第4話 三度目の初デート(脚本)
〇おしゃれな通り
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「私、デートとか」
三雲しほ「初めて・・・・・・」
藤田賢雄「俺も初めてだ」
三雲しほ「うぅぅ」
藤田賢雄「か、可愛いな・・・・・・」
三雲しほ「うへへへへ」
恋人は、歩み始める
”手をつなぎながら”・・・・・・
〇病室
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「つまんないドラマ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「うぅ」
鈴鹿カスミ「ぐぅぅぅぅ」
鈴鹿カスミ「いぃぃぃたぃぃ」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
看護師「鈴鹿さん?」
看護師「鈴鹿さん!!大丈夫ですか!?」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
〇入り組んだ路地裏
藤田賢雄の”恋人”が倒れる
数時間前
三雲しほ「藤田くん、デートは人生初かな?」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「はい」
藤田賢雄「初めてですね」
三雲しほ「初体験だね!!」
藤田賢雄「その言い方、やめてくださいよ」
三雲しほ「あとね、藤田くん」
三雲しほ「いや、賢雄くん」
三雲しほ「役作りで恋人役するんだったら」
三雲しほ「苗字じゃなくて」
三雲しほ「名前で呼び合いましょう!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「そうですね」
藤田賢雄「しほ・・・・・・さん」
三雲しほ「いいね!!」
三雲しほ「その調子!!」
三雲しほ「あと」
三雲しほ「今日のデートはねぇ」
三雲しほ「私がエスコートしてあげます!!」
三雲しほ「賢雄くん、彼女できたことないなら」
三雲しほ「エスコートできないでしょ??」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「そうですね」
藤田賢雄「お願いします!!」
三雲しほ「よし!!」
三雲しほ「じゃ、行こっか!!」
藤田賢雄「はい!!」
藤田賢雄(最初から飛ばしすぎると引かれる可能性があるよな)
藤田賢雄(今回は、あまり焦らずに)
藤田賢雄(”ターゲット”のタイプや人間性を観察する)
藤田賢雄(それを元に、このオンナをオトしてやる)
藤田賢雄(カスミのために・・・・・・)
〇イルミネーションのある通り
藤田賢雄「香水ですか?」
三雲しほ「うん、ちょっとニオイが気になって」
藤田賢雄「えぇ?ごめんなさい」
三雲しほ「いや、違うよ!!私の話ね」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「賢雄くん」
三雲しほ「デートで大切なことって」
三雲しほ「何か分かる?」
藤田賢雄「デートで大切なこと・・・・・・?」
藤田賢雄「楽しい・・・・・・とかですかね?」
三雲しほ「それもあるね!!」
三雲しほ「でも、一番大切なのは」
三雲しほ「思いやりとプランよ!!」
三雲しほ「いかに相手を飽きさせないかが重要なの!!」
藤田賢雄「飽きさせないか・・・・・・ですか??」
三雲しほ「うん!!」
〇おしゃれな通り
三雲しほ「きれいだね」
藤田賢雄「はい・・・・・・」
三雲しほ「よし!!」
三雲しほ「次!!」
藤田賢雄「え!?」
〇神社の本殿
三雲しほ「はい!!」
三雲しほ「お祈りしました!!」
三雲しほ「次!」
藤田賢雄「ちょっと・・・・・・」
〇海辺の街
三雲しほ「まだまだ!!」
藤田賢雄「あの・・・・・・」
〇山の展望台
三雲しほ「たーまや──」
藤田賢雄「花火でてないですよ」
三雲しほ「よし!!」
三雲しほ「次行くよ!!!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
〇大水槽の前
三雲しほ「お寿司食べたいね」
藤田賢雄「それ」
藤田賢雄「ここで一番言っちゃいけないことですよ」
三雲しほ「えへへ」
藤田賢雄「あと、一ついいですか??」
三雲しほ「なに??」
藤田賢雄「プラン・・・・・・」
藤田賢雄「クソすぎません??」
三雲しほ「えぇぇ??」
藤田賢雄「イルミネーションの所要時間2分」
藤田賢雄「神社の所要時間30秒」
藤田賢雄「海辺の所要時間15秒」
藤田賢雄「夜景の所要時間なんて」
藤田賢雄「2秒ですよ!!」
藤田賢雄「移動時間は電車で2時間」
藤田賢雄「移動時間合計は2時間なのに」
藤田賢雄「観光時間合計2分47秒って」
藤田賢雄「どんなデートですか・・・・・・」
三雲しほ「そんな細かい秒数まで数えてたの!?」
三雲しほ「細かい!!」
三雲しほ「細かすぎる!!」
三雲しほ「そんなのだから恋人できないんだよ!!」
藤田賢雄(いるわ!!)
