイ「が、ガーベラ様!?」
ガーベラ「ええ、そうよ」
ガーベラ「私のために怒ってくれてありがとう」
ガーベラ「あなたにお願いがあるの」
ロイ「何でしょうか?」
ガーベラ「私の敵を取ってほしいの」
ロイ「でも、シオンはもういないのでは・・・」
ガーベラ「たしかに、シオンは居ない」
ガーベラ「でも、シオンの生まれ変わりならいる」
ロイ「そうなんですか!?」
ガーベラ「お願い、ロイ」
ガーベラ「私のために、敵を取ってくれない?」
ロイ「はい、喜んで!!」
ガーベラ「ありがとう」
ガーベラ「では、あなたに私の力を差し上げましょう」
ガーベラ「きっと明日から効果が出るはずです」
〇道場
ガーベラ様のおかげで、次の日から妖力が倍増し
技もどんどん覚えれたっす
師範のジジイのあの驚いた顔は今でも忘れられないっす
〇後宮の回廊
ロイ「あたしの人生はガーベラ様に救われた」
ロイ「だから、ガーベラ様のことも救いたかった」
ロイ「この平和軍は、あたしみたいな人たちの集まり」
ロイ「つまり、ガーベラ様の信者で構成されてるっす」
ロイ「シオンの生まれ変わりが日本人という情報が出てきたから」
ロイ「戦争の発端が日本だということもあり」
ロイ「合併が決定したっす」
キラ「そんな経緯があったのね」
ユリ「日本の味方がいないのもなんか納得だね」
ユリ「キラ、この子はどうするの?」
キラ「一旦ここに拘束しといて、後から来た仲間に回収してもらいましょ」
キラ「私たちは奥にいく」
ロイ「うちを殺さなくて良いんすか?」
ロイ「この拘束をといて、お前たちを奇襲する可能性だって・・・」
キラ「今のあなたには、もうそんな力残ってないでしょ?」
ロイ「・・・」
キラ「それに私は」
キラ「あなたはそんな人ではないと思ってる」
ロイ「!!」
ユリ「キラが敵にそんなこと言うなんて!」
ユリ「頭打った?魔法で治そうか?」
キラ「打ってない、いたって正常よ!!」
ユリ「じゃあ、そう思う理由は?」
キラ「うーん・・・」
キラ「勘?」
ユリ「そんな曖昧な理由で言ったの!?」
ロイ「ぷっ・・・あはははは!!」
ロイ「あんたら面白いっすね」
ロイ「その面白さに免じて、奇襲はしないっす」
ユリ「する予定だったの?」
ロイ「それは想像にお任せするっす」
ロイ「この先の部屋に幹部がいるっす」
キラ「!!」
ロイ「相当強いらしいっす」
キラ「らしいって・・・」
キラ「あなた、幹部に会ったことないの?」
ロイ「うちはただの構成員っす」
ロイ「幹部に会う機会なんてないっす」
キラ「そう・・・」
キラ「情報ありがとう」
ロイ「それじゃあ・・・」
ロイ「御武運を」
キラ「ええ・・・御武運を」
ロイ「・・・」
ロイ「!!」
ロイ(く、苦しい!!)
「ロイ」
ロイ「!!」
ロイ「あなたは・・・」