世界樹世界の魔女と龍

小潟 健 (こがた けん)

2 イスランド本島(脚本)

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〇海沿いの街
  ──表5層・イスランド領 本島

〇立派な洋館
  ──領主館

〇貴族の応接間
  ──応接間
  領主エドワウは層界外縁の島から敵襲の急報を受け、援軍の編成を急いでいた
エドワウ「装備の積み込みはまだか?」
イスランド兵1「全ての軍船へ最低限に積み込むには、あと1日はかかります・・・」
イスランド兵1「それと、食料もとなると2日はかかります・・・」
エドワウ「ええい、遅い!」
エドワウ「私が内門の開放にうかれてしまったツケか?」
エドワウ「襲撃からもう4日だ、今から船を出しても3日はかかるのだぞ、それなのに準備に2日もかかっていては・・・」
ドミニク将軍「閣下、私が1隻だけで先行しましょう」
ドミニク将軍「足並みを無視すれば2日で行けます 少数の先行でもきっと砦の士気は盛り返します」
ドミニク将軍「君、1隻先行させる分なら積み込みはどうなる?」
イスランド兵1「・・・それなら、4時間もあれば・・・」
イスランド兵1「いえ、なんとか2時間で用意します!」
ドミニク将軍「よし、2日先行できるのはデカいな・・・ 閣下、ご命令をいただけますか?」
エドワウ「苦労をかけるな・・・では将軍、」
  カーン! カーン! カーン!
エドワウ「む? 警鐘が?」
エドワウ「誰ぞ! 誰ぞある!」
イスランド兵2「はっ、ここに!」
エドワウ「敵襲の警鐘だが、何者か?」
イスランド兵2「領都近郊の上空に大型モンスターとのことです!」
ドミニク将軍「数は?」
イスランド兵2「ドラゴンが1です!」
ドミニク将軍「この層界に飛行するドラゴン・・・?」
エドワウ「被害状況は?」
イスランド兵2「いえ、未だ交戦には至らず、ドラゴンは本島の東上空を旋回しています」
エドワウ「そうか、ならば市民の避難と対空戦の用意を・・・」
ドミニク将軍「閣下、お待ちを」
ドミニク将軍「君、そのドラゴンの特徴とか、色とかは聞いていないかね?」
イスランド兵2「特徴、銀色で細身との事ですが・・・ そういえば、あちらの窓の方から見えるかも知れません」
ドミニク将軍「閣下、失礼します」
  言うなり、ドミニク将軍は窓に額を着けるように外を覗く

〇海沿いの街
  目に魔力を集中し、簡易的な魔法『物見』を発動する。
  軍を率いる者には必須の魔法である
  ドミニク将軍の視線の先に居た者は・・・

〇貴族の応接間
エドワウ「将軍? どうしたというのだ?」
ドミニク将軍「閣下、あれは私の知る者です 味方です」
エドワウ「何と!?」
ドミニク将軍「どうかこのドミニクを信じてアレを任せてはくれませんか?」
エドワウ「任せて、どうするというのだ?」
ドミニク将軍「まずはアレを演習場に降ろします」

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