エピソード3(脚本)
〇綺麗な一人部屋
AM03:56
頭が痛すぎて、しばらく目を開けることができなかった。
恐る恐る目を開けると、真っ暗な世界に居た。
テレビの画面は何事もなかったかのように、真っ黒だ。
ゲーム画面は消えていた。
今、目に光を与えると、吐き気をもよおしそうで、このままにした。
そして、安心とともに思い出した。
沙梨「私は一瞬、迷ったんだ」
だから今こうして・・・・・・、モトノセカイに居る。
〇SNSの画面
どうして、自己防衛のための檻を外そうとしたのだろう。
私はこのゲームに3年以上、夢中になっている。
高校を出て、大学に行かずにアルバイトをしていた。
その頃、「マイライフ」というSNSが流行り始めた。
マイライフには、短い文、
日記のような長い文、
写真も載せることができる。
学生時代の同級生のライフを、スマホで見ることができるようになった。
学校で見てた姿とは、違う皆が写った写真が載っていた。
海に居る水着姿の彩加。
大人数で飲み会をしてる愛。
雑誌に載ってからちょっとした有名人の、親友だった弘美。
私はあの頃と変わってない。
ただ近くのパン屋でバイトして、ときどき友達と遊んで、それだけ。
私の人生の選択はどこで間違ったんだろう。
マイライフを見ていると1時間、2時間・・・・・・、一日中見ている日もあった。
そんな自分を前より嫌いになっていった。
〇SNSの画面
1年、2年と見るのが日課になっていた。
結婚したんだ。子供居るんだ。
海外に住んでるんだ。
皆はあの頃と変わっていた。
気付くと泣いていた。
皆みたいに生きたい。
でも、生きられない。
なんでだろう。
ある日、マイライフを見ていたら、広告が出てきた。
ゲームの広告だった。
『taking my life back』
「取り戻す 私の 人生?」
広告をクリックした。
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ついにリアルの沙梨さんと、ゲームを始めた経緯が……
SNSで昔の友人知人等の近況を見ると、沙梨さん程ではないですが複雑な心境を抱いてしまいますよねww