『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

第3話 悪夢の始まり(脚本)

『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

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〇公園のベンチ
  恋は人を殺す
  そして、”彼”も
  恋に殺される
鈴鹿カスミ「ねぇ!!」
鈴鹿カスミ「なんで、浮気したの?」
鈴鹿カスミ「ずっと、騙してたの??」
鈴鹿カスミ「信じてたのに・・・・・・」
藤田賢雄「カスミ」
藤田賢雄「これは違うんだ」
藤田賢雄「話を聞いてくれ!」
鈴鹿カスミ「うるさい!!」
藤田賢雄「え・・・・・・」
藤田賢雄「うぅ」
鈴鹿カスミ「もう、終わりだね。私たち」
鈴鹿カスミ「さようなら」
藤田賢雄「ぐうぅぅ」
藤田賢雄「くそ・・・・・・」
藤田賢雄「待ってくれ」
藤田賢雄「待ってくれよ!」
藤田賢雄「カスミ!!」

〇男の子の一人部屋
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「カスミ!」
藤田賢雄「はぁ」
藤田賢雄「また、この夢か」
藤田賢雄「はぁ・・・・・・」

〇病室
  鈴鹿カスミの病室
藤田賢雄「カスミ、入るぞ」
藤田賢雄「え」
鈴鹿紀之「やぁ」
藤田賢雄「こ、こんにちは」
鈴鹿紀之「君かね?」
鈴鹿紀之「カスミの彼氏は」
鈴鹿カスミ「ちょっと、お父さん!!」
藤田賢雄「えぇ、はい」
藤田賢雄「娘さんとお付き合いさせていただいてます」
藤田賢雄「藤田賢雄と申します」
鈴鹿紀之「ふむ」
鈴鹿紀之「もしかして、テレビで・・・・・・」
藤田賢雄「あ、はい」
藤田賢雄「俳優業をさせていただいてます」
鈴鹿紀之「そうか、立派だね」
藤田賢雄「いえ、そんな」
鈴鹿紀之「藤田君、娘を幸せにしてやってくれ」
鈴鹿カスミ「もー!」
鈴鹿カスミ「お父さん!」
鈴鹿紀之「そんなに怒らなくてもいいじゃないか」
鈴鹿紀之「では、私は仕事があるので失礼するよ」
藤田賢雄「あ、はい!」
鈴鹿紀之「カスミ、安静にしておくんだぞ」
鈴鹿カスミ「わかってるって」
鈴鹿紀之「では、失礼するよ」
鈴鹿カスミ「なんか、ごめんね」
藤田賢雄「別に、謝ることじゃないだろ」
藤田賢雄「それに、お父さんに会えてよかったよ」
鈴鹿カスミ「そっか、なら良かった」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「あのさぁ」
藤田賢雄「?」

〇病室
神崎太希「あいつさぁ、女優の三雲しほに惚れてるらしいんだよ」
鈴鹿カスミ「え・・・・・・」
神崎太希「病人にこんなこと言うのもなんだけどさぁ」
神崎太希「速く、けんゆーのことオトさねぇと」
神崎太希「あいつ、女優と付き合っちまうぜ」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」

〇病室
鈴鹿カスミ「ねぇ、共演してる女優さん」
鈴鹿カスミ「可愛い?」
藤田賢雄「前にもそんなこと聞いてこなかったか?」
鈴鹿カスミ「まぁね」
藤田賢雄「大丈夫」
藤田賢雄「女優に手は出さないよ」
藤田賢雄「俺はそんな変態じゃない」
鈴鹿カスミ「そっか・・・・・・」
鈴鹿カスミ「そうだよね!」
鈴鹿カスミ「きっと」
鈴鹿カスミ「なにかの勘違いだよね・・・・・・」
藤田賢雄「うん?」
鈴鹿カスミ「いや、何もないよ」
鈴鹿カスミ「今日はありがと!」
藤田賢雄「おう!」

〇池のほとり
藤田賢雄「おまえが好きだ!!」
三雲しほ「もうやめて!」
三雲しほ「私のことは忘れて!!」
藤田賢雄「ダメだ」
藤田賢雄「お前がなんど浮気しても取り戻すからな!!」

