エピソード10 キールの日記(脚本)
〇研究開発室
2017年 ?月?日
魔界の情報通悪魔ネディクより邪神の一部と思わしき鱗の化石を譲ってもらった。
邪神レイベル観察日記
2018年 5/15
化石から復元した邪神の細胞がレイベルの身体に上手く適合した。
レイベルの下半身が蛇に変異した。
侵入者により身体を破壊されてしまったが再生を始めている。
5/16 レイベルが意識を取り戻し私を喰い殺そうとした。アーザルによって止められたがフィアーノが怪我をした。
5/18 レイベルが自傷行為をした。
フィアーノと話していた。どうやらレイベルには傷を治す力があるようです。
5/19 レイベルの髪から大蛇が現れフィアーノを食べようとしたがレイベルが止めた。大蛇と話しているように見える。
5/20 ジャミラスに急かされたが、今日も私は黙ってレイベルに抑制剤を打ち研究期間を延長させた。
この抑制剤を打たなかったら半日もしないうちにレイベルは邪神の本来の姿に変化してしまう。
つまり、この世界が終わる。
まだ終わってもらっては困る。
〇研究開発室
ジャミラスの目を欺きつつ、私はレイベルの身体を検査した。
レイベルは私の事が嫌いなようで、私が様子を見に行く度に威嚇してくるようになりました。
5/21 相変わらず人間の生贄は食べてくれませんでした。
ですが、レイベルも空腹が限界だったのか試しに置いたキバうさぎを食べてくれたようです。
レイベルは他の生贄には興味が無さそうですが、フィアーノとは仲が良いですね。
フィアーノにレイベルの世話を少し頼むことにしました。
私がするとレイベルにストレスを与えてしまう為です。
蛇も人間も環境の変化に敏感で拒食することがあります。
なのでなるべく私は離れてレイベルを観察する事にしました。
5/22 レイベルがキバうさぎを食べた次の日、こっそりレントゲンを撮らせてもらいました。
食べたキバうさぎは跡形もなくなっていました。
レイベルは通常の蛇よりも消化スピードが早いようです。
5/23 属性耐性テストを実行しました。
レイベルはチャンスとばかりに私の手に噛みついてきました。
咄嗟に硬質化させた手の硬さに驚いている様子は面白かったです。
結果は神話の通り、光属性が弱点。
それでも充分すぎる再生能力に驚かされました。
5/24 レイベルが風邪をひきました!
何をしても、どんなことをしても平気だったレイベルが怠そうにしています。
私がクスリを打とうとしたら嫌がったのでやめました。
〇研究開発室
5/25 フィアーノも風邪をひいているようなので私がレイベルの様子を見に行くとレイベルは元気そうに威嚇してきました。
寝ているだけで治ってしまったようです。
フィアーノが来ないので少しピリピリしているようでした。
5/26 レイベルがガラスケースの床に設置したトイレで初めて排泄しました。
使いやすいように工夫しましたが、これは正解
物凄く不快そうな顔をしていたのでシャワー室に連れて行きました。
暴れるかと思いましたが、全身を洗っている間は襲いかかってきませんでした。
さすがに一人では大変なのでアーザルを呼びレイベルの全身をバスタオルで拭くのを手伝ってもらいました。
レイベルは珍しく大人しかったですね。
〇研究開発室
5/27 レイベルにキバうさぎをあげましたが食べてくれませんでした。
少し痩せてきたようなのでフィアーノに栄養剤を飲ませてもらいました。
5/28 レイベルは脱皮前なのか、あまり動かなくなりました。フィアーノが来ても反応が薄いようです。
それでもフィアーノに対して明らかに好意を抱いているのは見れば分かります。
私が使っている薬のせいか、レイベルは精神年齢が安定しませんね。
時々子供のような話し方をします。
5/31 レイベルが脱皮前なのでシャワー室に移動させました。
私の課題はレイベルに抑制剤を打たなくても今のままの姿を保てるようにすること。
私は今日もジャミラスを騙して人知れず世界を救ってしまいましたね。
私は邪神を復活させることには興味がありましたが世界を壊そうとは思っていません。
なので、レイベルの邪神の力を抑制し、彼が自分で力をコントロールできるようになるまで様子を見るつもりです。
ジャミラスは単純です。
世界を壊す邪神の力が欲しいだけ。
レイベルが本来の邪神の姿に変化したら杖で操るつもりでしょう。
私はレイベルをジャミラスに渡すつもりはありません。
私の研究と最終調整が終わったらフィアーノと一緒に逃がそうと思ってます
アーザルには時が来たら伝えましょう。
〇研究開発室
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