〇遊園地の広場
藤田賢雄「その男は、浮気してるんですよ!!」

〇総合病院
　　数日前
鈴鹿カスミ「私が賢雄と付き合ってる理由」
鈴鹿カスミ「賢雄のことが好きになった理由」
鈴鹿カスミ「それはね・・・・・・」
鈴鹿カスミ「遅刻が多いとか」
鈴鹿カスミ「屁理屈言うとことか」
鈴鹿カスミ「めんどくさいとことか」
鈴鹿カスミ「顔はいいのに中身が壊滅的なとことか」
藤田賢雄「えぇ!?」
藤田賢雄「俺、終わってるじゃん」
鈴鹿カスミ「フフフフ」
鈴鹿カスミ「あとはねぇ」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「落ち込んだとき一緒にいてくれるとことか」
鈴鹿カスミ「かな？」
鈴鹿カスミ「覚えてる？」
鈴鹿カスミ「私が前のカレシに浮気されて泣いてたとき」
鈴鹿カスミ「一緒にいてくれたよね」
鈴鹿カスミ「あれね」
鈴鹿カスミ「けっこう、うれしかったんだよ」
藤田賢雄「そうか・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「もしかして、ヤイてる？」
藤田賢雄「はぁ!?」
鈴鹿カスミ「元カレの話出されて」
藤田賢雄「べ、別に・・・・・・」
鈴鹿カスミ「ふーん」
鈴鹿カスミ「もし、嫉妬したならね」
鈴鹿カスミ「賢雄も」
鈴鹿カスミ「他のオンナに鼻の下伸ばすんじゃないよ！」
鈴鹿カスミ「わかった!?」
藤田賢雄「はいはい」
藤田賢雄「わかってる、わかってる」
鈴鹿カスミ「なーに!?そのてきとーな返事!!」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
藤田賢雄「あぁ、ごめんて」
鈴鹿カスミ「フフフフ」
鈴鹿カスミ「あぁ、そういえば」
鈴鹿カスミ「忘れてないよね？」
藤田賢雄「何が？」
鈴鹿カスミ「私がお医者さんになったら」
鈴鹿カスミ「賢雄がかかった病気直してあげるって」
鈴鹿カスミ「約束」
藤田賢雄「あぁ」
藤田賢雄「忘れてた」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「サイテー!!」
藤田賢雄「ごめん、ごめん」
藤田賢雄「しっかり、覚えてるよ」
鈴鹿カスミ「ホントに!?」
藤田賢雄「あぁ」
藤田賢雄「でもさぁ」
藤田賢雄「それだったら」
藤田賢雄「俺が病気にかかるのが前提みたいじゃん」
鈴鹿カスミ「まぁ、もし罹患したらの話だからね!!」
鈴鹿カスミ「絶対忘れないでよ!!」
鈴鹿カスミ「私の勉強するモチベーションにもつながってるんだからね!!」
藤田賢雄「あぁ、わかってる」
藤田賢雄（約束は破らないから・・・・・・）
藤田賢雄（約束は破らせないから・・・・・・）
藤田賢雄（絶対に・・・・・・）

〇川沿いの公園
浜口ユメノ「どしたん？」
浜口ユメノ「こんなとこに呼び出して」
藤田賢雄「最近」
藤田賢雄「デートしたか？」
藤田賢雄「太希と」
浜口ユメノ「あぁ」
浜口ユメノ「海行って」
浜口ユメノ「今季限定イルミネーションも行ったよ!!」
藤田賢雄「イルミネーション・・・・・・ですか」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「ユメノさん」
藤田賢雄「太希からしほさんを剥がしたいか？」
浜口ユメノ「・・・・・・」
浜口ユメノ「そりゃあね」
浜口ユメノ「でも、何言っても聞かないよ」
浜口ユメノ「たいちゃんから、三雲しほは剥がせない」
藤田賢雄「いや」
藤田賢雄「可能だ」
浜口ユメノ「・・・・・・」
藤田賢雄「そのために」
藤田賢雄「少しだけ」
藤田賢雄「俺に協力してくれ」
浜口ユメノ「・・・・・・」
浜口ユメノ「・・・・・・」
浜口ユメノ「三雲しほのこと」
浜口ユメノ「諦めてないんだ」
藤田賢雄「あぁ」
藤田賢雄「諦めてないよ」
藤田賢雄「諦められないんだ」
浜口ユメノ「・・・・・・」

