『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

第7話 秘密と嫉妬と終幕と……(脚本)

『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

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〇明るいリビング
三雲悠生「なぁ」
三雲しほ「え!?」
三雲しほ「お兄ちゃんキモチワル!!」
三雲悠生「え!?」
三雲悠生「話しかけただけじゃん」
三雲しほ「話しかけるのが気持ち悪い」
三雲悠生「えぇ・・・・・・」
三雲しほ「じゃ、行ってくるね」
三雲悠生「デートか!?」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲悠生「しほ」
三雲悠生「女優がお付き合いするのはよくないって」
三雲悠生「なんど言えばわかるんだよ」
三雲しほ「デートじゃないですぅ!!」
三雲しほ「撮影ですぅ!!」
三雲しほ「あと、太希とは別れたから」
三雲悠生「え・・・・・・」
三雲悠生「そ、そうか!!」
三雲悠生「いやぁ」
三雲悠生「分かってくれたか、兄の気持ちが!!」
三雲悠生「うれしいぞ!!」
三雲悠生「うれしすぎるぞ!!」
三雲しほ「今は、別の人と付き合ってるから」
三雲悠生「え!?」
三雲悠生「今・・・・・・」
三雲悠生「なんと!?」
三雲しほ「じゃ、いってきまーす」
三雲悠生「お、おい!!しほ!!」
三雲悠生「・・・・・・」

〇病室
藤田賢雄「カスミ、入るぞ」
鈴鹿カスミ「どうぞ!!」
藤田賢雄「調子はどうだ!?」
鈴鹿カスミ「元気いっぱいだよ!!」
藤田賢雄「そうか」
藤田賢雄「なら、よかった」
藤田賢雄「こいつ持ってきた」
鈴鹿カスミ「おぉ!!ありがとーー!!」
鈴鹿カスミ「めっちゃうれしい!!」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「そういえばさぁ」
鈴鹿カスミ「賢雄が出てるドラマって」
鈴鹿カスミ「撮影は今、どの辺りまで進んでるの!?」
藤田賢雄「もうクライマックスだな」
藤田賢雄「最後は」
藤田賢雄「エキストラさんに協力してもらって」
藤田賢雄「撮影するんだよ」
鈴鹿カスミ「へぇ」
鈴鹿カスミ「ちなみに、どこで!?」
藤田賢雄「今日の、駅前だな」
鈴鹿カスミ「へぇ」

〇大企業のオフィスビル
内田監督「いやぁ」
内田監督「エキストラさん」
内田監督「めっちゃ、大勢の方に来てもらってるね」
内田監督「この作品の影響が顕著に表れてるよね」
内田監督「それもこれも」
内田監督「君たちの尽力が大きいと思うよ」
内田監督「賢雄くん」
内田監督「しほちゃん」
内田監督「ラストスパートだよ」
内田監督「気合い入れていこうね!!」
「はい!!」
内田監督「じゃ」
内田監督「こっちも、もうちょっと準備するから」
内田監督「少しだけ待っててね!!」
「はい!!」
三雲しほ「賢雄!!」
三雲しほ「こないだね、近くに新しいカフェがね」
三雲しほ「できたんだって」
三雲しほ「今度、一緒に行かない!?」
藤田賢雄「いいですね」
藤田賢雄「行きましょう」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「あのさぁ、賢雄」
三雲しほ「私たち恋人なんだよ」
三雲しほ「もう、敬語はいらないよね」
藤田賢雄「そう・・・・・・ですね」
三雲しほ「ハイハイ!!敬語禁止!!」
三雲しほ「禁止禁止禁止!!!!!!!!」
藤田賢雄「わ、分かりましたよ・・・・・・」
藤田賢雄「もう敬語使いません」
三雲しほ「使ってんじゃん」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「もう、使わないよ」
三雲しほ「よろしい!!」
藤田賢雄「でも、あんまり」
藤田賢雄「俺たちが付き合ってるって」
藤田賢雄「言わないでくれよ」
藤田賢雄「特に、こういう人のいる場所では」
三雲しほ「分かってる!!」
藤田賢雄「やっぱ・・・・・・」
藤田賢雄「敬語なしは慣れないな」
三雲しほ「大丈夫!! 大丈夫!!!!」
三雲しほ「すぐ慣れるよ!!」
三雲しほ「じゃ!!」
三雲しほ「いっしょに本読みしよっか!!」
藤田賢雄「ですね!!」
三雲しほ「こら!!!!」
三雲しほ「敬語禁止!!!!」

