エピソード5(脚本)
〇ヨーロッパの街並み
病院内は大騒ぎになり、メディスンの手によって俺たちは追い出されたのであった
阿良 陸「なんかバタバタと追い出されてしまったな・・・」
天使 リスタ「そうだね・・・」
ヌイ「あ・・・あのすみませんですわ・・・」
阿良 陸「俺は全然大丈夫だぞ!猫耳美少女来た──!!」
天使 リスタ「・・・陸はそう言うと思った。まぁ、大事には至らない見たいだし、後でゆっくりと聞きにくればいいか」
天使 リスタ「それで・・・ねぇ、ヌイ?何があったの?」
ヌイ「何か、じゃ無いわよ・・・」
ヌイ「自分が監督であった其処の青年と話していた最中、突然攻撃されて奪われたって。その犯人がリスタなんじゃ無いかって」
ヌイ「サランっていう死神が現れてね。私達学舎に来たのよ」
ヌイ「それで、そういや昨日からリスタ見ないなって思って探していたらまさかの大ヒット・・・」
ヌイ「どうしてそんなことしたのよ?リスタらしく無いわ・・・」
阿良 陸「話が違うような・・・?」
天使 リスタ「はぁ・・・」
ヌイと呼ばれていた猫耳の女の子の話を無言で聞いていたリスタがため息を吐き出しながら、俺の方を見て
天使 リスタ「此処じゃ話しにくいからさ。陸の部屋に行こう・・・ヌイもついて来ていいから其処で色々と話すよ・・・」
阿良 陸「俺の部屋?あぁ、最初の所か?・・・リスタ、なんか分かったのか?」
天使 リスタ「そうだよ・・・と言ってもまだ、半信半疑な所があるんだけどね」
一行はいろいろな思いを抱えたまま、車に乗り込み記憶部屋に行くのであった
〇殺風景な部屋
ヌイ「何か混み合った事情なのかしら・・・私まで来て大丈夫だったかしら」
阿良 陸「美少女だし、俺は大歓迎!!」
天使 リスタ「・・・まぁ、ヌイだしいいよ。陸、取り敢えず紹介しておく」
天使 リスタ「僕の友達のヌイ、優しい子だからよろしく」
阿良 陸「あぁ!!俺の名前は阿良 陸だ!よろしくな、ヌイ」
ヌイ「リスタの友達のヌイなのだわ、阿良君っていうの、よろしくなのだわ」
天使 リスタ「うん。ヌイの自己紹介は此処までにしておいて・・・色々聞きたいことがあると思うけどどう話していこうかな」
阿良 陸「色々とあり過ぎて、どう質問すれば良いのか分からないから成り行きに任せるぞ」
ヌイ「じゃあ、私から質問して良いかしら」
天使 リスタ「うん、いいよ」
ヌイ「陸の記憶部屋迄来て、話さないといけないことって・・・聞いても良いかしら」
天使 リスタ「・・・まさかって思ったんだけどね」
天使 リスタ「えっと、陸の記憶殆ど無かったからさっき迄、陸の家・・・阿良家に入ってたんだ。正確には10年前のね」
阿良 陸「10年前だったのか!?」
天使 リスタ「そのくらいの筈だよ、カレンダーみたし」
阿良 陸「よく其処まで観ているなぁ〜」
天使 リスタ「年月日って重要だったりするからね」
天使 リスタ「それで阿良家に入って、確信が付いたんだけど、”私”の記憶思い出したっぽいんだよ・・・」
ヌイ「!?・・・リスタの前世の記憶ってことかしら!?」
阿良 陸「前世の記憶?リスタ、お前も記憶がなかったのか?」
阿良 陸「最初から天界にいて天使やっているとばかし思っていたんだけど」
ヌイ「違うわ・・・」
ヌイ「私達の存在の定義難しいものね。天使とか死神と言っておく方が無難なのかも知れないわ・・・でも、実は私達は」
ヌイ「あなた方のご先祖の誰か・・・なのだわ」
阿良 陸「え?」
天使 リスタ「うん、そう。此処からが本題。私ね、陸、いやお兄ちゃん。私の事思い出してくれる?」
阿良 陸「え!?どういう事だよ、それ」
ヌイ「え!?この人、阿良さんの妹さんなのかしら!?」
天使 リスタ「正確には、近くに住んでいた妹みたいな存在が正しいんだけど・・・」
阿良 陸「そんなやついたっけ?」
天使 リスタ「顔違うからね・・・僕自身の名前を思い出せたら進みそうなんだけど僕思い出せてないし」
阿良 陸「リスタって名前じゃないのか?」
天使 リスタ「僕も驚きなんだけど、ほら、本見て驚いた事あったって話していたよね」
阿良 陸「あぁ・・・、俺の家にあったあの本」
天使 リスタ「出て来たみたいだね、この本のタイトルは『ヴァンパイア少女』昔好きだった本で、陸も知っているよね・・・」
阿良 陸「確か、ヴァンパイアの少女リスタが大騒動を引き起こすドタバタコメディでアニメ化迄されていた名作だよな」
ヌイ「なんか面白そうなお話だわ」
天使 リスタ「ヌイ、知らないの?リスタっていう僕っ子の子はね、ずっと独りぼっちでお城に住んでいたの。でもある時、青年が訪れてね・・・」
天使 リスタ「心を開いていくのよ!!笑いもあって感動もあって最高の物語なのよ!!」
ヌイ「・・・うん。ファンの勢いはいつでもどこでも凄いわね。今度読んでみようかしら」
