トイレの花子さん(脚本)
〇女子トイレ
岸本怜奈(3番目の扉を3回ノックして・・・・・・)
岸本怜奈「花子さんいらっしゃいますか?」
岸本怜奈「これは・・・・・・花子さん!?」
豊田朔「うるさいなー、誰が花子さんよ」
岸本怜奈「えっ!?なんで朔が!?」
豊田朔「なんでじゃないわよ」
豊田朔「用もないのにノックなんて、他の子にしたら迷惑だからやめなよ」
岸本怜奈「え〜・・・・・・でもー」
豊田朔「でもじゃない!」
〇教室
岸本怜奈「はぁ・・・・・・」
中川大輔「どうしたんだ?ため息なんか吐いて」
岸本怜奈「大輔くん・・・・・・」
中川大輔「悩みでもあるなら相談にのるぜ」
岸本怜奈「・・・・・・あのね」
岸本怜奈「トイレの花子さんを探しに行ったら──」
中川大輔(あ〜やっちまった・・・・・・!)
中川大輔(心配した俺が馬鹿だった!コイツの悩みなんて心霊とか怪異に決まってんのに!)
岸本怜奈「それで、朔に怒られちゃったんだよね」
中川大輔「そ、そうか・・・・・・」
岸本怜奈「でも私、花子さんを諦めきれない!」
中川大輔「は、花子さんがこの学校にいるとは限らねぇだろ」
岸本怜奈「この学校、いくつか怪談があるんだけど」
岸本怜奈「その1つに花子さんみたいな噂もあるんだよ」
岸本怜奈「『3階女子トイレの3番目の個室に入ると、何者かに連れ去られる』って話だよ!」
中川大輔(女子トイレか・・・・・・なら俺には関係な──)
岸本怜奈「大輔くんにも手伝ってほしいんだけど!」
中川大輔「はぁ!?」
中川大輔「俺が女子トイレに入るのはダメだろ!」
岸本怜奈「うん、だから大輔くんには門番をしててほしいの」
中川大輔「門番・・・・・・?」
岸本怜奈「誰かがトイレに入ってきて、巻き込まれちゃったら大変だから」
岸本怜奈「私が花子さんと話してる間は、誰もトイレに入れないでね」
中川大輔「そ、そんなの豊田にやらせろよ・・・・・・!」
岸本怜奈「朔と2人で花子さんに会おうと思ったけど・・・・・・」
岸本怜奈「大輔くんが嫌なら仕方ないか・・・・・・」
中川大輔「今回だけは無理だ!」
岸本怜奈「わかった・・・・・・」
〇教室
岸本怜奈「それじゃあ行こう!」
豊田朔「私が門番やるんだっけ?」
豊田朔「そもそも門番なんてしたら、他の子にめっちゃ迷惑だと思うけど・・・・・・」
岸本怜奈「他の子が花子さんに連れて行かれちゃうよりいいでしょ?」
豊田朔「その前に花子さん探しをやめたらいいのに・・・・・・」
〇女子トイレ
豊田朔「何かあったらすぐに呼んでよ?」
岸本怜奈「はーい、ありがと」
岸本怜奈「さて・・・・・・今日は出てきてくれるといいけど」
岸本怜奈「花子さんいらっしゃいますか?」
「わぁぁっっ!!!」
〇学校の廊下
豊田朔「今の声・・・・・・!」
豊田朔「怜奈!!!」
〇個室のトイレ
岸本怜奈「うっ・・・・・・いたた・・・・・・」
岸本怜奈「わっ、花子さん!?」
花子さん「そうだよ!」
岸本怜奈「聞いてた見た目とは随分違うけど・・・・・・」
岸本怜奈「こういうのも怪異らしいよね!」
花子さん「お姉さん、あたしが怖くないの?」
岸本怜奈「怖くないよ、ずっと会いたかったんだもん」
豊田朔「怜奈っ!!!」
豊田朔「えっ・・・・・・その子・・・・・・」
岸本怜奈「花子さんだよ、やっと会えたの!」
豊田朔「もっとおかっぱで赤い服かと思ってた・・・・・・」
花子さん「やった!2人もお姉さん来てくれた!」
花子さん「3人で遊びましょ!」
豊田朔(やばい・・・・・・このままだと何されるか・・・・・・)
豊田朔(怜奈には悪いけど、100点の答案用紙で撃退しよう・・・・・・!)
豊田朔「花子さん!これ見て!」
花子さん「・・・・・・・・・・・・」
岸本怜奈「・・・・・・・・・・・・」
豊田朔「えっ、き、効かない!?」
花子さん「何その紙?はなまるが書いてあるけど」
岸本怜奈「朔・・・・・・何してるの?」
豊田朔「えっ!?私がおかしいみたいな流れ!?」
豊田朔「だって花子さんには100点の答案が効くって・・・・・・」
岸本怜奈「朔、ちょっといい?」
岸本怜奈「花子さんは待っててね」
花子さん「はーい」
岸本怜奈「花子さんは怪異なんだよ!?テストが何か分かるわけないじゃん!」
豊田朔「え・・・・・・でも、花子さんって元人間の怪異のはずじゃ・・・・・・」
岸本怜奈「元人間・・・・・・?」
岸本怜奈「人間に元も何もないでしょ!」
豊田朔「いや、あるでしょ・・・・・・」
岸本怜奈「元々人間だったならそれは人間だよ」
豊田朔「でも幽霊とか──」
花子さん「ねぇ、そろそろ遊ぼうよ〜」
岸本怜奈「あ、ごめんね!何して遊ぼっか!」
花子さん「ん〜・・・・・・首絞めごっこがいいな」
豊田朔「怜奈!逃げるよ!!」
岸本怜奈「わあぁぁぁっ!!」
花子さん「行っちゃった・・・・・・」
花子さん「追いかけたいけど、私の縄張りはトイレだけだしなぁ・・・・・・」
〇学校の廊下
中川大輔「怜奈のヤツ、大丈夫かな・・・・・・」
中川大輔「豊田もいないし、まじで何か──」
中川大輔「うわぁっ!?なんだお前ら!?」
豊田朔「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・危なかった」
岸本怜奈「もう、まだまだ話せそうだったのに!」
豊田朔「明らかに危なかったでしょ!私がいなかったら死んでたかもよ!」
中川大輔「お、おい・・・・・・出たのか・・・・・・?」
豊田朔「あれ、中川君がなんでここに?」
豊田朔「覗き・・・・・・?」
中川大輔「ちげーわ!!花子さん見に行ったお前らが心配で来たんだよ!」
豊田朔「ああ、怜奈から聞いてたんだ」
中川大輔「その様子だと、ホントに出たみたいだな・・・・・・」
中川大輔「転校してぇ・・・・・・」
岸本怜奈「男子トイレにも何か出るといいね!」
中川大輔「いや・・・・・・しばらく3階のトイレは使わねぇ」
今度はトイレの花子さん😃 考えてみると日本には、結構有名な怪談が一杯あるのですね!!
時代によってトレンドの怪談があるでしょうね。
女性同士の友情も感じられたし、花子さんもちょっと寂しそうだったのが印象に残りました😅
ショート怪談は面白いですね!!