〇大企業のオフィスビル

〇大企業のオフィスビル
藤田賢雄「なかなか、衝撃のラストですね」
三雲しほ「だねー」
三雲しほ「びっくりしちゃったよぉぉ」
三雲しほ「あと、敬語禁止!!」
藤田賢雄「あぁ・・・・・・」
藤田賢雄「ごめん」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「え!?」
藤田賢雄「か、カスミ!?」
鈴鹿カスミ「こんにちは!!」
鈴鹿カスミ「賢雄、頑張ってるね!!」
藤田賢雄「ま、まぁな」
藤田賢雄「ていうか!!そんな場合じゃなくて!!」
藤田賢雄「ちょっと行くぞ!!」
鈴鹿カスミ「え!?」
鈴鹿カスミ「ちょ、ちょっと!!」

〇入り組んだ路地裏
藤田賢雄「なんで、こんなとこにいるんだよ」
鈴鹿カスミ「いやぁ」
鈴鹿カスミ「せっかくだし、エキストラとして」
鈴鹿カスミ「参加したいなって・・・・・・」
藤田賢雄「いや、そうじゃなくて!!」
藤田賢雄「入院してるんだぞ!!」
藤田賢雄「なのに・・・・・・」
鈴鹿カスミ「あぁ」
鈴鹿カスミ「抜け出してきました!!」
藤田賢雄「はぁ!?」
藤田賢雄「帰るぞ!!」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「やだ!!」
藤田賢雄「帰るぞ!!」
鈴鹿カスミ「やーだーよー!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「はぁ」
鈴鹿カスミ「私も出たい!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「わかったよ」
藤田賢雄「まぁ、エキストラとして歩くだけ」
藤田賢雄「それだけだからな!!」
鈴鹿カスミ「やったね!!」
藤田賢雄「あとなぁ・・・・・・」
藤田賢雄「俺とカスミが付き合ってるって」
藤田賢雄「絶対に言うなよ!!」
鈴鹿カスミ「えー!?なんでーー!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「しほさんって」
藤田賢雄「恋バナでいじってくるタイプなんだ」
藤田賢雄「だから、バレるとちょっとめんどい」
鈴鹿カスミ「三雲しほか・・・・・・」
藤田賢雄「あぁ、そうだ」
鈴鹿カスミ「賢雄の恋人役の」
鈴鹿カスミ「三雲しほだね」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「あぁ、そうだ」
鈴鹿カスミ「うん!!わかった!!」
鈴鹿カスミ「私と賢雄が付き合ってるってことは」
鈴鹿カスミ「言わないよ!!」
藤田賢雄「ありがとな」

