エピソード1(脚本)
〇駅のホーム
〇渋谷のスクランブル交差点
狙い通りに、
ぽたぽたと、雨を降らせることは難しい。
〇湖畔の自然公園
それでも、
深刻な水不足にから脱却するという選択肢を、野岩知事は、選んだ。
〇新橋駅前
ところで、この街は、
どうやら、文字からすると、
水が集まる場所のようである。
〇渋谷のスクランブル交差点
特に、気にせず、立ち寄る場所を目指す。
行きは、田園調布線で、一駅。
それでも、歩かず、電車に乗って、向かう。
〇渋谷のスクランブル交差点
ところで、渋谷という土地は、
そんな事情もあってか、気の所為か、
単に、勾配の苦手な列車という乗り物なので、
〇渋谷のスクランブル交差点
高低差を配慮してなのか、
駅が、こんな街中でも、ごく最近まで地上に。
〇渋谷のスクランブル交差点
地下鉄の銀座線は、
東急百貨店の東横店の三階にある
ホームへと、吸い込まれていく。
〇渋谷のスクランブル交差点
時代が変わり、
これも、あと少しで、見納めになる。
〇電車の中
菊名駅で
今までが信じられないくらいに
人が一気に乗り込んでくる。
JR横浜線からの乗り換え組が
一気に、押し寄せる。
〇田舎駅の改札
かつては木造の陸橋で、結ばれ、
一度、JRのホームから階段を駆け上ると、
無駄に、一度、木造の階段を下って
その場所で、
〇田舎駅の改札
コインがあれば、簡単に、
運悪く、お札しかないと、
駅員が対応する両替窓口に並ぶという光景が、目の前に広がった。
〇田舎駅の改札
無論、定期を持っているサラリーマンや
学生は、何も問題はない。
〇田舎駅の改札
しかし、
どこかで知った片田舎から
東京に出張にやってくる出張族などが
意外に利用していて
余計に混み合う場所でもある。
〇田舎駅の改札
東京駅だけが、東京ではなく、
東京出張で目指す場所は、
案外、渋谷や新宿だったりするから、
こっちの方が便利なんだろう。
〇田舎駅の改札
やがて、電子マネーが、巷に、蔓延り、
この場所も、リニューアルされ、
そんな光景が、一新される。
〇田舎駅の改札
それにしても、片田舎に住む者にとって、
来る度に、光景が変わる。
それが、渋谷。
〇渋谷のスクランブル交差点
いつものように
ハチ公の銅像の前に足を運ぶ。
ここに来ると、何だか落ち着く。
都会に足を運び
焦る気持ちを落ち着かせる。
〇渋谷のスクランブル交差点
なんとなくではあるが、
そんな気分にさせてくれる。
若者にとって、
かつては、原宿が、聖地だった。
〇渋谷のスクランブル交差点
この場所で、闊歩していると、
スカウトされるという噂で、
意図して、無駄に歩き回る若い人たちで、
あふれた。
〇渋谷のスクランブル交差点
しかし、本当は、この場所だけではない。
このハチ公の銅像の間で、
目を配っている人の姿がある。
〇渋谷のスクランブル交差点
今は、もう、この世に存在しない
知る人ぞ知る人物。
〇渋谷のスクランブル交差点
やがて、この人物が、
この世を去ろうというタイミングで、
事もあろうに、
情緒ある電車の姿が、消え去る。
〇駅前ロータリー
時代が変わり、再開発に合わせて、
青ガエルは、
ハチ公の故郷に、移設されることになる。
〇渋谷のスクランブル交差点
そんな寂しげな気持ちも、ほんの一瞬。
〇渋谷のスクランブル交差点
薄情な都会の人間たちは、
すぐに、そんな事など、忘れて、
次のランドマークに駆られる。
〇改札口前
さぁ、今日は、
どんな風に変わっているだろう。 おわり
意識してないと日常の風景って案外気づきませんよね。
読んでて渋谷の街が頭に浮かびました。
人が多い分薄情な人が目立ちますが、そうでもない人もいっぱいいると思うんです。
この作品を読んで,渋谷がすり鉢状になっている谷であるという地形を思い出しました。作品世界での水不足や開発がとてもリアルでした。
特に何も考えずに過ごす毎日、気が付けば自分の周りで色々なことが変化しているのかもしれませんね。客観的な視点で話が進んでいき、楽しく拝見させて頂きました。