〇池のほとり
内田監督「カット────」
内田監督「二人とも、今日も最高だよ!」
「ありがとうございます!!」
内田監督「じゃ、一回休憩しよっか」
「はい!!」
  三雲しほは、自分のカバンからなにかを取り出した
藤田賢雄「香水ですか?」
三雲しほ「うん」
三雲しほ「いる?」
藤田賢雄「いや、大丈夫です」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「実は最近、悩んでいることがあって」
三雲しほ「恋の悩みだね!!」
三雲しほ「おねえさんに任せなさい!」
藤田賢雄「まぁ、”恋の悩み”ではありますね」
三雲しほ「え!?」
三雲しほ「マジ?」
藤田賢雄「マジです」
三雲しほ「いやさぁ」
三雲しほ「また安定のやりとりがあると思ってね」
三雲しほ「ちなみに、どんな子が好きなの?」
藤田賢雄「いや、そういうのではなくて」
藤田賢雄「役作りするうえで」
藤田賢雄「納得がいかなくて」
三雲しほ「それって、つまり!?」
藤田賢雄「恋人というものがよくわからないんです」
藤田賢雄「なので、もし良かったら俺と”デート”してくれませんか?」
三雲しほ「はぁ?」
三雲しほ「恋愛相談って、それ?」
藤田賢雄「はい」
三雲しほ「なんか、想像してたのと違う!!」
藤田賢雄「す、すみません」
藤田賢雄「俺たちって、いちよう”恋人役”じゃないですか」
藤田賢雄「デートして色々掴みたいというか」
三雲しほ「でも、私彼氏いるし」
藤田賢雄「・・・・・・」

〇川沿いの公園
神崎太希「フフフ」
神崎太希「なるほどなぁ。しほに惚れちまったか」
神崎太希「やらねぇよ。おまえには」
神崎太希「俺にとって、”2番目”に価値があるオンナだからな」

〇池のほとり
三雲しほ「どした?」
藤田賢雄「いえ、なにもないです」
藤田賢雄「やっぱり、無理ですよね」
藤田賢雄「デートは」
三雲しほ「別にいいよ」
藤田賢雄「え!?」
三雲しほ「まぁ、役作りだったらしょうがないね」
三雲しほ「おねえさんが助けてあげます!」
藤田賢雄「ホントですか!?」
藤田賢雄「ありがとうございます!!」
三雲しほ「でも、あくまで役作りだからね!!」
三雲しほ「わかってる?」
三雲しほ「私には」
三雲しほ「結婚が決まってる彼氏がいるってこと」
藤田賢雄「結婚、決まってるんですか・・・・・・」
三雲しほ「もちろん!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「どした?」
藤田賢雄「いえ、なにもありません」
藤田賢雄「とにかく、ありがとうございます!!」

〇入り組んだ路地裏
  夜の裏路地
三雲しほ「遅すぎ!!」
藤田賢雄「す、すみません」
三雲しほ「女の子を待たせるとか」
三雲しほ「男として終わってる」
藤田賢雄「うぅ」
三雲しほ「こんな場所で待たせてるとか」
三雲しほ「クソじゃん」
藤田賢雄「言い過ぎ・・・・・・」
三雲しほ「クソofクソ」
藤田賢雄「なんですか、それ・・・・・・」
三雲しほ「てかさ」
三雲しほ「なんで、ここチョイスした?」
藤田賢雄「バレないようにしないとと思って」
藤田賢雄「俺たち、いちよう有名人だし」
藤田賢雄「あと、これを」
  藤田は、三雲しほにマスクを渡した
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「まぁ、その配慮は良いけどね」
三雲しほ「さ!」
三雲しほ「手!!」
藤田賢雄「え?」
三雲しほ「だから!!手!」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「つなぐよ!!」
藤田賢雄「マジですか?」
三雲しほ「なんで、そんな躊躇すんの?」
三雲しほ「撮影中は普通にやってたじゃん」
藤田賢雄「・・・・・・」

〇病室
鈴鹿カスミ「浮気・・・・・・しないでね」

〇入り組んだ路地裏
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
  藤田賢雄は”ターゲット”の手を優しく握る
  こうして
  藤田賢雄が後戻りする道は
  閉ざされた

次のエピソード:第4話 三度目の初デート

コメント

  • すぐ終わってしまいました
    疑似デートってやつですね
    しかもお互いに相手がいるうえでの...どうなるんでしょうか

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