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黄昏ヤキ

エピソード9 第1部終了(脚本)

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〇殺風景な部屋
死神 サラン「早速ですが、神会での話し合いの結果から申しましょう」
天使 リスタ「それで!結果はどうなったの?」
死神 サラン「保留です」
阿良 陸「保留?」
天使 リスタ「どういう事?」
死神 サラン「こういったケースは稀な為、様子を観察していくという話になりました」
死神 サラン「現世に戻す事は可能です。しかしながら、余りにもこの世界の事を貴方は知り過ぎた」
阿良 陸「俺、誰にも話さないよ!だから!!!」
天使 リスタ「そうだよ!陸は約束は守る人だよ」
死神 サラン「分かっています。阿良陸様のお人柄は」
死神 サラン「しかしですね。この黄泉世界に現世の人が来れた理由、実際問題なく私達と話せている理由。そして何より」
死神 サラン「時間軸がバラバラな理由が現段階で判断が付いていないのです」
ヌイ「神会とあろう所が理由がはっきりしていないという事があるのかしら」
死神 サラン「さぁー?知り得ません」
天使 リスタ「はい?」
死神 サラン「最高権力者であろうお方は会議には参加しませんから」
死神 サラン「全てを司る絶対権力者で居られるお方は勿論の事全ての事柄を知っておられますが、私共しもべはあくまでも部下」
死神 サラン「全てを知っている訳では無いのです。そこで」
死神 サラン「リスタくん、貴方が阿良陸様のご遺族との事でお願いをしようと思っています」
天使 リスタ「何を?」
死神 サラン「阿良陸様の経過観察をして欲しいのです。そして定期的に私どもにご報告して頂きたく思っています」
天使 リスタ「陸の様子を死神に報告して欲しいという事?」
死神 サラン「はい。私よりも適任者であると判断しました」
死神 サラン「リスタくんの仕事に付き合って頂きながら、阿良陸様の御処分を決めていくという方針で可決されましたのでよろしくお願いします」
天使 リスタ「って事は、僕の助手になったって事?」
死神 サラン「そうなります」
阿良 陸「俺は現世に帰れるのか?」
死神 サラン「それは分かりません」
天使 リスタ「どういう事なの?」
死神 サラン「残念ながらそのままの意味ですよ。阿良陸様は現在、仮死状態で在られる。それは間違いありません」
死神 サラン「その為、死んではいないのは確定というか肉体は現世に存在しています」
死神 サラン「先程見た病院の通りですね」
死神 サラン「此処で貴方たちも疑問に思ったようなのですが、時間感覚がおかしい事が原因に思われます」
死神 サラン「理由は定かではないのですが、阿良陸様、貴方は17歳と80歳二つの可能性があるんですよ」
阿良 陸「え?どういう事だ?俺は17歳だろ?服的にも」
死神 サラン「いえ、それがそうとは言えないんですよ」
死神 サラン「此処は黄泉の世界、時間は現世と同じように進んではいるのですが、身体は違います」
天使 リスタ「あ、そういう事!?」
死神 サラン「リスタくんは分かったみたいですね」
阿良 陸「どういう事なんだ?」
天使 リスタ「陸も僕と同じようになっている可能性があるって事だよ。僕はヴァンパイア少女から取ったスタイルで生活しているけど」
天使 リスタ「陸の場合は自分が一番覚えている頃、高校生の陸を模倣している可能性がある」
阿良 陸「俺は実はもう死んでいて高校生の制服を着ていた」
死神 サラン「記憶喪失という事で死んだ事に気づいていない」
天使 リスタ「今まで僕達が旅して来たのはあくまでも過去の出来事だからね」
死神 サラン「そういう事です。それに、阿良陸様は覚えていないみたいなんですけど、私貴方にもっと前にお会いしているんですよ」
