2話 漆黒の捕食者(脚本)
〇黒
昔、誰かからこんなことを言われた
「お前は熱血で真面目で優しい男だ」
「もちろんよくできた人間だ。しかし・・・」
「この先、そのまま生きると他人に都合のいいように利用されるかもしれない」
「しかしそれでいい」
「君の頑張りは私が見守っている」
「いつかいいことが起きるよ」
俺は・・・それから・・・そのまま生きているのだろうか
まぁ、昔の話のことだから別にいいか・・・
しかし・・・一体誰に言われたっけか
第2話 漆黒の捕食者
〇体育館の裏
ユキハ「ふむ・・・少し生きてるのぅ」
ユキハ「じゃが、意識はないみたいじゃ」
ユキハ「あと数分ってとこかのぅ?」
ユキハ「・・・」
ユキハ「待ってられん」
ユキハ「早く殺して魂を食べなければ・・・」
ユキハ「じゃあ・・・頂くとするかのぅ」
ユキハは斧を大きく振りかぶり大黒を襲った
ユキハ「・・・!?」
シーア「間に合ったみたいね」
ユキハ「瓶ビールに弾かれたじゃと・・・!?」
シーア「ユキハ・・・堕ちたわね」
シーア「最近姿を見せないと思ってたけど 人間を襲っていたのね」
ユキハ「女神に見つかるとめんどいのぉ」
シーア「あなたも元々は天に住む者だったのにね」
ユキハ「・・・」
ユキハ「さっきから発動しているこの魔法・・・」
ユキハ「・・・ひひひひ」
ユキハ「堕ちたのは我だけではないみたいじゃな・・・」
ユキハ「この魔法を人間にかけるとは・・・ おぬしも罪ではないか?」
シーア「・・・」
シーア「そうね・・・」
シーア「でも大黒君次第よ」
ユキハ「ひひひ・・・おぬしも女神失格じゃな」
シーア「女神として終わる前にあなたを倒すわ」
ユキハ「ほぅ・・・?おもしろい」
〇学校の廊下
鶴海「・・・」
鶴海(休み時間なのに大ちゃんの姿は見えない)
鶴海(どこに行ったんだ・・・)
鶴海(もうすぐ授業が始まるのに)
友達「鶴海ー!さっきから外で変な音がするから見に行こうぜー!」
鶴海「変な音・・・」
鶴海「多分、今日昼休みの時間に工事するって先生が言ってたよ」
友達「あれ?そうだっけ・・・ 俺寝てたから知らなかったわ」
友達「ありがとうー!」
鶴海「おうー!」
鶴海(なんか嫌な予感がするなー)
〇体育館の裏
シーア「・・・っ」
ユキハ「そろそろ疲れてきとるのぉ」
シーア(他の人間が来るとユキハの犠牲者になる可能性が高い)
シーア(長期戦になるとユキハが有利か)
シーア(ユキハ・・・なかなかしぶとい)
シーア「ブルーボルテックス!」
ユキハ「そんな魔法、我の闇の前では無意味ぞ」
ユキハ「・・・っ」
ユキハ「なるほど・・・」
ユキハ「その魔法は目眩し・・・ 瓶ビールを投げて攻撃をするとは」
ユキハ「じゃが、武器を一つ失ったのではないか?」
シーア「賭けにでたのよ」
ユキハ「ひひひ・・・瓶ビールじゃぞ? 普通の人間でも効かんぞ」
ユキハ「まぁ良い・・・我は戦いやすくなった」
ユキハ「闇魔法・・・ダークネード」
ユキハ「ん?大黒の方から青い光」
大黒「ゲホッ ゴホッ」
大黒「なんだ・・・胸が痛む」
ユキハ「な!?意識を取り戻しおった!?」
シーア「うふふ・・・ナイス大黒君」
大黒「シーアさん!?なんでここに!?」
シーア「あとで説明するわ」
シーア「とりあえず、あの黒い子供は悪い子だから敵ね」
シーア「だから倒すのに強力してね」
大黒「・・・」
大黒「聞きたいことは色々あるが・・・」
大黒「了解です!」
大黒「まずは何をすればいいですか?」
シーア「魔法出して♪」
大黒「無理です」
シーア「できるわ」
シーア「相手の後頭部を触る感覚で出して」
大黒「無茶言わないで下さい!」
大黒(でもやるしかないのか)
大黒(相手の・・・後頭部を・・・)
大黒「うわ!俺の足元に木が!?」
シーア「不発だけどその調子よ!」
大黒(これが魔法なのか?)
ユキハ「ほう・・・神の力か」
ユキハ「・・・やめじゃ」
ユキハは闇魔法を止めた
ユキハ「大黒・・・」
ユキハ「シーアを信じすぎぬようにな」
大黒「それってどういう・・・」
「ひひひ・・・」
彼女は闇の中へ消えていった
大黒「・・・終わったのか?」
シーア「まぁ・・・とりあえずね」
おそらく・・・俺が倒れている間も激しい戦いをしていたのだろう
いつも見ている校舎裏の地面は酷く荒れていた
所々に血が滲んでいる地面があり、生半可な戦いではないと俺は悟った
血が滲んでいる地面の近くに空の瓶ビールが落ちていた
大黒「シーアさん・・・どうしてあの子は俺を狙っていたのですか?」
それ以外にも聞きたいことはあったが、
とにかく俺が狙われた理由を知りたかった
シーア「・・・っうっ・・・ぇぅぇ」
大黒「?」
シーア「ごめんなさい・・・」
シーア「さっき瓶ビールを投げるために一気飲みしたんだけど・・・うっ」
大黒「酒臭っ!」
大黒「俺が倒れている間何してたんですか・・・」
シーア「吐きそう・・・かも」
大黒「ちょい、ちょっと待ってください・・・・・ ・・・・・・・・・・ってあれ?」
大黒「体に力が入らない・・・」
〇黒
指一本も動かせない・・・
そのまま俺は倒れてしまった
シーア「ごごぉうおおぉええぇ・・・」
シーアが吐いている最中、俺は気を失った
〇体育館の裏
数分後
鶴海「・・・」
鶴海「大ちゃん・・・ここにいたのか・・・」
鶴海「シーアもだいぶ怪我をしてるみたいだ」
鶴海「・・・もしもしラフィさん」
鶴海「応援お願いします」
鶴海「家に運ぶだけでいいので・・・」
シーアさんとユキハさん、その正体の一端は見えましたが、より気になる展開ですね!
そして、シーアさんの悪酔いシーンの後から様々な疑念を残すヒキへと……気になることだらけですね