藤田賢雄(って、ツッコんでやりたかったが)
藤田賢雄(そんなの言えないよな・・・・・・)
藤田賢雄「いや、でもさすがに」
藤田賢雄「プランも思いやりもありませんよ」
藤田賢雄「ちなみに、彼氏さんとデートするときも」
藤田賢雄「プランはしほさんが決めてるんですか?」
三雲しほ「いや、カレシだよ」
藤田賢雄「それがいいでしょうね」
三雲しほ「むぅぅ!!!」
三雲しほ「人がせっかく助けてあげてるのに」
三雲しほ「その言い方はないでしょ??」
藤田賢雄「す、すみません」
三雲しほ「はぁ・・・・・・」
三雲しほ「そんなに言うなら、水族館は長めにいよっか」
藤田賢雄「そうですね」
藤田賢雄「ここは夜の遅い時間までやってるみたいですしね」
三雲しほ「そうなんだ!!」
三雲しほ「よく知ってるね」
藤田賢雄「まぁ・・・・・・」
〇大水槽の前
藤田賢雄「ごめんな」
藤田賢雄「俺が遅れちゃったから」
鈴鹿カスミ「大丈夫!!この水族館はけっこう遅くまでやってるし!!」
鈴鹿カスミ「それに、賢雄が俳優で忙しいのは知ってるし」
鈴鹿カスミ「まぁでも、”初デート”で遅れるのは困るけどね」
藤田賢雄「ご、ごめんて!!」
鈴鹿カスミ「アハハハハ!!」
〇大水槽の前
藤田賢雄「そういや」
藤田賢雄「初デートここだったな」
三雲しほ「え??」
藤田賢雄「いや、なんでもないです」
藤田賢雄「ちなみに、しほさんがカレシに求めるものってなにかありますか?」
三雲しほ「うーん」
三雲しほ「清潔感、エスコートできる、運転免許持ち、優しい、高身長、イケメン、金持ち」
藤田賢雄「おおい・・・・・・」
三雲しほ「あとは」
三雲しほ「浮気しないこと!!」
三雲しほ「かな」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「すみません」
藤田賢雄「ちょっと」
三雲しほ「うん」
藤田賢雄「はい、もしもし」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「え?」
藤田賢雄「わかりました!!すぐ向かいます!」
藤田賢雄「しほさん、ごめんなさい」
藤田賢雄「用事ができてしまいました」
藤田賢雄「埋め合わせは、絶対にします!!」
藤田賢雄「すみません、失礼します」
三雲しほ「えぇ!?」
三雲しほ「ちょっと!?」
〇病室
藤田賢雄「カスミ!!」
鈴鹿カスミ「も──」
鈴鹿カスミ「賢雄、うるさーい」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「もしかして」
鈴鹿カスミ「心配して来てくれたの??」
藤田賢雄「あぁ」
藤田賢雄「大丈夫か!?」
鈴鹿カスミ「うん!!」
鈴鹿カスミ「さっきはね」
鈴鹿カスミ「ちょっと、しんどくなっただけだよ!!」
鈴鹿カスミ「今は、もう大丈夫!!」
藤田賢雄「はぁ・・・・・・」
藤田賢雄「なら、よかったよ」
???「失礼します」
鈴鹿カスミ「どうぞ!!」
看護師「藤田さん、ですね?」
藤田賢雄「はい・・・・・・」
看護師「先生がお呼びです」
看護師「診察室までお越しください」
藤田賢雄「は、はい」
〇病院の診察室
藤田賢雄「失礼します」
医者「やぁ」
藤田賢雄「こ、こんにちは」
藤田賢雄「カスミの方は、どうですか?」
医者「うむ」
医者「残念だが、病気は着実に進行している」
藤田賢雄「そうですか・・・・・・」