〇遊園地の広場
　　とある日曜日
藤田賢雄「・・・・・・」

〇黒
神崎太希「これ以上」
神崎太希「しほに手を出したら」
神崎太希「タバコの動画を拡散する」
神崎太希「そうすれば」
神崎太希「ドラマはどうなるかな・・・・・・」
浜口ユメノ「三雲しほは、辞めときなよ」
三雲しほ「私、夢なの」
三雲しほ「このドラマにでるの!!」

〇遊園地の広場
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄（確かに）
藤田賢雄（三雲しほに手を出せば）
藤田賢雄（タバコの動画が拡散されれば）
藤田賢雄（ドラマに迷惑がかかる）
藤田賢雄（三雲しほの女優人生だって・・・・・・）
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「でも」
藤田賢雄「それでも!!!!」

〇病室
鈴鹿カスミ「私、女医になりたんだ」
鈴鹿カスミ「夢なの!!」

〇遊園地の広場
藤田賢雄「俺は、諦められない」
藤田賢雄「カスミのために」
藤田賢雄「三雲しほを奪ってみせる!!!!」

〇遊園地の広場
　　そして、現在
藤田賢雄「その男は、浮気してるんですよ!!」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「何言ってんの？賢雄くん」
三雲しほ「そんなわけないじゃん!!」
藤田賢雄「浮気してるよな、太希」
三雲しほ「え？」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「けんゆーもおかしなことを言うな」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「え!?」
三雲しほ「二人知り合いだったの!?」
藤田賢雄「えぇ」
藤田賢雄「同級生です」
神崎太希「同じクラスだな」
三雲しほ「なんだ、教えてくれればよかったのに」
神崎太希「あぁ、言ってなかったな。そういえば」
三雲しほ「で、でもさぁ、賢雄くん」
三雲しほ「あなたの友達だとしても」
三雲しほ「太希は、私の彼氏」
三雲しほ「浮気してるとか」
三雲しほ「失礼にも程があるよね!!」
神崎太希「そうだな」
神崎太希「マジで、参っちまうぜ」
神崎太希「俺が浮気してるなんてな」
神崎太希「けんゆーも冗談はよしとけよな」
神崎太希「おもんねーぜ」
神崎太希「でさぁ」
神崎太希「お一人様で遊園地はどうだ!?」
神崎太希「楽しいか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「全然、楽しくなさそうだな」
神崎太希「こういう場所は、恋人作ってから来いよな!!」
藤田賢雄「恋人か・・・・・・」

〇黒
鈴鹿カスミ「楽しみだね！遊園地!!」

〇遊園地の広場
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄（そうだった）
藤田賢雄（恋（レン）病に苦しめられる前）
藤田賢雄（俺はカスミと、この遊園地に来る予定だったんだ）
藤田賢雄（今度は・・・・・・）
藤田賢雄（今度こそは・・・・・・必ず）
藤田賢雄（カスミと・・・・・・）
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「まぁ」
神崎太希「一人でも満喫できるならいいか」
藤田賢雄「太希」
藤田賢雄「話をそらすな」
三雲しほ「ちょっと!!」
三雲しほ「賢雄くん!!」
三雲しほ「まだ言ってるの!?」
三雲しほ「太希がそんなことするわけないじゃん!!」
三雲しほ「あなた今、自分の友達に向かって」
三雲しほ「浮気してるって言ってるんだよ!!」
三雲しほ「ひどいよ!!」
三雲しほ「太希は、絶対にそんなことしない!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「なら」
藤田賢雄「これを見ても」
藤田賢雄「まだそんなことが言えますか!?」
　　藤田賢雄は、自身のスマートフォンを見せた