〇大企業のオフィスビル
三雲しほ「ふぅ」
三雲しほ「あ、帰ってきた」
藤田賢雄「ただいま、帰りました」
鈴鹿カスミ「どうも、三雲しほさん」
鈴鹿カスミ「お初にお目にかかります」
鈴鹿カスミ「鈴鹿カスミと申します」
三雲しほ「えぇ、よろしくお願いします」
三雲しほ「ちなみに、あなたは賢雄の何ですか?」
藤田賢雄「え!?」
鈴鹿カスミ「友達です」
鈴鹿カスミ「賢雄とは同い年です」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「へぇ、私の一個下か」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「もしかして、この間デート中に抜けて」
三雲しほ「駆けつけていった」
三雲しほ「ご病気の・・・・・・」
鈴鹿カスミ「デート!?」
藤田賢雄「あぁ!!」
藤田賢雄「デートってのは、ドラマのことだな」
藤田賢雄「ですよね!!しほさん!!」
三雲しほ「あ、そうだったね」
三雲しほ「あと、敬語とさん付け禁止!!」
三雲しほ「禁止禁止禁止!!!!」
藤田賢雄「ごめん」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
三雲しほ(でも、そっか)
三雲しほ(デートも秘密にした方がいいか)
三雲しほ(危ない危ない)
三雲しほ「申し遅れました!!」
三雲しほ「私は、賢雄の恋人役をしています」
三雲しほ「三雲しほと言います」
鈴鹿カスミ「知ってます、知ってます!!」
鈴鹿カスミ「存じておりますとも!!」
鈴鹿カスミ「ドラマ、見てます!!」
三雲しほ「ありがとうございます!!」
鈴鹿カスミ「でも」
鈴鹿カスミ「賢雄の恋人役」
鈴鹿カスミ「たぶん、私もできます」
鈴鹿カスミ「というか、私の方がうまいと思います」
三雲しほ「は!?」
藤田賢雄「あっ、ちょ」
鈴鹿カスミ「なんつって!!」
鈴鹿カスミ「じょーだんですよ!!」
鈴鹿カスミ「フフフフフ」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「アハハハハハハハハ」
三雲しほ「面白い冗談ね」
三雲しほ「年下のクセに」
三雲しほ「生意気ね」
三雲しほ「ガキが・・・・・・潰すぞ」
鈴鹿カスミ「うん!?」
鈴鹿カスミ「私よりおばさんな人が、なにか言ってるね」
鈴鹿カスミ「おばさんが何か言ってるね」
鈴鹿カスミ「おばさんが!!!!」
鈴鹿カスミ「ババァが!!」
鈴鹿カスミ「ね!賢雄!!」
三雲しほ「年齢は一つしか変わらないよね」
三雲しほ「だったら、お前もババァだよ」
鈴鹿カスミ「は!?」
藤田賢雄「え・・・・・・」
藤田賢雄(なにこれ)
藤田賢雄(怖いんだけど)
鈴鹿カスミ「ちなみに」
鈴鹿カスミ「賢雄とは」
鈴鹿カスミ「いつから知り合いなんですか!?」
三雲しほ「このドラマのクランクインからだね」
三雲しほ「だから」
三雲しほ「最近知り合ったばっか」
鈴鹿カスミ「へぇぇ」
鈴鹿カスミ「私は小学生のときからですね」
三雲しほ「期間マウントとか・・・・・・」
三雲しほ「賢雄、こいつ性格ダメだわ」
三雲しほ「義務教育の敗北ね」
三雲しほ「どんな家庭で育ったら」
三雲しほ「こんなことになるのかしら」
三雲しほ「親の顔が見てみたいわ・・・・・・」
三雲しほ「アハハハハハハハハ」
藤田賢雄(怖すぎ・・・・・・)
鈴鹿カスミ「人の親を馬鹿にするなんて」
鈴鹿カスミ「あなたの方が性格悪いでしょ」
三雲しほ「今、なんつった!?」
鈴鹿カスミ「あーごめんなさい」
鈴鹿カスミ「おばあさんは耳が遠いんですね!!」
鈴鹿カスミ「ごめんなさい!!!!」
三雲しほ「チッ・・・・・・」
三雲しほ「ガキが、殺すぞ」
三雲しほ「撮影前のタレントに話しかけて」
三雲しほ「迷惑なやつめ」
藤田賢雄「ちょ、二人とも・・・・・・」
内田監督「はーい」
内田監督「そろそろ撮影入るからね!!」
内田監督「賢雄くん、しほちゃん大丈夫!?」
「はい!!」

〇大企業のオフィスビル
藤田賢雄「浮気、疑ってごめんね」
藤田賢雄「やっぱり、僕の勘違いだったんだ」
三雲しほ「いいよ!!」
藤田賢雄「やっぱり、僕には君しかいないみたいだ」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
三雲しほ「私もよ!!」
三雲しほ「これから、私達だけの」
三雲しほ「幸せを築いていこうね!!」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
藤田賢雄「うん!!」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
  こうして
  その恋は、愛へと変化する
  ──終幕──

〇公園のベンチ
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
藤田賢雄「不機嫌そうだな」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「うるさい!!」
藤田賢雄「さっきの撮影のことか!?」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「違う」
藤田賢雄(嘘が下手なやつだな)
藤田賢雄「はぁ・・・・・・」
藤田賢雄「遊園地連れてってやるから」
藤田賢雄「機嫌直せよ」
鈴鹿カスミ「ホント!?」
藤田賢雄「ただし」
藤田賢雄「体が治ってからな」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「意地悪!!」
藤田賢雄「アハハハハハハハハ」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「・・・・・・でも」
鈴鹿カスミ「ちょっぴり、うれしい」
鈴鹿カスミ「頑張って病気治すから!!」
藤田賢雄「おう!!」
藤田賢雄(治してやるよ)
藤田賢雄(俺が、この手で)
藤田賢雄(あと、少し)
藤田賢雄(もう少しだ・・・・・・)
藤田賢雄(待っててくれよ、カスミ)

〇駅のホーム
神崎太希「あー、もしもし」
神崎太希「日教編集の方ですか?」
神崎太希「ちょっーーと、”ビッグニュース”がありましてね」
神崎太希「とある女優について何ですけどね」
神崎太希「”未成年喫煙”の証拠がありまして」
神崎太希「えぇ」
神崎太希「では、実際に会ってお話できますか?」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「分かりました・・・・・・」
神崎太希「では、またその日に」
神崎太希「しほもこれで終わりだな」
神崎太希「けんゆう」
神崎太希「お前がやったことの罰を受けるときだ」

次のエピソード:第8話 四度目の初デート

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