天使 リスタ「是非、お勧めするよ!!」
阿良 陸「俺は其処までじゃ無いんだけど、知る人ぞ知る名作だよな〜」
天使 リスタ「陸、分かってるね」
阿良 陸「あぁ、この本よくよく観ていたら思い出した」
天使 リスタ「同じく・・・あの後、この本読み返してみてさそしたら驚いたよ」
天使 リスタ「僕の顔というか色々と?似ているんだから」
ヌイ「リスタに似ているのかしら?尚更気になるわ」
阿良 陸「そうなんだよなぁ〜。なんか似過ぎているていか。それで、リスタこれはどういうことなんだ?」
天使 リスタ「うーんとね・・・僕も半信半疑なんだけど」
天使 リスタ「あくまでも推理として聞いて欲しい」
ヌイ「分かったわ」
阿良 陸「あぁ!少しでも謎が解けたら嬉しいからな」
天使 リスタ「死ぬとね、二つの選択肢を用意されているんだ。一つ目が転生ルート。二つ目が天界ルート」
天使 リスタ「転生ルートは分かるよね。また新たに今世に行く、何になるかは神のみぞ知るんだけど。私も其処まではよく知らない」
ヌイ「そうね、転生は神様御一行様がお決めになるものだから色々考えているらしいわ」
阿良 陸「転生・・・なんか凄そうだな」
天使 リスタ「それでもう一つが天界ルート。これは、基本的には転生ルートが一般的なんだけど時折、天界でする仕事を任される人たちが存在」
天使 リスタ「しているんだ。で、私達がその者たちなんだけど私たちの役割は前話したように走馬灯、記憶係を任されている」
ヌイ「因みに私も同じ仕事をしているわ」
阿良 陸「それで仲良いんだな!!」
ヌイ「そうかしら」
天使 リスタ「私も先程考えだした答えなんだけど、記憶。私の記憶も誰かに食べられていた」
天使 リスタ「天界生活は好きな格好で過ごしていいんだ。転生ルートは神様達が独断で決めるみたいだけど天界は色々と好き勝手できる側面が強い」
ヌイ「まぁそのせいで事件とか色々起きたりするのだけど・・・」
天使 リスタ「そうだね・・・」
阿良 陸「なんか面白そうだな!」
ヌイ「阿良さんがいた時は穏やかだったわね」
天使 リスタ「僕、強いから陸を守ることくらいどうってことないから」
天使 リスタ「それでヌイもそうなんだけど、元の自分を保っている人は少ないんだ。猫になる人もいるしヴァンパイアになる人もいる」
天使 リスタ「夢を叶える事が出来るの。まぁ、色々制限付きなんだけどね」
阿良 陸「死にたくないんだけどさ、なんか暮らしてみたいな」
ヌイ「天界いいなぁ〜って思うかも知れないけど、何も残す事ができないから難しいとこなのよ、実際は」
天使 リスタ「そうだね、天界にいられる人はどう決まるのかわからないから運としか言えないんだけど」
阿良 陸「なるほど、それでリスタはその格好だったって訳なのか」
天使 リスタ「そういうことになるんじゃないかなというのが僕の推理」
ヌイ「私もなのかしら・・・」
天使 リスタ「そうじゃない?新事実発見って感じなんだけど、昔の僕がどんな人だったか覚えていないんだ」
ヌイ「そういえばそうね。ある時突然、役割を与えられて今まで任務遂行していたもの」
天使 リスタ「考えたことなかったよね・・・」
ヌイ「そうね・・・」
阿良 陸「なんかそっちにも色々とあるんだなぁ」
ヌイ「って、私達のことはひとまず置いておきましょう。本題は貴方、阿良陸さんの方にあるのだから」
阿良 陸「俺にか?」
ヌイ「そうだわ。事情はなんと無く察して来たのだけれども、リスタ。阿良さんは生きているのかしら?」
ヌイ「死神に運命つけられて死ぬ寸前の所でリスタが奪い取った。此方ではそうなっているのよ、だからサランさんが乗り込んできた」
天使 リスタ「陸が死ぬ寸前だった・・・僕が奪い取った・・・」
阿良 陸「リスタ、なぁなんか話が違くないか?」
天使 リスタ「・・・そうみたいだね。取り敢えず」
天使 リスタ「問題は山積みだけど、当初の目的を果たしていこう。そうしたら自ずと分かってくるかも知れないから」
ヌイ「そう言えば、あれをまだ使っていなかったのね」
阿良 陸「当初の目的?」
天使 リスタ「なんか思い出していたりしないかなって陸がさ」
阿良 陸「俺が?」
天使 リスタ「10年前の陸の家に行ってさ」
天使 リスタ「案の定だったみたい。陸、光がベッド付近にあると思うんだけど、見える?」
阿良 陸「ベッド付近?これか?なんか戻って来た時から端の方にあって気になっていたりしたんだけど」
天使 リスタ「うん、それ。ちょっと触ってみて欲しい、それ多分記憶の断片だと思うから」
阿良 陸「触ればいいんだな。えいや!!」
ヌイ「躊躇なく触るの凄いわ・・・」
阿良 陸「なんか眠くなって・・・きた・・・」
天使 リスタ「いってらっしゃい。あの子、ずっといたみたいだから」
阿良 陸「それは・・・」