〇イルミネーションのある通り
　　それは、二人の写真だった
　　正真正銘
　　恋人の写真だった

〇遊園地の広場
三雲しほ「え!?」
三雲しほ「・・・・・・」
神崎太希「しほ、安心してくれ」
神崎太希「そいつは、元カノだ」
神崎太希「はぁ・・・・・・」
神崎太希「俺に罪を着せるためにこんなことまで」
神崎太希「俺たち、親友だろ!?」
藤田賢雄「元カノ!?」
藤田賢雄「とぼけるな!!」
藤田賢雄「この写真のイルミネーションは、今季行なわれているものだ」
藤田賢雄「今、やっているものだ」
藤田賢雄「ですよね」
藤田賢雄「しほさん」
藤田賢雄「いっしょに、俺とデートしましたよね」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
藤田賢雄「しほさん!!」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「てめぇ」
神崎太希「なにしてくれてんだ」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「言ったよな」
神崎太希「これ以上、しほに手を出したら」
神崎太希「タバコの動画を拡散するって」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「そしたら」
神崎太希「しほのドラマも」
神崎太希「しほの夢も」
神崎太希「しほの女優生命も」
神崎太希「全部おじゃんだ」
神崎太希「好きなオンナの悲しむ姿」
神崎太希「見てーのか!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「言っただろ」
藤田賢雄「俺はただ・・・・・・」
藤田賢雄「浮気が許せないだけだ」
神崎太希「チッ・・・・・・」

〇公園のベンチ
藤田賢雄「ハァハァ・・・・・・」
藤田賢雄「探しましたよ」
藤田賢雄「しほさん」
藤田賢雄「まさか、遊園地の外に出てるなんて」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「なんで」
三雲しほ「こんなことしたの!?」
藤田賢雄「その言葉は」
藤田賢雄「太希に言うべきでしょ」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「私は、賢雄くんに聞いてる」
三雲しほ「なんで」
三雲しほ「あの場所で」
三雲しほ「あのときに」
三雲しほ「もっと、違う方法が・・・・・・」
藤田賢雄「そう・・・・・・かもしれませんね」
藤田賢雄「すみません。俺の落ち度です」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「こんなことになるなら」
三雲しほ「言って欲しくなかった」
三雲しほ「私は、ずっと騙されたままで」
三雲しほ「よかった」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「そんなのはダメです」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「私は、それでいいって言ってるの!!」
三雲しほ「あなたの意見は聞いてない!!」
藤田賢雄「それでも」
藤田賢雄「絶対にダメだ!!」
藤田賢雄「そんなのは、絶対にダメだ」
三雲しほ「うるさい!!」
三雲しほ「私はいいの!!」
藤田賢雄「俺が嫌です」
藤田賢雄「俺が・・・・・・嫌なんです」
三雲しほ「なんで!!」
三雲しほ「なんでよ!!」
三雲しほ「人の幸福に、踏み込んでこないで!!」
三雲しほ「なんで・・・・・・」
三雲しほ「なんで、こんな・・・・・・」
藤田賢雄「俺は、浮気が許せないんです」
三雲しほ「・・・・・・」

〇黒
鈴鹿カスミ「私、彼氏に浮気されてたみたい」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「もう、死んじゃいたい」

〇公園のベンチ
藤田賢雄「むかし」
藤田賢雄「友達が浮気されたことがあるんです」
藤田賢雄「それで、死んでしまいたいぐらいに」
藤田賢雄「苦しんでました」
藤田賢雄「だから」
藤田賢雄「俺は、浮気は許せない」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「だとしても」
三雲しほ「こんなことまでして」
三雲しほ「私の恋路に絡まなくても」
藤田賢雄「それは、嫌だ」
藤田賢雄「嫌なんです」
三雲しほ「・・・・・・なんで」
藤田賢雄「だって俺は」
藤田賢雄「三雲しほのことが好きだから」
三雲しほ「え・・・・・・」
藤田賢雄「あなたのことが好きだからです」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「俺は、浮気なんて絶対にしません」
藤田賢雄「浮気だけは、絶対にしません」
藤田賢雄「しほさんを悲しませない」
藤田賢雄「約束します」
藤田賢雄「だから・・・・・・」
藤田賢雄「今度は・・・・・・」
藤田賢雄「役でも」
藤田賢雄「役作りでもなく」
藤田賢雄「本気で、俺に惚れてください」
藤田賢雄「本気で、俺と付き合ってください!!!!」
　　三雲しほ
　　お前の恋も
　　お前の夢も
　　お前の人生も
　　利用させてもらう
　　カスミのために