死神 サラン「その時は、召喚されたが正しいんですけど」
阿良 陸「!?」
阿良 陸「俺、やはり会った事があるのか?」
死神 サラン「やはりという事は少しは覚えているみたいですね」
天使 リスタ「契約!?死神と契約なんて陸、何をしたの?」
阿良 陸「そ、そんなこと言われても覚えていないんだ。俺は一体何を死神と契約したんだ?」
死神 サラン「まぁ、それは言わないでおきます。可能性あるのは色々なんですね」
天使 リスタ「どういうことなの?」
死神 サラン「誰にも話さない。これが契約の約束の一つですので残念ながら」
死神 サラン「ひとつ言いますが、契約と今回の事件は関係ありませんのでそれだけは宜しくお願い致します」
死神 サラン「別件で契約していたのです」
死神 サラン「阿良陸様が現世に帰れるかは分かりませんが、それまで黄泉の世界で生きていて下さい。時折来ますね」
阿良 陸「俺は現世に戻る事が出来ないのか?」
死神 サラン「いえ、戻れる可能性はありますよ」
阿良 陸「ど、どうやってだ!?」
死神 サラン「リスタくんとお仕事して下さい。そしてこの世界の権力を勝ち取るのです」
天使 リスタ「権力者になれって事?」
死神 サラン「そうですね。信頼、実力を勝ち取ればご褒美が受け取れます。その際現世に行きたいと言えば行く事は可能になります」
天使 リスタ「そう言えば、第一に輝けば行けるんだっけ。上の世界過ぎて考えたこともなかったや」
死神 サラン「何名かは現世で仕事をしていますよ。夢物語ではありません」
阿良 陸「え!?そうなのか?」
死神 サラン「はい。鏡だけではどうしても限界がありますからね」
死神 サラン「貴方たち二人なら可能だと思います」
天使 リスタ「頑張る価値はあるか・・・」
死神 サラン「死んでない可能性にかけて疑問点を潰す作業にも効率的だと考えていますので頑張って下さい」
天使 リスタ「言うだけ言って言ってしまった」
阿良 陸「もっと聞きたいことあったのに・・・」
ヌイ「あの人、神出鬼没の変人って有名だから、あんなに話しているの初めて見ましたわ」
天使 リスタ「そうだね、神会とこんなに関わる事になるなんて」
阿良 陸「死神サランか・・・」
天使 リスタ「陸・・・?」
ヌイ「それにしても、阿良さん、黄泉の国に正式に入れるようになってそれもリスタの手伝いをする事になるなんて」
ヌイ「これからよろしくお願いしますわ」
天使 リスタ「現世に戻れないのは残念だけど、黄泉世界で正式に生きる権利は出来たからね。僕の仕事のお手伝い宜しくね」
阿良 陸「そうか・・・。 まぁでもなんか凄くワクワクしてきた!!」
天使 リスタ「サランが言っていたみたいに第一になって現世にいくのも手だしね」
阿良 陸「ひとつ疑問なんだけど、現世って何回か行っていないか?」
天使 リスタ「僕達が行っていたのはあくまでも過去の思い出の場所。それも走馬灯、記憶の中のね」
天使 リスタ「それで第一になると行けるのは間違いなく現世。それも今の時間軸の場所」
阿良 陸「今の時間軸の現世にいける・・・」
天使 リスタ「それも肉体と地位を持ってね」
阿良 陸「それじゃあ!」
天使 リスタ「分かったみたいだね。一気に問題解決に大きく繋がるって事だよ!」
阿良 陸「じゃあ、第一とやらにならないとな!」
天使 リスタ「難しいけど・・・陸の為にいっちょやってみますか!」
ヌイ「ふふふ」
天使 リスタ「どうしたの?ヌイ?」
ヌイ「いや・・・ふふふ。リスタがこんなにも張り切るの初めてみたわっと思っただけよ」
天使 リスタ「・・・そうかな」
ヌイ「そうよ。私も勿論陰ながら手伝うわ!第一目指すわよ!!」
阿良 陸「ありがとな!リスタ!ヌイ!」
  こうして、リスタのお手伝いをする事になったのであった。
  第一部終了

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