医者「そちらの状況はどうだね?」
藤田賢雄「それがですね・・・・・・」
〇総合病院
〇病院の診察室
医者「なるほど」
医者「順調にいってるようだな」
藤田賢雄「えぇ」
医者「しかし、藤田くん」
医者「女優に手を出すというのは・・・・・・」
藤田賢雄「正直、迷いました」
藤田賢雄「でも、彼女ならオトすことができると思います」
医者「・・・・・・」
医者「そうか」
医者「気をつけるのだぞ」
藤田賢雄「ありがとうございます」
医者「すまんが」
医者「病院では、携帯の電源は切っておいてほしいな」
藤田賢雄「ご、ごめんなさい」
藤田賢雄「失礼します」
〇川沿いの公園
藤田賢雄「電話でわざわざ呼び出した理由はなんだ?」
神崎太希「なぁ、けんゆー」
神崎太希「おまえ、しほとおんなじドラマにでてるよな」
藤田賢雄「あぁ」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「あのことは知ってるのか?」
藤田賢雄「あのこと!?」
神崎太希「はぁ・・・・・・」
神崎太希「これ見ろよ」
〇ビルの裏
〇川沿いの公園
藤田賢雄「嘘・・・・・・だろ」
神崎太希「嘘じゃねぇぜ」
神崎太希「おれぁ、その場にいたんだからな」
藤田賢雄「そんな・・・・・・」
藤田賢雄「た、タバコ・・・・・・」
神崎太希「おまえ、しほの年齢知ってるか?」
藤田賢雄「俺たちより・・・・・・一つ上」
神崎太希「一つ上だな」
神崎太希「てことは、”18歳”だな」
神崎太希「じゃあ、けんゆー」
神崎太希「ここで問題だ」
神崎太希「日本の法律でタバコを吸っても良くなるのは、何歳からでしょうか??」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「20歳だ・・・・・・」
神崎太希「20だな」
藤田賢雄「太希、おまえ・・・・・・」
藤田賢雄「こんなのをわざわざ見せるために」
藤田賢雄「ここに呼び出したのか??」
神崎太希「そうだぜ」
神崎太希「けんゆーの驚いた表情が見たくてな」
神崎太希「フフフ」
神崎太希「しほと一緒にドラマ撮ってるだろ」
藤田賢雄「あぁ」
神崎太希「これ以上、しほに手を出そうとしたら」
神崎太希「こいつを拡散する!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「脅しか?」
神崎太希「もちろん」
神崎太希「俺は、しほが大切なんだ」
藤田賢雄「大切なのに、こんなことするのかよ!!」
神崎太希「あぁ」
藤田賢雄「動画を撮ったおまえだって」
藤田賢雄「糾弾されるだろ・・・・・・」
神崎太希「かまわねぇなぁ」
藤田賢雄「狂ってる」
神崎太希「褒め言葉として受け取っておいてやるよ」
神崎太希「でさぁ」
神崎太希「女優が未成年で喫煙なんてしてたら」
神崎太希「それが拡散されたら」
神崎太希「ドラマはどうなるんでしょうかね!?」
神崎太希「なぁ??」
神崎太希「けんゆー??」
神崎太希「フフフ」
藤田賢雄「くっ・・・・・・」
神崎太希「もう一度、念押ししとく」
神崎太希「これ以上、しほに手を出したら動画を拡散する」
神崎太希「いいな」
藤田賢雄「・・・・・・」
今回も面白くて即終わってしまった😂👍
もう自分の彼女を脅しの道具にしようなんて狂ってる!
このお話全然次が読めないし親友と浮気理由が正反対なのも良いですね
面白かったです!毎回楽しみにしてます🥳